16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTからGT500デビューを果たした佐藤蓮。Q1を担当したが、1分18秒421で11番手となり、上位に食い込むことができなかった。その後のQ2で大津弘樹が4番手タイムを記録し、総合順位では8番手を獲得。上位入賞も狙える位置からスタートとなる。
佐藤に初GT500予選について聞くと「難しかったです!」と開口一番。GT500のシビアさを痛感した1日となったようだ。
「精度をすごく高めないと、ワンミスで跳ねて飛んでいっちゃうような感じがあるので、なかなか難しさはありました。ブレーキングの踏み方が少し違うだけで、同じところ踏んでもすごく止まったり、逆にロックしてしまうことがあるので、そこは難しさなのかなと思います」
またタイムが思うように上がらなかったことに関しては、朝からマシンのセットアップが決まり切っていないところも響いた様だ。
「午前中があまり調子が良くなくて、セットを大幅に変更しての予選だったんですが、クルマのバランスもかなり改善していて、手応えはありました。あとは自分自身、午前中の走行で完熟しきれなかったところもあって、(アタックでは)行ききれなかった部分もありました」
「そこからQ2に向けて自分のコメントからアジャストしてくれて、大津選手がタイムを稼いでくれたので、明日は8番手とポイント圏内からのスタートになります。自分のドライビングで見直す部分はありますけど、悪くはないポジションなのかなと思います」
少なからず反省点があった佐藤の初GT500予選だったものの「とにかく周りの人から『クルマだけはしっかりと持ち帰ってくれ!』と言われていましたし、ちゃんとタイムをまとめるということを目標にしていたので、開幕戦の予選としてはまずまずかなと思います」と、安堵の表情をみせていた。
そして決勝に関しては「予選とは違って決勝は混走になるので、その中で順位を上げていくということになると、経験とか技術も必要になります。そこは今夜しっかりレースオンボード映像で勉強して寝たいと思います」と気合充分の様子だった。

■名取鉄平「チャンスは1周しかない」
24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zの名取鉄平はQ1を担当。「アタック自体もけっこう良かったと思います。自分的にはスッキリしたというか、やり切りました」と笑顔を見せていたが、ライバルの先行を許すこととなり、1分18秒484で12番手タイムだった。
「個人的には、今の自分たちが出せる最大限のポテンシャルは発揮できたのかなと思いますけど、全体的に見るとタイヤメーカーが3社いるなかで、BS勢がトップ11を占めている状況で、そこに比べると足りない部分はあるなと思っています。それでも、同じヨコハマタイヤ勢としては19号車と比べても速いので、そこは良かったと思います」と名取。
「今回はタイヤも含めて色々なチャレンジをしているので、今回の内容が富士とか鈴鹿に向けて活きてくるのかなと思います。今回は結果を出すというよりも次に繋げるという意識の方が大きかったので、そういう面では良いものが収穫できたのかなと思いますが、リザルト的にはまだまだだなと思いました」と内容面では納得できる部分はありつつも、悔しさを滲ませていた。
また名取は、GT500のタイヤはピークが1周しかないというところが、GT300と比べても難しい部分だと考えているようだ。
「GT300は全体的に2周アタックができる感じなんですけど、GT500はタイヤのグリップレベルが高い分、落ち幅も大きいです。やっぱりチャンスは1周しかないですね。その1周をミスったら終わりですし、それこそロックアップさせてしまったら、このフォーマットを考えるとその後にかなり影響が出てしまうので、そういう意味でもミスが許されない状況下での予選でした。そこは昨年とは違ったところでした」
決勝についても「まだまだ分からない部分はたくさんありますけど、まずはポイントを獲って次に繋げられたらなと思います。優勝が遠かったとしても、自分たちができる最大限の仕事をしたいなと思います」と冷静に現状を把握している名取。どういった走りをみせるのか、目が離せない。
