更新日: 2022.04.09 22:39
近藤真彦監督も悲喜交々。「プッシュしすぎた」フェネストラズが逃した勝利と、悩める山下/第1戦決勝
しかし、もう1台の山下健太に関しては、苦しいシーズン初戦となってしまった。開幕前のテストでは復調の兆しも見えていたが、金曜日に行われた占有走行から違和感を感じていたとのこと。第1戦の予選では自身のミスも重なりQ1のAグループ8番手でノックアウトという結果になった。
「金曜日の占有走行では、走り出しのタイムが1分22秒1で感触的に良いかなと思っていたのですけど、セッション途中でニュータイヤを入れたら、1分22秒7までしか出なくなってしまい……。クルマのセッティングも多少は変えたのですが『そこまでタイムが出なくなるのか?』という感じでした。もし(セッション序盤と)同じセッティングで走っていたとしても、タイムが下がっているのではないかなという印象を受けましたね」
そうして迎えた決勝では早めにタイヤ交換を済ませる作戦で上位進出を目指したが、山下は終始苦しい展開を強いられた。
「いろいろと修正を加えて臨みましたが、今日の予選では自分のミスもありました。ただ、決勝もぜんぜん速くなく、グリップがどんどん落ちてペースが遅くなり……どうしようもない感じです。サッシャ選手のデータも参考にさせてもらっているのですが、同じような状況にはなっていません。今週は運良く明日も予選・決勝とあるので、いろいろと試みて、上位で争えるようにしたいと思います」
「正直、第1戦はいけるかなと思っていたのですが……。スーパーフォーミュラではハマっていますね」と山下。テストで手応えがあっただけに、いつになく落胆した表情を見せた。
近藤監督も山下の結果には、悔しさを感じている様子。「健太は予選でちょっとしたミスもありましたし……すごく細かい話なのですが予選Q1でピットの出し方が、あと10秒早かったら、健太はもう1周アタックできたはずです。うちのチームはピットが入口側にあって、出口側のチームのように、すぐにはコースに出ていけません。そこも踏まえて準備は早めにしておくようにというのは、終わった後のチームのミーティングでも話しました」
「健太も今日は結果が悪かったですけど、速いデータはいっぱい持っているので、それが噛み合えば、彼も上位に浮上する可能性はあると思います」と、明日に向けて期待を寄せていた。
今回の結果をみると、彷徨っていたトンネルから脱出した感はあるのだが、細かい部分をみていくと課題はまだまだある様子のKONDO。実際にフェネストラズも「今回の結果が良かったからと言って、シーズン全体が良くなるかというと、まだ何とも言えない」と慎重な様子だった。
それでも、この週末では大量得点を狙っているのは確かで、「でも、良いスタートが切れたのは確かだから、この調子を維持していきたいし、少なくとも明日はチャンスがあると思ってる。クルマのバランスは良いけど、レースのペースが十分ではない。明日はそこを改善できるようにしたい」とフェネストラズは意気込みを語った。
第1戦はチームメイトで明暗わかれる結果となったが、明日10日に行われる第2戦はどういう展開が待ち構えているのか。その答えが翌日すぐ見られるというのも、2レース制の特徴のひとつなのかもしれない。