昨季2023年シーズンは、名門トムスが走らせる36号車au TOM’S GR Supraが王者に輝いたGT500クラス。その36号車au TOM’Sは全日本スーパーフォーミュラ選手権との2冠を達成した宮田莉朋がFIA F2挑戦のため離脱となったが、新たに2019年王者の山下健太が加入して坪井翔とコンビを組む。
36号車au TOM’Sはチーム、ドライバーともに実力者を揃え、シーズンオフのテストでもトップタイム連発の好調さを披露しており、今年もチャンピオン候補の最右翼だろう。
さらにトヨタ陣営では、福住仁嶺と大湯都史樹がホンダから加入した。福住は昨年最終戦までタイトルを争いホンダ陣営最上位につけ、大湯はクラッシュする場面も多く見られたが、そのスピードに関して疑いの余地はないため、GRスープラへの慣れ次第ではランキング上位を争う存在になるかもしれない。



一方で、最終戦でチャンピオンを逃したニッサン/ニスモ陣営はドライバーラインアップを大幅変更。唯一の継続は2022年王者の12号車MARELLI IMPUL Zの平峰一貴とベルトラン・バゲットのみ。
昨年3号車Niterra MOTUL Zでランキング2位につけた千代勝正は、新たにニッサンのエースとして23号車MOTUL AUTECH Zでロニー・クインタレッリとコンビを組む。
千代が抜けた3号車は、ニッサンのスピードスター高星明誠が第1ドライバーとなり、パートナーにはルーキーの三宅淳詞が大抜擢された。三宅はGT500ルーキーとはいえ、GT300クラスやスーパーフォーミュラでは速さをみせているドライバー。今年もニスモの2台は隙がなさそうだ。


また、同陣営で唯一ヨコハマタイヤを装着する24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zには、長年23号車をドライブした松田次生と、ルーキーの名取鉄平が新加入。24号車はベテラン松田の開発力と、ルーキー名取の速さが調和したとき、侮れない存在になるかもしれない。
そして、新たにシビック・タイプR-GTを投入するホンダ陣営では、佐藤蓮と大草りきという2名のGT500ルーキーを起用する。ふたりともGT300クラスやスーパーフォーミュラで活躍していただけに楽しみな存在であり、シーズンオフテストでも目立ったミスをしていないので、シーズン中の活躍も期待できそうだ。
100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTには、昨年の第6戦SUGOで大きなアクシデントに見舞われた山本尚貴の復活もトピックスのひとつ。パートナーの牧野任祐は二度の公式テストを欠場してしまったが、昨年後半戦で山本が離脱した際にチームを率いた経験と、持ち前の速さで帳尻を合わせてくるだろう。


■2024年スーパーGT GT500クラス年間エントリーリスト
No | Team | Car Name | Driver | Tyre |
---|---|---|---|---|
3 | NISMO NDDP | Niterra MOTUL Z | 高星明誠/三宅淳詞 | BS |
8 | ARTA | ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8 | 野尻智紀/松下信治 | BS |
12 | TEAM IMPUL | MARELLI IMPUL Z | 平峰一貴/ベルトラン・バゲット | BS |
14 | TGR TEAM ENEOS ROOKIE | ENEOS X PRIME GR Supra | 大嶋和也/福住仁嶺 | BS |
16 | ARTA | ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16 | 大津弘樹/佐藤蓮 | BS |
17 | Astemo REAL RACING | Astemo CIVIC TYPE R-GT | 塚越広大/太田格之進 | BS |
19 | TGR TEAM WedsSport BANDOH | WedsSport ADVAN GR Supra | 国本雄資/阪口晴南 | YH |
23 | NISMO | MOTUL AUTECH Z | 千代勝正/ロニー・クインタレッリ | BS |
24 | KONDO RACING | リアライズコーポレーション ADVAN Z | 松田次生/名取鉄平 | YH |
36 | TGR TEAM au TOM’S | au TOM’S GR Supra | 坪井翔/山下健太 | BS |
37 | TGR TEAM Deloitte TOM’S | Deloitte TOM’S GR Supra | 笹原右京/ジュリアーノ・アレジ | BS |
38 | TGR TEAM KeePer CERUMO | KeePer CERUMO GR Supra | 石浦宏明/大湯都史樹 | BS |
39 | TGR TEAM SARD | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 関口雄飛/中山雄一 | BS |
64 | Modulo Nakajima Racing | Modulo CIVIC TYPE R-GT | 伊沢拓也/大草りき | DL |
100 | STANLEY TEAM KUNIMITSU | STANLEY CIVIC TYPE R-GT | 山本尚貴/牧野任祐 | BS |
これまで挙げたチームのほかにも、大いにチャンピオン獲得の可能性を持つ2024年のGT500クラス。今年も最終戦まで見ごたえのあるレースが繰り広げられそうで、新車両とともに一年が楽しみでしかない。
いよいよ新シーズンが幕を開ける2024年スーパーGTは、4月13〜14日に岡山国際サーキットで戦いの火蓋が切られる。
■2024年スーパーGT シリーズスケジュール
Round | Date | Circuit | Format |
---|---|---|---|
第1戦 | 4月13~14日 | 岡山国際サーキット | 300km |
第2戦 | 5月3~4日 | 富士スピードウェイ | 3時間 |
第3戦 | 6月1~2日 | 鈴鹿サーキット | 3時間 |
第4戦 | 8月3~4日 | 富士スピードウェイ | 350km |
第5戦 | 8月31日~9月1日 | 鈴鹿サーキット | 350km |
第6戦 | 9月21~22日 | スポーツランドSUGO | 300km |
第7戦 | 10月19~20日 | オートポリス | 3時間 |
第8戦 | 11月2~3日 | モビリティリゾートもてぎ | 300km |
