更新日: 2021.10.18 14:58
トヨタ 2021スーパーフォーミュラ第6戦もてぎ レースレポート
セーフティカー3回の荒れた展開のなか、フル参戦初年度の阪口晴南が2位表彰台獲得
スーパーフォーミュラの第6戦がツインリンクもてぎで行われ、濡れた路面から乾いていく難コンディションで3度のセーフティカーが出される荒れた展開のなか、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)が2位でフィニッシュし、今季2度目の表彰台を獲得。逆転タイトルの可能性を残し臨んだ関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)は健闘を見せましたが4位に終わりタイトル獲得はなりませんでした。
スーパーフォーミュラの第6戦が10月16日(土)、17日(日)の両日、栃木県のツインリンクもてぎで開催されました。同じもてぎを舞台として戦われた第5戦から約1カ月半。2戦連続の開催とはいえ、真夏の暑さの下で行われた前戦とは異なる涼しいコンディションで、さらにハイレベルな戦いとなることが予想されました。
今季のスーパーフォーミュラでは、トヨタエンジン搭載勢は第3戦での1勝のみと厳しい戦いが続いており、全7戦中の5戦を終えた時点でタイトルの可能性を残すのは関口と平川亮(carenex TEAM IMPUL)のふたりのみとなりました。しかし、関口は直近の2戦で連続表彰台を獲得しており、3位、2位と上り調子の関口の走りに期待がかかりました。
また、今大会には、今季WECとのスケジュールの都合でなかなか参戦が叶わなかった小林可夢偉(KCMG)と中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が出場。中嶋は開幕戦以来、そして小林は今季初のスーパーフォーミュラで、今年のル・マン24時間レースで1-2フィニッシュを飾ったふたりの凱旋レースとなります。
そして、今季シリーズエントリーしていながら、入国制限により参戦が叶わなかったサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)もようやく今大会より出場。本来のドライバーが出揃っての一戦に、注目が集まりました。
予選
16日(土)は曇り空の下、予選セッション開始30分くらい前に軽く小雨が落ちてきたものの、路面を本格的に濡らすまでには到らない、非常に悩ましいコンディション。午後1時35分より、気温20度、路面温度24度のなか、ノックアウト方式の予選が開始されました。
Q1とQ2はそれぞれ2グループに分けて実施。上位7台がQ2へと進出するQ1のA組では、早速注目の小林と中嶋が出走。小林は他車に先んじてアタックに入り、好タイムを期待させる走りを見せていましたが、90度コーナーを立ち上がったところで痛恨のスピンを喫し、ブリッジ内の壁に軽くヒット。車両前部にダメージを負い、車両を停めることとなってしまいました。
セッション残り3分を切ったあたりで発生したこのアクシデントにより、赤旗が出され、車両排除の後に残り3分で再開。全車1周でのアタックとなりました。ここでは山下健太(KONDO RACING)がトヨタ勢最上位の4番手タイム。平川が5番手、阪口が6番手、最初にタイムを出した中嶋は7番手でQ1を突破。大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)は8番手となり、ノータイムの小林とともにQ1敗退となりました。
B組では、セッション後半にどんどんタイムが塗り替えられていく中、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)が5番手、関口が6番手タイムをマーク。チェッカーが振られた後、最後の最後にタイムを更新した国本雄資(KCMG)が7番手に滑り込み、Q2へと進出。これで押し出されるかたちとなった宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)は8番手で、今季これまで全戦でQ3進出を決めていたものの、初めてQ1敗退となりました。今季初出場となったフェネストラズはこれまでのコースレコードを塗り替える、1分30秒台のタイムをマークするも、9番手でQ2進出はなりませんでした。
Q2はやはり2グループで、それぞれ7台中の上位4台がQ3へと進出します。7分間と短いQ2が開始される頃には小雨が降り始め、一旦は全車スリックタイヤでコースへと出て行きましたが、山下らはすぐにピットに戻ってウエットタイヤへと交換し、再アタックに出て行きました。平川も翌周ピットに戻り、ウエットタイヤに交換し残り2分というぎりぎりのタイミングで再コースイン。しかし、1周して戻って来た平川は、アタックに入ろうとする直前、2秒前にチェッカーが振られてしまい、この周回のタイムでQ2を終えることとなってしまいました。
先にアタックに入っていた山下が、ここではトップタイムをマーク。スリックタイヤのままアタックすることを選んだ阪口が3番手。同じくスリックのままアタックした中嶋はタイムを伸ばせず。平川は最後にライバルにかわされることとなり、5番手で無念のQ2敗退。山下と阪口がQ3への進出を決めました。
Q2のB組でもタイヤ選択に悩まされることとなりましたが、最初からウエットタイヤでアタックした関口がトップタイムをマーク。最初スリックタイヤで出て行ったもののすぐに戻ってウエットタイヤに履き替えた坪井は僅かに及ばず5番手。スリックのままアタックを敢行した国本も7番手に留まり、関口のみがQ3進出となりました。
Q3では雨が止んでさらに路面コンディションが難しい状況となり、関口、阪口、山下のトヨタ勢は全車ウエットタイヤでアタック。しかし、セッションが進行していく間に路面状況は良くなっていき、唯一スリックタイヤでアタックした車両がポールポジションを獲得。トヨタ勢では今季初のQ3進出を果たした山下が2列目4番手。阪口が5番手、関口が6番手で続き、決勝レースに臨むこととなりました。