更新日: 2022.10.31 10:22
「“SFあるある”です」「A組とB組の差、ありすぎ」「シートがあるうちに活躍したい」【SF Mix Voices 第10戦】
■山下健太(KONDO RACING)予選19番手/決勝13位
チームメイトのフェネストラズがランキング2位を決めた一方、山下はランキング13位でシーズンを終えるという、チーム内でも対極的な成績となった。そんな今季を「浮き沈みが激しいシーズンでしたね」と山下は総括した。
「スピードはそんなに悪くないくらいじゃないかと。さすがに勝てるスピードはなかったですけど、表彰台は見えるのではないかというポテンシャルはあって、鈴鹿に来るまでよかったのですけど。鈴鹿に来たら、走らなくなり……分からなくなりました」
前日同じく不調に苦しんだフェネストラズが復調を遂げた一方、山下のスピード不足は解決に至らず。第10戦は13位フィニッシュという結果でシーズンを締めくくることとなった。
山下とフェネストラズはお互いの車両のデータを共有しているとのことだが、「根本的にセットが違いますし、それにサッシャの方は今年ほとんどセットを変えていないです。ほぼ毎戦似たような感じで、どこでも走れるみたいな」と山下。
「一方、こっちはハマれば速いけど、ハマらない時はぜんぜん駄目という繰り返し。どこからそういう差が出ているのかは……いまいちわからないです」
去り際に、来年に向けた思いを聞いたところ「戦えるシートがあるうちに活躍したいです」と山下。
「若手もいっぱい来るし。こんな成績じゃ『いらない』ってなるのも遠くはないはずなので」
スーパーフォーミュラでは優勝経験もある山下。今季もスーパーGTでは速さと巧みなレース運びを見せている実力者なだけに、来季のスーパーフォーミュラでの完全復調に期待したい。
![2022スーパーフォーミュラ第9戦&第10戦鈴鹿 山下健太(KONDO RACING)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/10/30232729/asimg_03_6d635e89d1483a3-660x440.jpg)
■関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)予選20番手/決勝11位
第9戦が行われた土曜日、今季もっともマシンに手応えを感じていたという関口雄飛。当然、日曜もその好調をキープするかと思いきや、朝の予選では1分37秒743というタイムしか出せず、まさかのQ1落ちを喫してしまう。
「予選がなぜか大ゴケしちゃって……。SFでたまに“あるある”の『なぜか分からないけど、急にタイムが出なくなる』ってやつです」と関口本人も首をひねる。
これでなんと20番グリッドスタートとなってしまったが、決勝では随所で光るバトルも見せ、11位まで順位を上げてフィニッシュした。決勝でのペースは「良かった」と関口は言う。
「ただ、昨日もそうなんですけど、展開がうまくいかなかったですね。本当は“裏”で稼ぎたかったけど、SCが入ってしまったのでそこでピットに入らざるを得なくなったし、入ったら入ったで平川選手が(ピットボックスに)いて、ちょっと待つ感じになってしまいました」
他の多くの車両がミニマムでピットに入る一方で、ステイアウトしようとしていた関口は、ここぞとばかりにOTSを使ってしまっていたという。そのため第2スティントではOTSを使い切っており、坪井を度々かわすも、OTSを使って抜き返される、という状況になってしまっていた。
「今日は今年で一番、コース上で抜けたかなと思うので自分の走りには満足しています。でも展開がダメで、(その要因を)逆算していくと予選がダメだった、ということですね」
今季は第8戦もてぎで1勝を挙げたが、「前半が良くなかったですね」と関口はシーズンを振り返る。
「中盤も勝てそうなレースを落としたりとか、なかなか厳しかったのですが、自力でちゃんと(流れを)引き戻して優勝できたし、そこからは調子も上向きで、なんとか踏みとどまったという感じ。一応、それなりの活躍ができたと思います」
![2022スーパーフォーミュラ第9戦&第10戦鈴鹿 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/10/30232643/asimg_19_d7635e89a2e58e4-660x440.jpg)
■牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)予選10番手/決勝9位
第9戦に続いて、第10戦の予選Q1ではAグループトップタイムを記録した牧野。しかし、期待されたQ2ではタイムの上げ幅が足りず10番手に沈んだ。
「Q1トップからQ2で下位に落ちるという、昨日と同じことになったのですけど。そこがこの2戦の一番のポイントだったと思います」と牧野は振り返る。
「予選で前へ行かないと、決勝でいくらペースがよくても、前のクルマに引っかかるとなかなか抜けないですし。Q1からQ2にかけて周りはタイムの上げ幅がかなりある中で、僕は上げきれていないですね。不思議な予選でした」
「正直、昨日のQ1はもう完璧に狙った通りで。専有走行から風向きが絶対に変わるというのも読んで。そのなかで自分が思っている通りの動きになりました。今までSUGOもオートポリスもQ1トップで通過したら、そこからアジャストしてQ2に挑んでいたのですけど、今まではそれがいい方向に行かなかったので、昨日はそのまま。なにもせずにQ2へ挑んだのですけど、それでもタイムの上げ幅がなかった。でも野尻選手は0.9秒くらい上がっていますし」
牧野はその要因を「本当に分からない」と繰り返し口にした。
「昨日のこともあるし、今日のQ2に関しては結構大幅に(セットを)変えていきました。ただ、自分自身少しアタックで失敗したので、まとめきれていたら大津選手(予選3番手)と一緒くらいだったと思います」
「ただ、それでもトップまでは見えなくて。正直、第9戦のQ2のアタックも自分の中ではすごく決まって。パッと掲示板のタイムを見たら、野尻選手は36秒0で『どういうこと!?』というのが正直な感想です。本当にどうしたらいいのかわからず、今本当に悩んでいます」
シーズン序盤、決勝のレースペースに課題を抱えていたDOCOMO TEAM DANDELION RACING。その点については「SUGOあたりから右肩上がりでよくなってはいた」と牧野。
しかし、鈴鹿で牧野は決勝でのペースに悩まされることとなった。
「今回に関してはペースもよくなくて。それも正直なぜよくないかが、今は分かってないので」
「この鈴鹿の2戦はハテナしかないです」と語った牧野。シーズンを通じて「高いアベレージで走ることができているとは思うのですけど、ただもうひと押しがなくて。表彰台もありましたけど、勝てるほどのスピードがなかったのは正直なところで。もうひと押しが足りなかったという感じですね」と振り返る。
「高いアベレージでレースができたとは思うのですけど、もう一押しがないとチャンピオンにはなれないと思います。やはり野尻選手は結構違う。ひとつもふたつも上のレベルでレースしていると思うので、その次元に追いつけるように頑張らないといけないと思います」
![2022スーパーフォーミュラ第9戦&第10戦鈴鹿 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/10/30232529/asimg_05_c1635e895908959-660x440.jpg)
■小林可夢偉(KCMG)予選15番手/決勝10位
第9戦、第10戦ともに、予選Q1落ちとなってしまった小林可夢偉。いずれもコンディションの上がるB組での出走ということで、厳しい“ハードル”が待ち受けていたようだ。
「A組とB組の差がありすぎて。A組のカットラインが(1分)37秒4なんですけど、B組は36秒8と、コンマ6秒違うんですよ」と第10戦予選で1分37秒2をマークした可夢偉は言う。
15番グリッドからスタートした決勝ではオープニングラップで3つポジションを上げると、その後も度々オーバーテイクを見せた。
「スタートでは問題なく前に行って、その後はピットストップを10周目にしたんですが、残念ながら(その少し後に)セーフティカーが出たので、ちょっとアドバンテージがなくなって、あとは(集団の)中で抜きつぬかれつみたいな」
接近戦のなかで可夢偉は、OTSを「どちらかというと貯めていた」という。ポジションを争う前の2台がOTSを使えなくなったタイミングで、2台をまとめてうまくパスするシーンも見られた。
「昨日も、単独だったら速かったんです。でも前にクルマがいると全然速くなくて。それが僕らのいまの問題で、予選も速く走れないというすごく悪いスパイラルに入っている。正直、今年一年厳しかったな、と」
レース中に見せた“らしい”オーバーテイクを記者が讃えると、「バトルは別にしたくない、もうちょっと前で走りたいというのが本音なので、速く走れるように頑張りたいなと思います」と、可夢偉らしい言い回しで応えていた。
![2022スーパーフォーミュラ第9戦&第10戦鈴鹿 小林可夢偉(KCMG)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/10/30232448/asimg_07_31635e8930557f2-660x440.jpg)