更新日: 2023.04.03 23:35
“ひっそりと”マシンを交換していたINGING「お互いに有意義な時間」で予想以上の結果を得る
そんなチームと立川監督の狙いから鈴鹿合同/ルーキーテストでマシンの乗り換えを行ったINGING MOTORSPORT。実際に走行を行った坪井と阪口のドライバーふたりも、この取り組みでかなり得られたモノがあるようだ。
まず2022年シーズンに苦戦を強いられた阪口は、「僕が38号車に乗るだけではなく、坪井選手にも39号車に乗っていただき、フィードバックなどをもう一度照らし合わせることができたので、すごく有意義な走行だったと思います」とマシン乗り換えを振り返った。
「もちろん挙動は両マシンで違いましたけど、逆に言えば僕たちが想定していた違いそのままでした。その部分はポジティブに思っていますし、改善点が見つかったのでセッション3はいいポジションで終えることができました」
いいポジションという言葉どおり、セッション3では1分36秒131で6番手、さらに午後のセッション4では順位こそ9番手だったが、タイムを1分35秒799に縮めた阪口。
「これまでは鈴鹿でかなり苦戦していましたけど、そのなかでは今年一番の感触と言えるくらいクルマがよくなりました。朝のセットアップ変更が活きたのですごく良かったです」と語る表情には自信も感じられた。
![2022スーパーフォーミュラ合同/ルーキーテスト 38号車でピットアウトしていく阪口晴南(INGING MOTORSPORT)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/12/09044208/asimg_OGA14953_6463923e1014100-660x440.jpg)
一方、普段はチームのエースナンバーでもある38号車をドライブする坪井も今回の乗り換えについて、「いろいろとキャラクターが違う部分も感じましたし、それぞれの良いところと悪いところも感じたので、その部分をお互いにフィードバックし合いました」と振り返った。
「(乗り換えは)テストでしかできないメニューなので、実際に乗り換えてみてそれぞれの個性といいますか、エンジニアの考え方やクルマの使い方という部分で、やはり同じ2台ですけどまったく一緒のセットアップで走っているわけではありません」
「そこで、現状のセットアップがお互いにどういったように感じるかという部分を、お互いに乗り換えることで確認できました」
なお、INGING MOTORSPORTが2時間のセッション3で行った車両の乗り換えは開始から40分ほどで終了し、その後の1時間20分は38号車に坪井、39号車に阪口が乗り込んで再び走行を行っていた。そのときにも乗り換えの恩恵があったという。
「乗り換え後は元の車両に戻りましたけど、乗り換えたときに感じた38号車で良かったこと、39号車で良かったことなどをミックスさせながらセットアップを進めることができたので、お互いにとってすごく有意義な時間になりました」
さらに坪井は今後について「セットアップの面で38号車が得意な部分と39号車の方が得意な部分がありました。そのあたりをいい具合にミックスすることができれば、チーム全体のレベルが上がるいい機会になると思います」と、チームを引っ張るエースらしい言葉を残した。
2022年はチームランキング8位に終わったINGING MOTORSPORT。このマシン乗り換えで得られたデータをもとに、チャンピオンシップ争いに絡んでくることができるのだろうか。2023年シーズンの戦いに注目したい。
![2022スーパーフォーミュラ合同/ルーキーテスト 坪井翔(INGING MOTORSPORT)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/12/09044210/asimg_OGA24516_6c63923e11894d8-660x440.jpg)
![2022スーパーフォーミュラ合同/ルーキーテスト 阪口晴南(INGING MOTORSPORT)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/12/09044204/asimg_OGA24403_f963923e0ba0ed0-660x440.jpg)