JMS P.MU/CERUMO・INGING 2018スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ 決勝レポート
2018 SUPER FORMULA
JMS P.MU/CERUMO・INGING Race Report
第5戦 ツインリンクもてぎ
◆8月19日 (日) 決勝
#1 石浦宏明 優勝/#2 国本雄資 15位
<決勝> 天候:晴れ | コース状況:ドライ
2018年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦で、JMS P.MU/CERUMO・INGINGの石浦宏明が、トラブルをはねのけてポール・トゥ・ウィン。今季初優勝を飾り、ランキングも3位に浮上した。国本雄資はタイヤの消耗で苦しいレース展開となったが、チェッカーまで懸命に走りきり15位でフィニッシュした。
SUPER FORMULA決勝日の最初の走行は、午前10時からのフリー走行となった。30分間のセッションで、国本のベストタイムは4周目に記録した1分34秒918で4番手。その後ヘアピンでオーバーランしてしまいマシンをストップさせたが、大事には至らなかった。石浦は、前日に周回数を多くこなしたソフトタイヤを使っていたために1分35秒181で8番手だったが、レースに向けたタイヤのロングランチェックを行い、また入念にスタート練習も重ねるなど、決勝に向けた準備を着々と進めていった。
決勝レースは午後2時15分にスタート。ポールシッターの石浦を含め、上位4台がソフトタイヤでのスタートを選択。シグナルのブラックアウトと同時に抜群の蹴り出しを見せた石浦は、さらにオーバーテイクシステム(OTS)も駆使してトップのポジションを固めようとしたが、OTSの効力が切れたタイミングで、2番手につけていた松下信治選手がOTSを使って猛チャージをかけてきた。5コーナーでわずかにスペースを空けてしまった石浦は、松下選手の先行を許し2位に後退。松下選手のペースに合わせる形でレース序盤を進めていくことになった。もともと、先行逃げ切りの作戦を予定していた石浦だが、ここでタイヤをいたわりながら松下選手のピットインを待ち、レース後半で勝負する作戦にスイッチし、1秒前後のギャップを守りながら周回数をこなしていく。レース後半に入った27周目を終えて松下選手がピットに向かうと、石浦はモードを切り替えたかのように一気にペースアップ。それまで1分37秒台のタイムを重ねていたのに対し、28周目には1分36秒0、29周目には1分35秒8と、ハイペースで後続とのギャップを広げていった。レース終盤の40周目に暫定2番手につけていた平川亮選手がピット作業に向かったのを確認すると、翌周にピットイン。メカニックたちは迅速な作業で、アウトラップの平川選手がホームストレートに戻ってくる前に石浦をコースへ送り出すことに成功し、トップの座を守って残りのスティントへと入っていった。
ミディアムタイヤに換えた後も石浦のペースは変わらないように見えたが、実はレースの序盤からシフトトラブルを抱えており、34周目にはシフトアップができずに1分38秒台までタイムを落としていた。ラップタイムはすぐに36秒台まで回復させていたが、わずかな不安を抱えたままレース終盤へと向かっていく。それまでに築いておいたマージンを使いつつ、残り2周は1分37秒台までペースを落としながらも無事にチェッカーまでマシンを運び、石浦は見事なポール・トゥ・ウィンで、ドライバーズチャンピオン連覇に向けて重要な今季1勝目を勝ち取った。
予選10位の国本は、ミディアムタイヤでのスタートを選択。燃料補給のタイミングを考え、最短周回数でソフトタイヤへと交換する作戦だ。まずまずのスタートは切ったものの、後方からロケットスタートを決めた1台が大幅に順位を上げたことで、オープニングラップでは11番手に後退。そこから、ベストラップを更新しながら9周目まできたところでピットインし、ソフトタイヤへと交換して挽回を目指した。タイヤに熱が入ってすぐの12周目には1分35秒731をマークして自己ベストタイムを更新。同じくミディアムタイヤで短いスティントを走り、ソフトタイヤへと交換していたニック・キャシディ選手、山本尚貴選手らと集団でのバトルを展開していった。序盤は前の2台に食らいついていた国本だったが、タイヤの消耗が早く、徐々に間をあけられてしまう。苦しい展開のなかで国本は懸命な走りを見せ、終盤までは後続からのチャージを抑えていたが、41周目に14位に後退。最終的には15位まで下がりながらもチェッカーを受けた。
W表彰台を獲得した前戦のように、揃っての好結果には繋げられなかったもてぎラウンド。しかし、石浦はこの勝利でシリーズランキングを3位に押し上げ、トップともわずか3ポイント差に迫っている。次戦の岡山はチームとして得意としているサーキット。チームランキングでもトップにつけるため、2台揃っての表彰台を目指す。