■公式予選2回目(Q2)
上位14台で争われることになった2回目の公式予選は、15:40ちょうどからスタートしました。天候はQ1で降り注いだ小雨が止んだものの、気温は21°C、路面温度も21°Cに。ドライバーは、高橋一穂選手が務めました。Q1同様にタイヤの暖まりが早いFIA-GT3勢は、No51レクサス RC FとNo65 メルセデスAMG GTの2台が早々に25秒台へと突入し、激しい闘いを展開します。
そして15:48分、パイパーコーナーのアウト側石に乗りマシンをスリップさせたNo30 TOYOTA PRIUS GTがコンクリートウォールにヒット。これでQ2も、Q1同様赤旗中断となりました。しかし残りのマシンたちにとってそれは、非常に辛いアクシデントでした。No2シンティアム・アップル・ロータスも含め、まさにこの4周目にアタックを開始していたマシンたちは、その出鼻をくじかれてしまったのです。
そしてオフィシャルは、残り時間を5分と発表。これを聞いた各車は、グリーンシグナルと同時に、一斉にコースへと飛び出して行きました。残り僅かな周回数でタイムを出すために、高橋選手も果敢にアタック。計測2周目には29秒台へ突入し、3周目には1分28秒010をマークしました。そして最後のアタックに期待が持たれましたが、結果は1分28秒678と惜しくもベスト更新ならず。これでNo2シンティアム・アップル・ロータスは、13番グリッドから開幕戦をスタートすることとなりました。
しかし走行終盤で高橋選手はマシンへの違和感を感じており、チームがこれを確認すると、それは燃料ポンプの作不良による燃圧不足が原因であると判明しました。アタック中の赤旗中断、マザーシャシーのパーツ不良と立て続けにトラブルに見舞われた高橋選手でしたが、その走り自体はデータ上でも確実に進歩が確認でき、チームは大きな期待を持って明日の決勝レースに臨むこととなりました。
Cars Tokai Dream28 シンティアム・アップル・ロータス
チーフエンジニア:渡邊信太郎
「今年は開幕まで原因不明のトラブルに悩まされ続けていたので、Q1で加藤選手が2番手のタイム を出してくれてホッとしました。セッティング的には昨年までのデータをもとにしたコンサバな内容だったの っですが、それでもタイムが出せたのでこれからも希望が持てますね。Q2で燃料ポンプが作 せず、高 橋選手がタイムを出せなかったのがとても残念ですが、マシンのバランスも、タイヤの選択もよいとわかっ たので、明日の決勝はベストを尽くしてより上位を目指すつもりです。」
ドライバー:加藤 寛規 選手
「今日の予選は……興奮しました! 万全な状態で走ればこのポジションにいられることがわかって、本当に嬉しいです。公式練習中タイムが出ない状況でも、セッティングを煮詰め続けて行ったことは決して無駄ではなかった。それに今季精力的に走ることを課題とした高橋選手のタイムが、飛躍的に上がっていることもチームとしては大きな武器になると思います。ですから明日は大切に走りたい。最後までしっかり走りきってゴールすれば、よい結果が得られると思いますよ!」
ドライバー:高橋 一穂 選手
「いやぁ……走り終わったあとはダメだ.……って思ったのですが。終盤に感じたガス欠症状のような違和感が、実際に燃料ポンプの作不良だと聞いて、自分のドライビングに自信を失わないで済みました。マシン自体は、本当によく仕上がっていると思います。明日も頑張りますので宜しくお願いします。」