更新日: 2020.10.19 11:09
ホンダ 2020スーパーフォーミュラ第3戦SUGO レースレポート
2020.10.18(日)
宮城県 柴田郡
第3戦 スポーツランドSUGO
山本尚貴が3位で今季初の表彰台。野尻智紀が4位に続く
2020年度全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第3戦が10月17日(土)~18日(日)にかけてスポーツランドSUGO(宮城県)で開催されました。今回は、TEAM MUGENのユーリ・ビップス、ThreeBond Drago Corseのタチアナ・カルデロンが検疫スケジュールの都合で入国できず、それぞれ笹原右京、塚越広大が代役として出走しました。一方、入国できたBuzz Racing with B-MAXのセルジオ・セッテ・カマラは今シーズン初めてレースに出走しました。
日本国内では依然として新型コロナウイルス感染が収束していないため、第2戦に引き続き土曜日は専有走行とフリー走行を行い、予選と決勝は日曜日1日で行う変則スケジュールでの開催です。土曜日は朝から小雨が降り、ウエットコンディションで専有走行が行なわれましたが、午後には雨が止み、路面もウエットコンディションからドライコンディションになりました。しかし、午後の公式フリー走行は終了直前に赤旗で打ち切られたため、多くの選手はドライタイヤでのタイムアタックシミュレーションができないまま、日曜日の公式予選を迎えることとなりました。
翌18日(日)は朝から晴れ、公式予選セッションはドライコンディションで行われました。A組、B組とふたつのグループに分けて行われたQ1セッション。そのB組でいったんは8番手でQ1落ちした#50セッテ・カマラでしたが、セッション中に赤旗原因を作ったドライバーのタイムが抹消されたため、繰り上がりでQ2に進出しました。
セッテ・カマラはQ2を4番手でクリアすると、Q3ではベストタイムを記録してスーパーフォーミュラのデビュー戦でポールポジションを獲得。海外での実績はあるもののスーパーフォーミュラではルーキーであり、また『日本のレース、スポーツランドSUGOを初めて走る』という厳しい条件を克服しての快挙でした。5番手に#16野尻智紀(TEAM MUGEN)、8番手に#15笹原右京(TEAM MUGEN)が続きました。
決勝レースは午後2時40分過ぎに始まりました。午前中、晴れていた空には雲が広がりましたが、コースはドライコンディションです。スタートではポールポジションのセッテ・カマラの加速が鈍く、首位を明け渡し2番手へ後退しました。一方、10番手スタートだった#5山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は好スタートを切り、第1コーナーで起きた接触事故もくぐり抜け、さらに#16野尻もかわし4番手へ進出してレースを始めました。
#5山本はオーバーテイクシステムを使ってさらに3番手へ順位を上げ、#50セッテ・カマラに迫ると18周目に2番手へ順位を上げました。ここで#50セッテカマラはピットインしタイヤ交換を行いレースに復帰しました。ところがアウトラップの第4コーナーで、タイヤが十分暖まっていなかったため止まりきれずにコースアウト、レースを終えてしまいました。
このアクシデントを受けてセーフティカー(SC)が介入し、28周目からレースが再開されました。しかしレース再開後、2番手の#5山本はSCラン中に冷えたタイヤがなかなか暖まらず、その間にオーバーテイクを許し3番手へ後退しました。#5山本の後方には#16野尻が続き、一時期は後方から攻め立てられる場面もありましたが振り切り、3番手を守り続けました。最終的に#5山本は3位で、#16野尻は4位でチェッカーフラッグを受けました。#64牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)は7位、#6仁嶺福住(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は10位でレースを終え、それぞれ選手権ポイントを獲得しました。
■コメント
山本尚貴(3位)
「3位表彰台に上がれて、ひとつステップを踏むことができたように感じます。予選ではトラフィックにひっかかって自分の力を出し切れなかったので、決勝では何が何でも前へ出ようと思っていました。レース前半、とにかく前へ出ようと思ってオーバーテイクシステムを使ったため、終盤、前のマシンを抜こうと思ったときにはあまり残っていませんでした。しかし(自分のラップタイムのペースを)考えると、残っていても抜けたとは限らないので、オーバーテイクシステムの使い方は間違っていなかったと思います」
野尻智紀(4位)
「土曜日、雨のフィーリングはまずまず。午後はドライになってそれなりに手応えがあったのですが、タイミングが合わずにタイムアタックの練習ができないまま予選を迎えたので不安はありました。実際にはマシンの調子はよく、Q2ではトップタイムを出せました。Q3はぼくたちが抱えている問題点に対策しきれなかった面があって5番手でした。決勝はスタートがすごくうまくいったのですが、1周目に山本選手に抜かれてしまいました。その後のペースは前の3台に届きませんでした。それでも4位を守り切れたので、いまできる限りの力を出せた結果かなとは思います」