更新日: 2021.05.02 18:37
笹原右京 2021スーパーフォーミュラ第2戦鈴鹿 レースレポート
UKYO SASAHARA
SUPER FORMULA Rd.2 PERSONAL REPORT
Date:2021/04/24~25
Track:鈴鹿サーキット国際レーシングコース(5.807㎞)
Car:Dallala SF19
Engine:HR-417E
Tyre:YOKOHAMA
Team:DOCOMO TEAM DANDELION RACING
第2戦は鈴鹿サーキットに舞台を移し、土日とも晴天のもと2輪と4輪のダブルプログラムである2&4イベントとして開催されました。今大会もDOCOMO TEAM DANDELION RACING 6号車、牧野任祐選手の代役として参戦させていただけることになり、前戦富士ラウンドのリベンジを果たすべくチームとともに臨みました。
レースウイーク予選日の4月24日に僕は誕生日を迎え、多くのみなさまに祝っていただきました。ありがとうございました! もちろん25歳のバースデーポールを狙う意気込みはありましたが、残念ながらフリー走行からスピードを得られず、それでも6号車チームのハードワークにより改善に向かい、予選は決勝に可能性を残す5番手グリッドを獲得となりました。
30周というセミスプリントのような決勝は、目前のエンジンストール車両を避けるためにロスが発生したものの初動で良いスタートが切れていたことで、ポジションをひとつ上げ4番手でレースを開始しました。早速2周目にOTS(オーバーテイクシステム)を使用し3番手の#20 平川亮選手にアタックを仕掛けましたがオーバーテイクには至りませんでした。
その際に後方#19 関口雄飛選手にかわされたものの抜き返すといったバトルを展開しましたが、レース序盤からグリップバランス変化に苦しみ、ペースが上がらず苦しい展開となっていき、状況を無線で伝えていくなかでチームもピットタイミングなど戦略でカバーできることを練り続けてくださっていた9周目、#5 福住仁嶺選手にタイヤトラブルが発生したことで図らずも3番手に浮上しました。
チームの12周目ピットインの指示は的確で、メカニックのみなさんの迅速な作業も相まって車両の居ないクリーンな場所でコースに戻れたため、逆転を狙いタイヤが冷えているアウトラップを攻め、その翌周にはOTSを使用しさらに攻めていきました。しかし僅かに及ばず3番手のままセカンドスティントを開始しました。
その直後、#18 国本雄資選手のアクシデントがありSC(セーフティカー)が導入されました。リスタート後に再度OTSを使って#20 平川選手にアタックを仕掛けましたが、わずかに距離が足らずオーバーテイクは叶いませんでした。レース序盤同様、その後はペースに苦しむ状況となってしまい、後方を抑えながら前についていくことで精一杯でした。
とにかくミスをせずマシンを前に進めることだけに専念し、ポジションを守り切り3位でチェッカーを受けました。昨年から代役としてスーパーフォーミュラに参戦させていただき厳しい状況も経験しましたが、僕自身初の表彰台を獲得できたことはひとつのステップを踏み出せたと感じています。
レギュラーとは異なる環境でプレッシャーも多く楽なことは何ひとつありませんが、シートにおさまっている時間は毎ラップ自分の人生を賭けて攻めていきましたし、チームメイトのタイヤトラブルを目撃したあともチームのために確実にポイントを持って帰るというのが第一のタスクだと認識しながらも、同時に自分の人生でもあるのでアクセルを緩めたくなかったというか、最後まで悔いは残さず全力を出し切りたいと思って走っていました。そういった想いがなんとかこういう結果に繋がったのだとしたら、そこはポジティブに捉えたいと思います。
そして幼少の頃より僕のレースを楽しんでくださるファンの方や、支え続けてくださるスポンサーの方々が各メディア映像やライブタイミングなどを見守りながら盛り上がってくださったことがわかり改めて有り難く嬉しい存在だなと感じました。このような経験をさせていただけたのも、機会を与えてくださったDOCOMO TEAM DANDELION RACINGすべてのスタッフのみなさま、ホンダ様をはじめ、すべての関係各位のおかげであり、感謝しかありません。
今後どのような立場でこのレースに関われるのか不確定ではありますが、ドライバーとしては常にマシンに乗り“勝利”を求めていきたいのが正直な気持ちです。チャンスが巡ってきたときにしっかり掴みとれるよう、自分の準備はし続けていきます。ありがとうございました!
笹原右京
Photo : ©︎Sho Tamura