17日(日)午前中降り続いた雨は止み、空は明るくなり始めてはいるものの路面はフルウエット、気温14度、路面温度17度という難しいコンディションで午後2時45分より35周で争われる決勝レースのスタートが切られました。

 全車ウエットタイヤを装着し、まだ水煙を上げながらのスタートで、6番手グリッドの関口は好ダッシュを見せたものの、続くコーナーでアウトにはらみポジションアップはならず。5番手スタートの阪口がひとつポジションを上げ、さらに前の車両とのバトルを繰り広げると、4番手から阪口にかわされた山下がこのバトルの隙を突き3番手へと浮上。阪口も続き、1周を終えて山下が3番手、阪口が4番手、関口が6番手、そして後方では18番手スタートの小林が一気に9番手へとジャンプアップを果たしました。

 しかし、どんどん乾いていく路面でのウエットタイヤの走行で、序盤速さを見せた山下や小林のペースが落ち、ポジションダウン。8周目を終えたところで、早くも小林はピットインし、最初にスリックタイヤへの交換を行うと、山下も翌周ピットイン。

 10周目、16位を走行していたフェネストラズが5コーナーでスピンを喫し、コースアウト。グラベルに捕まったフェネストラズはなんとか脱出しましたが、セーフティカーが出されることになり、このタイミングで多くの車両がスリックタイヤへ交換すべくピットイン。トヨタ勢では唯一平川のみがウエットタイヤのまま走行を続ける選択を取りました。

 13周を終えたところでセーフティカーが退去しレース再開。翌周にはウエットタイヤのまま走行した車両と、スリックへと交換した車両のタイム差が無くなり、16周目を終えたところで平川もピットイン。全車がスリックタイヤへの交換を終えた時点で、阪口が2番手、関口が4番手、中嶋が7番手、山下8番手、坪井9番手、小林10番手、宮田11番手、大嶋12番手、平川は14番手。

2021スーパーフォーミュラ第6戦もてぎ 中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)
2021スーパーフォーミュラ第6戦もてぎ 中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)

 17周目に別の車両のクラッシュがあり、2度目のセーフティカーが導入され、21周目に再スタートが切られると、各車マージンが無くなったチャンスを活かすべく猛プッシュを見せることになりました。しかし、周回遅れの車両が首位と同一周回車両を前に行かせようとスローダウンしていたところにこのバトル集団が殺到したことで、後方グループで接触やスピンの多重アクシデントが発生。坪井と平川がこれに巻き込まれ、無念のリタイアとなってしまいました。

 3度目のセーフティカーが出され、車両排除及びコース上の清掃を終えた25周目、残り11周でレースが再開されると、4番手の関口が前の車両を猛追。2番手を行く阪口もオーバーテイクシステムを使って首位の車両に迫り、並びかけるところまでは行きましたが、惜しくも逆転には至らず。

 関口は28周目に前車をパスし、3番手へ。さらに阪口へと迫っていきましたが、33周目、最終コーナーで痛恨のオーバーラン。後続にかわされ、4番手へとポジションダウン。阪口も最後まで首位の車両を追いましたが、逆転には至らず、2位でチェッカー。それでも今季フル参戦初年度の阪口が、雨天で途中終了となった第3戦オートポリスに続く2度目の2位表彰台を獲得しました。

 関口は惜しくも表彰台に届かず4位フィニッシュ。逆転タイトルへの望みをかけて今大会に臨んだ関口でしたが、今大会の結果、タイトル獲得は叶いませんでした。開幕戦以来の出場となった中嶋が7位、山下が8位で今季初ポイントを獲得。宮田が9位、そして小林も今季唯一のレースで10位となりポイント獲得を果たしました。

2021スーパーフォーミュラ第6戦もてぎ 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)
2021スーパーフォーミュラ第6戦もてぎ 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)

■コメント
P.MU/CERUMO・INGING 39号車 阪口晴南

「今季2度目の2位表彰台ですが、前回のオートポリスの2位とは違って、しっかりフルのレースを戦い抜いての2位獲得なので、うれしく思っています。昨日の予選で難しいコンディションながらQ3に進んだ時、Q3でエンジニアさんの意見と僕の意見が分かれ、僕がレインを選択したことであのような予選結果になってしまったので、それを取り返すべく決勝は頑張りました」

「スタートは出遅れましたがその後の位置取りが良く順位を上げることができ、レインタイヤでのペースも良かったです。その後セーフティカーが入って、僕はステイアウトなのかと思ったのですが、チームからボックス(ピットイン)と言われて、昨日それですごく反省したので、今日は従いました。やはりレースを一番広く見ているのはエンジニアだと思うので、指示に従ってピットインしたんですが、それがこの結果に繋がっていると思います」

「後半も非常にトリッキーなコンディションで所々濡れていて、いつスピンしてもおかしくない状況のなか、僕はチャレンジできるポジションだったので、ガンガン攻めたんですが、大津選手も速いペースで走っていたので抜くチャンスがなく、一回近い所まで行ったんですがきっちり抑えられてしまいました。同じルーキーとして僕が先に勝ちたかったという思いは正直あるんですが、まずはTEAM MUGENのみなさんと大津選手におめでとうございますと伝えたいです」

「今回は完全ドライではなかったので、これでレースペースが解決したという答えはまだ出せないと思います。とはいえ今回のようなコンディションではかなり高いパフォーマンスを僕のクルマは出してくれているので、あとはドライの決勝ペースをしっかり課題として持ち帰り、まだまだ成長できるところはあると思うので、さらに上を目指して頑張ります」

2021スーパーフォーミュラ第6戦もてぎ 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2021スーパーフォーミュラ第6戦もてぎ 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)

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