ギャップが最小限になるリスタートのタイミングが最大のオーバーテイクのチャンスだが、ここでは石浦と国本の順位は変動することなく、それぞれ7位と8位で周回を重ねていった。規定周回数の54周よりも先に最大レース時間のリミットが近づき、さらに残りレース時間が5分を切ったところで1台のマシンがコース上でスピンしストップしてしまい、このレース3度目のセーフティカーランとなる。
結局、セーフティカーが離れることなく最大レース時間の70分を過ぎたところでチェッカーフラッグを迎え、石浦は7位、国本は8位でフィニッシュし、そろってポイント獲得を果たした。なお、トップの走行周回数は34周で、規定周回数の75パーセント周回を満たすことができず、今大会ではハーフポイントが与えられることになった。
タイトル争いでは、ランキングトップのニック・キャシディ選手が5位フィニッシュで2ポイントを加算。石浦が1ポイントを加算し、山本尚貴選手がノーポイントに終わったことから、石浦がランキング2位に浮上。キャシディ選手とは4ポイント差で最終決戦を迎えることになる。
また、チームタイトル争いではトップと3ポイント差の3位に。両タイトルの連覇を目指し、チーム一丸で最終戦に挑む。
ドライバー/#1 石浦宏明
「レース中は、目の前の2台に抑えられているような状況でした。国本選手も、その前の山下選手に引っかかっているように見えましたね。そういう状況で、セーフティカーが入る直前に立川監督から指示があり、国本選手がレコードラインをあけてくれました」
「チャンピオンシップを考えるとありがたい状況でした。チームにとってもドライバーズタイトルを獲るのは大事なこと。これまでもチームの判断で助けてもらったこともあるので、最終戦で必ずチャンピオンを獲り、結果で期待にこたえなければいけないと思っています」
ドライバー/#2 国本雄資
「リスタートが切られた1周目がチャンスと思っていましたが、序盤のタイヤの温まりが少し遅く、そこでは狙うことができませんでした。徐々にタイヤが温まってからは、逆に前を走る山下選手のペースが落ちてきたようにも見えていたので、このままいけばチャンスがあるかなと思っていました」
「セーフティカーが入ってからは、水しぶきで前も見えなくなってしまったし、そのままレースを終えたという形です。最終戦の鈴鹿は比較的得意としているところです。しっかりと合わせこんで、ポール・トゥ・ウインできるようにしたいです」
監督/立川祐路
「理想を言えば、国本に3号車より前に出てもらい、石浦も一緒に前のほうでレースができたらよかったのですが、やはりウォータースクリーンの中ではなかなかそれが叶わなかったので、チャンピオンシップを考えたチームの判断として、順位を入れ替える指示をしました」
「国本には、そこまで非常にいい走りをしていただけに申し訳なかったのですが、3号車が前にいたため、あのような判断をせざるを得ませんでした。今回の結果を無駄にしないよう、1号車はきっちりとチャンピオンを獲ること、そして2号車は勝って終われるような戦いができることを目指し、チーム一丸で最終戦に挑みたいと思います」
総監督/浜島裕英
「チャンピオンシップを考え、チームの判断で2台の順位を入れ替えることになりました。昨日の予選順位と今日のコンディションを考えると、できうる限りのベストの形にはなったと思います」
「ただ、ドライでの専有走行や土曜日のフリー走行など速さを見せるセッションもありましたが、予選結果は思っていたほど振るわなかったりと、調子に波がありました。ここを修正して最終戦に臨みたいと思います」

