2023 SUPER FORMULA Round 6
富士スピードウェイ (4.563km)
2023年7月15日/16日
・代役参戦で53号車をドライブした大津弘樹選手、ポイント圏内を走行中、ホイール損傷に起因するトラブルでリタイア※1
・55号車のジェム・ブリュックバシェ選手、19番手スタートで18位フィニッシュ
※1:規定周回数(36周)を満たしていたため(39周)、リザルトは完走扱い、21位
・第6戦 7月15(土)〜16日(日)
カー# | ドライバー | 予選 | 決勝 |
---|---|---|---|
#53 | 大津弘樹 | P9/1分22秒862 | P21 |
#55 | ジェム・ブリュックバシェ | P10/1分23秒627 | P18 |
7月15〜16日の週末に2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権の第6戦が静岡県の富士スピードウェイで開催され、今大会、負傷欠場となった大湯都史樹選手に代わり急遽TGM Grand Prixの53号車をドライブすることになった大津弘樹選手は、決勝は9番グリッドからスタートしましたが、41周回のレースを40周回目でリタイアすることになりました。
大津選手のリタイアは、ホイールとフロントサスペンションの間に異物が混入したことで走行中徐々にホイールの損傷が進んでしまい、最終的にホイールが割れるに至ってしまったことが原因でした。
55号車のジェム・ブリュックバシェ選手は予選Q1のスタート時、マシントラブル発生のためコースインが遅れ、フロントタイヤのスクラブができないままにアタックすることとなり狙っていたタイムが出せませんでした。決勝は19番手からのスタートとなり、18位でチェッカーを受けました。
■53号車ドライバー 大津弘樹選手のコメント
「土曜日のFP1の最後にニュータイヤでちゃんと予選シミュレーションができなかったのですが、チームがフリー走行から予選に向けて大幅な改善をしてくれたことで、Q1はとてもフィーリングが良く、2番手で通過できました」
「さらにアジャストしてQ2でタイムを伸ばそうとしたのですが、タイヤのウォームアップ時にトラフィックに引っ掛かってしまい、思うようにフロントタイヤを温めきれなかったので、特にセクター1、2で、一発のタイムを出し切れず、タイムアップにつながりませんでした」
「決勝は9番手からでしたが、スタートがすごく上手くいき、何台か抜くことができて、そのペースを維持できるかなと思ったのですが、他車の走り出しが速かったこともあり、抜かれてしまいました。ピットがオープンした10周目で何台か入っていき、僕は11周で入ったのですが、実はもっと引張る作戦にしておけば、僕が入った時にもう少し前でいけたのかな、と思うところがあり、ちょっと戦略的に失敗だったかなと思います」
「後半最後まで野尻さんが前にいたのですが、差をどんどん詰めていけました。チームの課題であるレースペースについてはまだまだ改善が必要だなと僕も感じましたが、今回、僕が走ったことが、今後に向けて何かのきっかけになってくれれば良いなと思います」
「最後は9番手を走行中にホイールが暴れてしまってリタイアとなってしまったので、ポイントを持って帰れず残念でした。今回は急遽参戦、ということでしたが、チームが僕に合わせてくれて、良い環境を作ってくれたことに感謝しています」

■53号車エンジニア 上城直也のコメント
「今回は急遽、これまで大湯選手とつくりあげてきた車に大津選手に乗ってもらうことになったわけですが、FP1は、大湯選手とつくってきて、富士テストの時にフィーリングが良かったところから始めました。大湯選手と大津選手はドライビングスタイルも違うので、最初は少し乗り辛さもあったようですが、事前に準備していたアイテムを投入し、テストアイテムをみつつ、パフォーマンスを上げつつ進めました。最後にトラブルが出てしまい予選シミュレーションができなかったのですが、トラブルが出る直前の走行でかなりフィーリングが良いところまでもってくることができたので、FP1としては、ドライバーに合わせたセットアップをつくることができたかなと思っています」
「予選に向けてはFP1で最後に課題として残っていたところをピンポイントで修正するような感じのセットアップにして、走り方も、他の車とは違うやり方をとったのですが、それもドンピシャではまりまして、Q1は2番手通過と、かなり高いパフォーマンスを発揮できました。Q2に関しては、時間が短い中でQ1と同じ方法をとったのですが、トラフィックにつかまってしまいタイヤをしっかりウォームアップできず、結果は9番手となりました。Q1のパフォーマンスから考えると、ちょっと悔しいQ2結果となりましたが、大湯選手と作ってきた車を大津選手に乗ってもらうという不安が少しあったのが、しっかりQ1突破、Q2もシングルのポジションということで、良い結果として受け止めています」
「FP2は、先月のテスト時にロングランでわりとペースが良かったセットアップをベースに、FP1や予選のショートランで良かったものを取り入れてみたのですが、ペースとしては、速いトップ集団には及ばないものの中団くらいで戦えるようなレースのセットアップはみつかったのかな、と思います。そこからさらに、タイヤをもっと守るためにはどうしたら良いのかなと、セットアップを少し検討して、8分間のウォームアップに投入してみたのですが、車の動き方的には悪い方向にいってしまい、そのままではレースが厳しそうな雰囲気だったので、レースに向けてはFP2の状態に戻してのスタートとなりました」
「決勝のスタートは大津選手がばっちり決めてくれ、3台くらい抜いて、かなり良さそうなフィーリングがあったのですが、最初からペースがそんなに良くなさそうだということもあり、早めに入ってトラックポジションをキープした方が良いということで、11周で入りました。結果的にはその戦略が裏目に出てしまい、タイヤ交換した後のペースも上げられず、そこは失敗だったのかなと思っています」
「ただ、その後のペースについては、上位勢には及ばなかったのですが、中団でなんとか耐える走りを大津選手もしてくれて、スタートからポジションキープ、という位置ではありますが、良いペースで走ってくれて、ポイント獲得が見えていました」
「最後は車のトラブルで、完走扱いではありますが、チェッカーを受けることができなかったので、しっかり原因究明して、次のレースで頑張ります」

■55号車ドライバー ジェム・ブリュックバシェ選手のコメント
「全体的に厳しい週末でした。予選の後、レースそのものの組み立てなどは悪くなかったと思うのですが、スタートでアンチストールシステムが作動してしまい、出遅れてしまいましたが、とにかくペースをキープしようと努めました」
「ペースそのものは悪くはなかったと思うのですが、まだまだ改善しなければならないことがたくさんあります。今晩、その課題について検討し、何をどう改善できるのかを考えようと思います」

■55号車エンジニア 岡島慎太郎のコメント
「前回のテストで良かった部分をベースに考えたセットを持ち込んだのですが、土曜日のFP1ではテスト時とはコンディションが違う中でクルマのバランスはオーバーステア傾向が強くなってしまいました。そこのアジャストに時間を要し、満足いくレベルにまでもってこられなかったのが、もったいなかったと思います」
「予選に向けては、セットアップのオーバーステア対策を施すのと、ダウンフォース総量が足りないということで、その辺りを中心にセットアップを変更していきました。実際の予選Q1については車のトラブルもあって、予定していたフロントタイヤのスクラブができなくなってしまい、タイヤが温まり切らないままアタックとなってしまったことで、フロントタイヤをうまく使えずにアンダーステア傾向が強い状態でタイムを上げきれずQ2進出はかないませんでした」
「FP2では、富士テストで走ったセットの問題点を修正しようとしたのですが、狙ったところ、特にエアロ関係がずれてしまっていて、セッション中にはアジャストしきれなかったので、終了後のデータ分析でレースに向けてアジャストしました。実際にウォームアップ走行ではバランスは良い方向にいったのですが、決勝のコンディションに対して車のバランスとグリップレベルをあまり良いところにもっていけず、レースではアンダーステア、オーバーステアが各コーナーで出てしまったところ、ドライバーがなんとかレースペースを維持してくれました」
「戦略としては、早い段階でタイヤのデグラレーションに苦しむ傾向があったので、ミニマムで入ってアンダーカットを狙おうと考えたのですが、タイミングが悪く、思ったポジションに入ることができませんでした。今回は総じて我慢のレースになってしまいましたが、未だ解消できていない課題、新たにみつかった課題について、次のもてぎに向けしっかりデータを見直して分析し、今シーズンの残るレースの全てでポイントを獲得できるように頑張ります」
2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権の次戦は、8月19〜20日の週末にモビリティリゾートもてぎで開催される第7戦となります。
