石浦は日曜のフリー走行後に開幕戦の時のセットアップに戻すという大変更を敢行。そして決勝でマシンの異変に気づいた。

「今もまだ、はっきりとした原因が分かっているわけではないですが、決勝ペースも明かにひとりだけ遅かった。今回は実力不足です。いい流れを持って来れませんでした」と石浦。レース直後は明言しなかったが、どうやらブレーキに違和感があったようだ。3度目のチャンピオンは逃したが、それでも石浦の視線はすでに2019年シーズンに向いている。

 そして、今年で最後となったSF14についても、石浦にとっては感慨深いものがある。2008年から4年間スーパーフォーミュラに参戦していた石浦だったが、2012、2013年にはシートを失ってしまい、2014年に現在のP.MU/ ERUMO·INGINGから復帰参戦を果たした。心機一転してスーパーフォーミュラに復帰した際の相棒となったのが、その2014年からデビューすることになったSF14だった。

「SF14は僕にとって、一番結果を残せたクルマです。このクルマになる前、僕はスーパーフォーミュラでシートを失っていて、このクルマが導入されるとともにスーパーフォーミュラに復帰して、そしてすぐにチャンピオンを獲れました」

 石浦は復帰した2年目の2015年にスーパーフォーミュラ初タイトルを獲得すると、2017年には2度目のチャンピオンに輝き、SF14とともに名実ともに国内トップドライバーとなった。世界的に評価の高い名機SF14で、石浦はもっとも成功したドライバーと言える。

「すごく相性がいいクルマというか、ダラーラさまさまです(苦笑)。F3マシンのようにクイックに動かせるクルマなので、そのような特性を持ったクルマだったことでブランクがあってもすぐにトップに戻ってこれた。来年からのSF19にも、もちろん期待していますし、これまで1年おきにチャンピオンになっているので、来年(チャンピオン)かなと思っています。連続チャンピオンはなかなか難しいですね」とこれまでのSF14と、そして来季SF19への期待を語った石浦。

 SF14も今年で5年目となり、セットアップもかなり煮詰まった状況で戦われていたが、新シャシーSF19の導入で2019年のスーパーフォーミュラはこれまでの勢力図がリセットされる。果たして次世代のスーパーフォーミュラでは、どのドライバーが主役となるのだろうか。

2018スーパーフォーミュラ最終戦鈴鹿
石浦宏明(P.MU / CERUMO · INGING)とSF14

2018スーパーフォーミュラ最終戦鈴鹿

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