今季前半、ホンダとトヨタはほぼ互角のパフォーマンスを発揮していたが、もし後半戦仕様投入でどちらかが大幅にスピードアップするような事態が生じれば、一方の側にとってはミディアムでのQ1突破がそう難しくはなくなる、というような展開もあり得ないことではない。
とにかく金曜の練習走行と土曜朝のフリー走行、ここでのタイム動向から一瞬も目が離せない攻防となるのは必至である。

仮にS~SでQ1~Q2突破を果たした場合だが、Q3ではミディアム新品を使う他に、ソフトのユーズドを使うという選択肢もありそうだ。このあたりはQ3進出が予想される上位陣営の見解も分かれるところのようで、要は当日のコンディションと総合的な状況次第。
Q3に進んだ精鋭8騎がそれぞれどういうタイヤを履いて最後のポール争いに臨むのか、結果的には皆同じ選択になる可能性も含めて、興味深い焦点となるだろう。
ちなみにもてぎでは各陣営、予選本番までソフトは履けない、と考えておくべきだ。2セットしかなく、新品のメリットを予選で発揮させることを優先した場合、土曜朝のフリー走行でソフトを試すことはできないと思われる。
セットアップ傾向によっては、まったくの新品よりもスクラブをした方が予選に向けていい、と判断した陣営が“皮むき”程度のソフトでの走行を朝に済ませることはあるかもしれないが、ソフトで走り込むという行為には現実味がないだろう。
この「ソフトはぶっつけ本番濃厚」という要素もまた、戦局の変動を予感させてくれる。