一方で今回の公式練習、そして予選では、上位の結果に対して「?」と思われる部分も多い。まず、トップ2台と同じメルセデス勢のトップチームであるGAINER TANAX AMG GT3は、8番手につけているとは言え、どうしてしまったのか。

「やっちまいました(苦笑)。セットを大外ししちゃいました」というのはGAINERの福田洋介シニアテクニカルディレクター。

「公式テストの結果を踏まえて進めていったら、今回は逆の感じになってしまっていて、朝の走行はその確認ができず、欲をかいていったら外してしまった。サーキットサファリのタイムも上回れていない」という。

2017スーパーGT第1戦岡山 B-MAX NDDP GT-R
2017スーパーGT第1戦岡山 B-MAX NDDP GT-R

 また、3月に行われた公式テストで速さをみせながらも、今回苦しんだチームもある。テストで速かったD’station Porscheも、ウエットからドライに変わる状況下でグリップ不足に苦しみ、まさかのQ1脱落。さらにB-MAX NDDP GT-Rも「特に大きな変化はなかったけど、うまくセクターをまとめられなかった(宮田雅史エンジニア)」とQ1を突破できなかった。

 ただ、「ドライになればいいはず(D’station Porsche/藤井誠暢)」とコンディションの変化に期待する声もある。公式テストからのコンディション変化が、この予選順位に大きな影響を与えたようだ。では、明日のコンディションによってまた変化が起きるかというと、今年のレースフォーマットは、決勝日朝のフリー走行がなく、その『変化』を確認する時間がない。「バクチの要素が大きくなってる」と福田SDは言う。

 今回走り出しがウエットになったことや、FIA-F4やポルシェカレラカップ・ジャパンの走行などで、路面が公式テストとは違っていることも大きく関係していそうだ。ちなみに、スーパーフォーミュラ併催時の全日本F3は、SFが走行していない専有走行までと、SFが走った後では路面は「まったく違う」のだという。それほど現代のタイヤは、路面の変化に大きな影響を受けるのだ。

 逆に言うと、明日の決勝順位はコンディションによって、予選順位から大きく変動する可能性もあるということ。本命はグッドスマイル 初音ミク AMGかもしれないが、やはりGT300は今年もまったく読めなさそうだ。

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