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投稿日: 2024.04.29 18:55
更新日: 2024.04.29 19:12

apr GR86 GT 2024スーパーGT第1戦岡山 レースレポート


スーパーGT | apr GR86 GT 2024スーパーGT第1戦岡山 レースレポート

2024 AUTOBACS SUPER GT Round1
OKAYAMA GT 300km RACE
Round 1 岡山国際サーキット
apr GR86 GT

開催地:岡山国際サーキット(岡山県)/3.703km
4月13日(予選)
天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:8500人
4月14日(決勝)
天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:1万5500人

予選でトラブル発生、決勝では追突され……。それでもつかんだ明るい未来

 2024年のスーパーGTは、前身の全日本GT選手権から30周年を迎えた節目のシーズンであり、ルールにも大きな変更があった。環境問題の観点からタイヤの持ち込みを1セット削減、予選はQ1とQ2の合算タイム方式となり、Q1からQ2、決勝スタートまで同じ1セットのタイヤしか使うことができない。GT300においては、カーボンニュートラルフューエル(CNF)の『GTA R50』が導入され、安全性向上策として追加重量の搭載が義務付けられた。

 30号車の『apr GR86 GT』においても“変化”がある。第1ドライバーの永井宏明は不動だが、第2ドライバーに2024年のFIA-F4チャンピオンである小林利徠斗を起用。ベテランの織戸学が第3ドライバーとして、ふたりを後方支援する。

 2023年シーズンの入賞は第3戦鈴鹿での9位のみとなってしまった30号車だが、今季は新体制でポイントの上積み、Aシード権の奪取を目標とする。

公式練習24番手 4月13日(土)9:30~11:15

 開幕戦岡山は週末を通して好天に恵まれた。だが、それは想定外の気候でもあった。公式練習が始まった9時30分時点で気温20度、路面温度26度という例年とは異なるコンディションだった。

 30号車は持ち込んだタイヤの温度レンジとセットアップにミスマッチがあり、まずは経験豊富な永井がステアリングを握って修正を続けていくスタートになった。

 永井は17周走行して小林に交代。公式練習開始から1時間弱が経過していた。ルーキーとはいえFIA-F4チャンピオンの走りに期待がかかる。しかし、なかなかタイムが上がらない。

 これは後に判明したことだが、今季からはGT300車両もCNFを使用するようになり、ブローバイガスの大気放出量が増えたことが原因と考えられる。路面にブローバイガスが載って滑りやすい状況になっていたのだ。

 他車も永井も、スタートからおよそ40分を経過したころからタイムが上がらない傾向にあった。結果的に、永井が8周目に記録した1分28秒904が30号車のベストタイムとなり、24番手というリザルトで公式練習を終えることになった。

公式予選4月13日(土)

Q1 A/ー14:00~14:10
Q2 Gr.2/9番手14:53~15:03

 公式練習でセッティングを詰め切ることはできなかったが、その状況でも兆しを感じるセットアップで挑んだ公式予選。気温は27度、路面温度は36度まで上昇していた。

 Q1 A組に振り分けられた30号車は小林選手が出走。しかし、まだウォームアップ中の計測3周目、エアシフターにトラブルが発生。パドルシフトが作動せず、4速ギヤでスタックしてしまった。ピットレーンに入るが4速では走行できずにエンジンストップ。メカニックの手押しでガレージに戻った。

 これにより予選通過基準タイムをクリアできず。約40分後のQ2グループ2が始まる前に症状を修復できたが、決勝はピットレーンスタートが確定していることもあり、永井選手はチェック走行に専念。3周だけ走り1分29秒937でグループ2の9番手タイムとなった。

apr GR86 GT(永井宏明/小林利徠斗)
2024スーパーGT第1戦岡山 apr GR86 GT(永井宏明/小林利徠斗)

●永井宏明

「Q1でシフトにトラブルが出てしまいました。予選通過基準タイムの107%(1分32秒303)を超えられず、ピットレーンスタートが確定していたので、Q2ではチェック走行に専念しました」

「今年からQ2はユーズドタイヤでアタックすることになりましたが、そこはみなさんと同条件なので、そのなかでどれだけ頑張れるかだと思っています」

●小林利徠斗

「事前のテストを走って、僕のなかではある程度いけそうな手応えはありましたが、結果的にトラブルによってタイムを出しきれなかったのは残念です」

「僕はこれまでスプリントレースしか経験がなく、明日の決勝は非常に長くてGT500との混走にもなりますが、いろんな状況のなかでもちゃんと生き残れるレースをできるようにしたいです」

●織戸学

「この週末は想像以上に気温が高くて、持ち込んだタイヤ的に僕たちにはミステイクになってしまいましたね。小林選手にとってはデビュー戦でもあったのに、予選ではトラブルも出てしまいました」

「僕は今年、第3ドライバーというポジションですが、それを楽しんでいます。小林選手は走りの面では問題ないので、メンタル面のアドバイスをしていますね」

●金曽裕人監督

「公式練習では持ち込みのタイヤがいまいち合っておらず、セットアップで修正できたと思ったら路面が滑りやすくなってリセット。少し迷子な状況で挑んだ予選では、パドルシステムにトラブルが発生してしまいました」

「エアシフターのトラブルは過去に他チームでもときどき起きているので、早急に対策を進めていきたいですね。決勝は粘り強く走り切り、次戦につながるデータを取ります」

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