更新日: 2024.03.25 17:21
いよいよ開幕戦を迎えるGT300からのステップアップ組。ルーキー名取鉄平と大草りきが語るGT500の手応え
一方、ホンダ陣営からGT500デビューを果たす大草も、1月のセパンテストからGT500マシンのテストに参加している。
「スピードが速くて軽いのですけど、けっこうハコ車感があるなと思いました。本当に“スピードが速いハコ車”という感じです。フォーミュラっぽさがあるわけでもなく、本当にハコ車というジャンルのなかにいる感じですね」と大草はGT500マシンの印象を語る。
「僕はずっとハコ車に乗ってきたので、特に違和感はないのですけど……ハコ車なのにスピードが速すぎるので感覚がバグりますね(笑)。クルマが動くといいますか、ロール(クルマを動かして)でグリップさせる部分もあるので、そこは乗っていて面白いです」と、どちらかというとハコ車のレース経験が多い分、名取とは異なる印象を持っているようだ。
また大草は、チームメイトとなる伊沢拓也のアドバイスも参考になっていると続ける。
「伊沢さんは細かいところまで教えてくれますし、チームのまとめ方や進め方で勉強になる部分がたくさんあります。その部分は毎回吸収していきたいなと思います」と、テストを経てさまざまな勉強ができている様子だ。
ただ、課題も明確になってきているとのことで「クルマの動きに対しては慣れてきましたけど、テストをしているとタイヤのキャラクターなどがいろいろと違う部分があり、それに順応するのに時間がかかるという感じでした」と大草。
「やはりGT300との圧倒的な違いが(同じダンロップ勢が)僕たちしかいないことです。僕たちだけで(タイヤ開発を)していかないといけないということは、他社と比べて進むスピードがいろいろと違います。ヨコハマと比べると2分の1、ブリヂストンと比べると13分の1くらい……、そこが大きいですね」と語る。
それに加えて大草は「タイヤの性能の引き出し方や、それぞれのタイヤでやり方みたいなところが微妙に違っていて、そこがちょっと掴めていないです。GT500で初めてのレースなので『テストでこうだったから、本番ではこうなるだろう』という物差しがまだ分からない状態なので、そこの部分が難しいと思います」と、ダンロップタイヤでのレース経験はGT300で積んでいるものの、GT500では別の難しさがあることを痛感している様子だった。
4月の開幕戦に向けては「まずは変なミスをしないようにしたいです。いきなり優勝などの高い目標を設定するのではなく、第2戦の富士に繋げられるレースにしたいと思いますと大草。一方で、慎重なコメントをしつつ「チャンスがあれば、しっかりと獲りにいきたい」と上位を目指す貪欲な姿勢は崩していなかった。