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スーパーGT ニュース

投稿日: 2024.04.15 21:07

D’station Racing 2024スーパーGT第1戦岡山 レースレポート

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スーパーGT | D’station Racing 2024スーパーGT第1戦岡山 レースレポート

D’station Racing

Race Report – 2024.4.15

dstation-racing.jp
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Facebook : @DstationRacing

2024 AUTOBACS SUPER GT
Round 1 OKAYAMA GT 300km RACE

APR. 13 – 14 Qualify :DNQ / Race:19th

開幕戦はまさかのエンジントラブルが最後まで影響

 2024年、SUPER GTへの参戦を決めたD’station Racingにとって、待ちに待った開幕戦がやってきた。舞台は岡山国際サーキット。タイトで毎年のように波乱が起きるコースだが、D’station Racingはそんな開幕のデビュー戦に向けて、これまでオフの特別スポーツ走行や公式テストを使って、しっかりと準備を整えてきた。

 今季、D’station Vantage GT3のステアリングを握るのはチームのマネージングディレクターでもある藤井誠暢、そしてアストンマーティンのワークスドライバーであるマルコ・ソーレンセン。3月にこの岡山で行われた公式テストでも好感触を得ており、ふたりは自信をもって4月13日(土)の予選日に臨んだ。

 例年、岡山での開幕戦は厳しい冷え込みになることも多かったが、迎えた予選日の岡山は快晴に恵まれ、気温はグングン上昇。午前9時30分から行われた公式練習は、気温20℃/路面温度26℃という初夏の陽気のなか始まった。D’station Vantage GT3は藤井がステアリングを握りコースインし、午後の公式予選に向けたセットアップを行っていくが、藤井は6周目に1分27秒267というベストタイムを記録しアウト〜インを繰り返していくものの、ヴァンテージAMR GT3にやや重さを感じていた。チームは21周を走った後、ピットで確認を行ったが、なんとエンジンに不調を抱えており、載せ替えが必要となるトラブルであることが判明した。

 ヴァンテージAMR GT3はこれまで長年D’station Racingが使用しているマシンだが、エンジントラブルはあまり起きたことがなかった。しかも、前日までまだスペアエンジンが日本にはなかった状況。ただ幸運にも、待ち望んだスペアエンジンは4月12日(金)に日本に到着していた。本来SUPER GTに使用する予定のものではなかったが、急遽チームは岡山へエンジンを輸送。午後の公式予選を走ることができなかったが、チームは夕刻に着いたエンジンをD’station Vantage GT3に搭載し、決勝レースに備えることになった。

 ただ、規定により今シーズンのSUPER GTでは、予選に出走できなかった場合はピットスタートを強いられる。必然的に最後尾からの追い上げとなるが、一方でD’station Vantage GT3の場合、フレッシュなタイヤで追い上げられる可能性もあった。最後尾スタートであることから、チームは通常のレースではできないトライを行うことを決断した。GT300の上位チームが勝ち抜くためにしばしば採用する、タイヤ無交換作戦に挑戦することにしたのだ。これがうまくいけば、今後のシーズンに向けても貴重なデータを得ることができるが、GT3車両ではあまり採用しない諸刃の剣とも言える作戦でもある。

 4月14日(日)、午後1時30分から迎えた決勝レース。藤井がスタートドライバーを務めたD’station Vantage GT3は、ピットレーンからスタートを切った。1周目、GT300車両のグラベルストップやGT500車両のアクシデントがあったことからセーフティカーランとなり、労せずして集団の最後尾につくことに成功する。

 ただ、その後は硬めのタイヤのグリップが思うように発揮されず、14周目に#50 RC Fをかわすなどオーバーテイクをみせたものの、藤井をもってしても急速なポジションアップ……というわけにいかない。粘りの走りをみせ31周目にピットインし、タイヤを替えず、今週初めてのドライブとなったソーレンセンに交代し、16番手まで追い上げたが、終盤アクシデントが襲った。

 無交換作戦を採った影響か、D’station Vantage GT3は70周目にタイヤバーストに見舞われ、緊急ピットインを強いられた。その後ファイナルラップに自己ベストを記録し追い上げるも、結果は19位と。エンジントラブルが尾を引く結果となってしまったが、その分挑戦したことで得られたことも多い。その好材料を、次戦富士でのレースに繋げていく。

D'station Racing 2024スーパーGT第1戦岡山 レースレポート
2024スーパーGT第1戦岡山 D’station Vantage GT3(藤井誠暢/マルコ・ソーレンセン)

D'station Racing 2024スーパーGT第1戦岡山 レースレポート
2024スーパーGT第1戦岡山 D’station Vantage GT3(藤井誠暢/マルコ・ソーレンセン)
D'station Racing 2024スーパーGT第1戦岡山 レースレポート
2024スーパーGT第1戦岡山 D’station Vantage GT3(藤井誠暢/マルコ・ソーレンセン)

COMMENTS:

Team Owner:Satoshi HOSHINO
4年ぶりのシリーズ復帰の初戦ということで、個人的にも期待していたのですが、エンジントラブルで公式予選に出走することができず、出鼻をくじかれてしまいました。嫌な雰囲気もありましたが、無事にチームの皆が頑張ってくれたおかげで決勝を走れることができました。レースで履いた硬めのタイヤでの無交換作戦がうまくいけばもう少し上位にいけるかとも思いましたが、無交換でのフルプッシュは厳しかったようですね。ただ予選で上に入れていれば、ドライバーの実力を考えても上位フィニッシュできる感触はありました。次戦はさらにたくさんの応援があると思いますので、良いレースをできるようにしたいですね。最低限入賞、そして表彰台を目指していきたいと思います。

Director:Kazuhiro SASAKI
ひさびさのSUPER GTでのレースウイークでしたが、やはり面白いレースでしたね。個人的には週末を楽しく過ごすことができました。ただ結果的に今週末野開幕戦は公式予選で走れなかったことがすべてとなってしまいましたね。レースでは最後尾からの追い上げとなったことで、タイヤ無交換作戦にチャレンジしましたが、ふたりのドライバーが頑張ってくれたものの、最後にタイヤがバーストしてしまったので結果には繋がりませんでした。とはいえ、自分としてはそういったチャレンジは大好きですので(笑)。今後もそういうトライは続けていきたいです。今回得られたことをしっかりと繋げて、まずは予選をしっかり走れるようにしたいと思います。

Supervisor:Tetsuya TANAKA
D’station Racingとしても初めてのSUPER GTでのレースウイークとなりましたが、予選日にトラブルが起きてしまった状況のなか、チームスタッフのみんなが懸命に頑張ってくれて、その努力がつながり決勝レースに出走することができました。レギュレーションもあってピットスタートにはなりましたが、その分トライすることもできましたと思います。最後はタイヤバーストもありましたが、チームとしても全力で戦うことができたと思いますし、次に繋がるレースとなったのではないでしょうか。しっかりと今回起きたことを次のレースまでに分析していって、第2戦の富士では良い結果が残せるように、チーム一丸となって頑張っていきたいと思います。

Driver:Tomonobu FUJII
ひさびさのSUPER GTでのレースとなりましたが、エンジントラブルもあり、最後尾スタートとなってしまいました。レースでは序盤順位を上げることができたものの、トラフィックのなかストレートスピードの不利もあり、思うように順位を上げることができませんでしたね。今回、ピットスタートだったこともあり、本来使用を予定していたものとは違うタイヤで無交換作戦を採りましたが、状況のなかではタイヤは良かったと思っています。本来、公式練習の感触ではもっと前からスタートできる感じはあったので、やはり予選で前に行かなければ我々のクルマの性格から厳しいと感じました。次戦富士では、なるべく前からスタートできるように頑張っていきたいと思います。

Driver:Marco Lorentz Sørensen
自分にとっても初めてのSUPER GTのレースウイークで、すごく楽しみにしていたし、好結果を期待していたんだけど、この週末は思わぬ結果になってしまったね。残念な気持ちでいっぱいだよ。でも、すでに自分の気持ちは次の富士でのレースに向かっている。まだまだD’station Racingとしても改良すべきところは多いし、自分としてもまだ学ぶべきことは多いよね。とはいえ、この開幕戦ではたくさんのことを得られたと思っているし、この成長曲線をさらに加速させることができるという手ごたえも得ることができた。この開幕戦は少し運に恵まれなかったけれど、次の富士ではチャンピオンシップを考えても良い結果に繋げられるようにしなければと思っているよ。

D'station Racing 2024スーパーGT第1戦岡山 レースレポート
2024スーパーGT第1戦岡山 D’station Vantage GT3(藤井誠暢/マルコ・ソーレンセン)


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