投稿日: 2018.08.20 17:56
更新日: 2018.08.20 19:26

レッドブル・ドライバーの意地を見せたオーバーテイク連発の平川。マルコ氏も即答で「いい仕事をした」と好印象


スーパーフォーミュラ | レッドブル・ドライバーの意地を見せたオーバーテイク連発の平川。マルコ氏も即答で「いい仕事をした」と好印象

 決勝、「最初が勝負どころだった」という平川は、オープニングラップで7番手に上がると、その後は1周1台を抜いて4周目には4番手に浮上していた。この時点で、OTS(オーバーテイクシステム)の残りはすでに一発。3番手の野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)の攻略には、「できればOTSを使いたくなかったけど」、トップの石浦宏明(P.MU/CERUMO·INGING)と2番手の松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が逃げる展開になったこともあり、早めに仕掛ける必要があった。

 そして平川は7周目のダウンヒルストレートで最後のOTSを発動させる。これに野尻もOTSを使って応戦、2台は順位を変えることなく90度コーナーを駆け抜けていった。しかし2ワイドになった最終コーナー、1コーナーへのアプローチに向けて平川がストロングポジションを取ると、1コーナーにインから飛び込んで野尻の前に出た。

 その後の平川はOTSがなくとも、ライバルに対して1周1秒速いペースでラップしていく。松下がピット後、トラフィックにつかまったという背景もあったが、平川のタイムは落ちることなくトップの石浦を追い続けた。結果的に石浦には届かなかったが、数々のオーバーテイクを演じた平川は、間違いなくこの日の“コース上の王様”だった。

 レース後、平川は星野一義監督から「よくやった! お前がウイナーだ」と言ってもらったという。マルコ氏もまた、「この週末、スーパーフォーミュラという誇り高きレースで、誰がもっとも良い仕事をしたかって? その答えは即答できる。リョウ・ヒラカワだ」という言葉を残していった。

 平川は会見で「日本のレッドブル・アスリートも、やればできることをアピールできたと思う」と語った。

 しかし、これで満足はできない。9番手からの2位は褒むべく結果だが、レッドブルには「2位は最初の敗者」という思想がある。勝者はただひとり、それ以外は等しく敗者──。モータースポーツに限らず、競技とはそういう世界だ。F1を、その頂点を目指すということは、それほどに険しい道を歩まねばならない。

闘将、星野一義監督も手放しで祝福した平川の決勝レース。予選9番手から見事2位表彰台を獲得
星野監督は優勝したライバルの石浦宏明も祝福。

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