更新日: 2024.05.05 03:39
Team LeMans 2024スーパーGT第2戦富士 決勝レポート
Team LeMans Pressrelease
2024 SUPER GT Round2,FUJI GT 3HOURS RACE
●5月4日(決勝)
富士スピードウェイで開催された2024AUTOBACS SUPER GT Round2『FUJI GT 3HOURS RACE』は、快晴に恵まれたゴールデンウイークということもあって、早朝からサーキット周辺が渋滞するほどのファンが集ってくださいました。
サポートレースや華やいだ雰囲気のピットウォーク、ドライバーアピアランスなどで次第にファンの興奮が高まるなか、12時から20分間のウォームアップ走行が行なわれました。TeamLeMansの6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIは3時間レースに向けて2度のピットインを含め合計9周、1分38秒979をマークして17番手でウォームアップ走行を終えました。
フェラーリから派遣されたエンジニアからのスタートに関する細かなアドバイスを確認した片山義章選手は、自信を持ってスターティンググリッドに着きました。
13時30分、静岡県警察本部交通機動隊のパレードを先頭に2周のフォーメーションラップがスタートし、3時間レースのスタートが切られました。スタート時の気温は23℃、路面温度は41℃。レース中の最高路面温度は47℃と予想されており、このコンディションがどうタイヤ戦略に影響するかが、勝負の鍵を握ります。
スタートドライバーの片山義章選手は、素晴らしいダッシュを決めて第1コーナーまでにイン側から1台をパスし、その勢いでさらに1台をパス。しかしコカコーラ・コーナーで押し出される形でアウトに出て、コースに戻ったタイミングで抜き返されましたが、ふたたびダンロップコーナーで抜き返すというアグレッシブなバトルを展開。1周目、15番手でコントロールラインを通過した片山義章選手は続く2周目のコカコーラ・コーナーでさらに前をいくマシンのインに飛び込み、14番手に浮上。4周目のコカコーラ・コーナーでも前を行くマシンのインに飛び込み13番手と、一気にポジションをアップし、さらに上位を目指します。
しかし好調に周回を重ねていた6号車は、12周目に不運に見舞われてしまいます。GRスープラコーナーで後続車両がインに飛び込んできて接触し、6号車はスピンを喫してしまったのです。これで大きく順位を落とし、21番手へとドロップ。さらにアクシデントの影響か、14周目のダンロップコーナーでギヤが入らなくなり、片山義章選手は安全のためイン側のグリーンにマシンを止めてしまいました。一旦エンジンを切って再始動し、なんとか自力でコースに復帰するものの、27番手と最後尾に沈んでしまいました。
そこから片山義章選手は気持ちを切り替え、再度追い上げを開始。16周目にGT300クラスの車両が第2コーナーでストップしたことによってFCYが出されました。18周目にグリーンフラッグでレース再開。その時点で26番手まで浮上し、レースが30分経過した段階で、6号車に接触した車両に対してドライブスルーペナルティが出されたこともあり、23番手まで追い上げました。
その後も前をいくマシンより速いペースで周回を重ね、早めにピットへ飛び込む車両をよそにステイアウトし、27周目に17番手、28周目に15番手、そして30周目には13番手までポジションを上げ、33周目に12番手まで浮上しました。
14時30分を過ぎたあたりで気温が25℃、路面温度43℃と上昇し、マシンやタイヤへの負担が大きくなる展開となってきました。片山義章選手は1時間を粘り切り、35周を終えた段階で11番手。ルール上、この段階で残り走行時間すべてをロベルト・メリ・ムンタン選手がダブルスティントで走り切ることも可能になりました。
37周目、10番手までポジションを戻し、さらに周回を重ねます。42周目に8番手、そして43周目にピットインし、ロベルト・メリ・ムンタン選手に交代しました。23番手でレースに復帰した6号車は、ニュータイヤでベストラップを連発し、48周目には1分38秒444をマークし、コンスタントなラップで周回を重ね、残り1時間30分を切るころには、21番手へと浮上しました。その後もアグレッシブなレースを続ける6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIは、ハイペースで周回を重ね、63周を終えた段階で16番手まで浮上。さらにスタートから2時間を経過する頃には11番手までポジションをアップしていました。
気になる路面温度は15時で40℃、そして残り1時間で38.5℃と下がり始め、いよいよレースは終盤を迎えます。ロベルト・メリ・ムンタン選手はルール上義務付けられた2回目のピット作業を88周目まで引っ張り、残り30分を最小限の給油で済ませてピットアウト。14番手でレースに復帰することができました。その後、92周目に13番手に浮上した6号車は93周目にベストラップを更新し、1分38秒105をマーク。さらに94周目に1分38秒002とタイムアップし、このレースの6号車でのベストラップを刻みました
。しかし残り3分、103周終了時点で13番手を走る6号車がガス欠のため突然ピットイン。スップラッシュ&ゴーで、素早くレースに復帰しました。16時37分、GT500トップのマシンに3時間レースのチェッカーが振られ、レース終了。片山義章選手とロベルト・メリ・ムンタン選手が駆る6号車UNI-ROBOBLUEGRASSFERRARIも無事13位でチェッカーを受けました。
■片山義章選手のコメント
「スタートはうまく決まって、1コーナーまでに2台をパスしたのですが、抜いたマシンにコカコーラ・コーナーでイン側から当たりながら押し出され、そこで左フロントのジオメトリーが狂ってしまい、左コーナーがすごく遅くなってしまいました。それでも気を取り直してドライビングをアジャストしてアンダーをごまかしながら前を行くマシンを抜き続けていたのですが、後ろから当てられてスピン。その次のラップでギヤが噛んでしまって入らなくなり、安全な場所に止めてエンジンを切って再始動させ、なんとかレースに復帰することができました」
「そのあとはペースも悪くなく、できる限り燃費を稼ぎながら引っ張って、ロベルトに交代しました。ロベルト選手は冷えた状態でのタイヤの使い方がうまく、それを武器に2度のタイヤ交換でベストラップを刻みながらの追い上げを見せてくれました。最後にガス欠で緊急ピットしたのは驚きましたが、結果には影響がなかったが幸いでした。しかし悔しさが残るレースでした。次の鈴鹿で、この悔しさを晴らしたいと思ています」
■ロベルト・メリ・ムンタン選手のコメント
「今日は自分たちにとって最悪の一日でした。マシンが悪いわけではなく、片山義章選手の最初のアクシデントですべてを失い、さらに追い打ちをかけるトラブルが出て、自分に交代した時には、失うものは何もない状況でした。ですからアグレッシブに攻め続け、自分にできることはすべて出し切ったつもりですが、結果はポイントに届かなかったです。次の鈴鹿のレースでは、自分たちが持つ本来の実力を発揮したいと思います」
■小倉啓悟チーム監督のコメント
「自分たちにとって本当に運がなかった週末でした。昨日の滑り出しは悪くなかったのですが、予選で17番手に沈んでしまったのが痛かったですね。決勝レースでは、片山義章選手もスタートから頑張って良いバトルをしてくれましたが、当てられてしまって全てを失いました。あの事故がすべてだと思います。ただ、ぶつけられたのも、予選があのポジションだったからですし、もっと上位グリッドからスタートできていれば、違った結果になったかも知れません。さらに立て続けにギヤトラブルが出てタイム的にも大きな後れをとって最後尾まで落ちてしまいました。もはや失うものはなくなったので、当初の戦略から変えて、あのアクシデントのあとは、攻めに攻めたレースをしました」
「最後に燃料が足らなくなってしまいましたが、攻めすぎた結果ですから悔いはありません。セーフティカーが出ることを期待していなかったといえば嘘になりますが、今回のレースは本当に何も起こりませんでした。応援してくださったファンの皆さまや、スポンサーの皆さまには本当に申し訳なかった結果ですが、次の鈴鹿はこの悔しさをぶつける気持ちで頑張ります。引き続き応援よろしくお願いします」