
予選で大きな武器となるソフト新品が使えるのは2回、しかし予選は3セッションある。そしてスーパーフォーミュラのタイム差はつねに僅差で、時に100分の1秒が明暗を分けることさえあるほど。ソフト(S)とミディアム(M)のラップタイム差が1秒前後あると見込まれる状況下、ミディアムでQ1を確実に突破することは、よほどマシンセッティングが決まっていないと難しいのではないか。
つまり、Q1~Q2を「S~S」という新品タイヤ投入順序で戦うことが基本軸になると予想される。富士テストでソフトタイヤを試したあとのドライバーやエンジニア、チーム首脳たちの見解も、ほぼそこに行き着くようだった。
金曜の練習走行と土曜朝のフリー走行で「セットアップ的にスピード面で明確なアドバンテージがある」と得心できた陣営は、予選Q1をミディアムで乗り切れるという判断をしてくる可能性もあるだろう。
また、ソフトとミディアムのタイム差は1秒よりずっと小さい、と読んでいる陣営なら、Q1へのミディアム投入の判断基準は下がることにもなるが、いずれにしてもミディアムでのQ1突破が実現できれば、Q3にソフトを温存でき、ポールポジション争いに向けて優位を築けるだろう。
一方でセットアップに苦しむ陣営は、「とにかくQ2進出だけは果たしたい」と、セッション時間が20分と長いQ1でソフトを2セット投入する策に出ることもあり得るか。ただ、別の要素がこのあたりの事情を大きく変える可能性もある。
第4戦もてぎはホンダとトヨタのエンジンが後半戦仕様に切りかわる予定のレースなのだ。