更新日: 2017.04.11 18:44
関口雄飛 スーパーGT第1戦岡山 レースレポート
迎えた午後の予選、Q1アタッカーは関口雄飛です。朝のフリー走行とはまるで別のマシンに乗ったかのような力強い走りを見せ、1分18秒591をマークし、トップ差0秒07というタイムを刻んで4番手でQ2に進出を果たしました。
ポールポジション獲得を賭けて国本雄資選手がステアリングを握った予選Q2は、2度の赤旗によって完全にアタックのタイミングを逃し、アタックすることなく終了。予選8番手で終えた19号車でしたが、赤旗の原因を作った2台がグリッド降格となった為、日曜日の決勝は3列目、6番手グリッドからのスタートとなりました。
日曜日は、天気予報とはまったく異なる予想外の快晴。寒さは感じず、むしろ暖かい春の陽気の1日となりそうでした。今年からタイムスケジュールが変更され、朝のフリー走行は廃止。その代わり、決勝前に行われていた8分間のウォームアップ走行が、20分間に延長されることとなりました。
ウォームアップ走行では5番手タイムをマークし、好調さを維持している19号車でしたが、スタートドライバーの関口雄飛は、次第に上昇する気温に一抹の不安を感じ始めていました。チームが想定していた気温より、大幅に暖かい状況になりはじめ、当然、路面温度も上昇しはじめていたからです。
開幕戦は、誰もが想像すらできなかった波乱の展開になりました。パレードラップの開始とともに、NSX勢の1台がストップ。そしてあろうことか、フォーメーションラップが開始されると、ポールポジションのNSXまでもがエンジンが止まり、コース上に力なく停止してしまったのです。
この状況で赤旗が出され、レースはセーフティカー先導によるスタートとなりました。1周減算の81周レースとなり、この再スタートに向かう段階で、さらに1台のNSXが息の根を止めたのです。スタート進行は大きく遅れ、気温は急上昇。関口雄飛の不安は的中してしまいました。
セーフティカーがコースから外れ、レースが実質的なスタートを切ると、関口雄飛は4番手でコントロールタワー前を通過。レースはLEXUS勢の6台が上位を占め、ライバルたちをリードする形での展開となりました。
後方から1台のLEXUSが執拗に関口雄飛に追いすがり、オーバーテイクを試みますが、関口雄飛はすべてのコーナーでそれをブロック。観客が沸くLEXUS同士の激しいバトルを展開します。
しかし、17周目の最終コーナー手前で一瞬、19号車が不安定な挙動を示し、立ち上がりで後続車にインに並ばれ、最終コーナーで抜かれて5番手にダウン。そしてさらに後方から、同じくLEXUSを駆る元F1ドライバーが虎視眈々と関口雄飛をパスすべく激しいアタックを開始。
意地でも抜かせまいとする関口雄飛のファイティングスピリットと、F1ウィナー、ヘイキ・コバライネン選手のプライドがぶつかり合わんばかりのハイスピードバトルを繰り広げます。
8周近くにわたって展開されたバトルですが、27周目のバックストレートで完全に2台は併走状態になり、ヘアピン手前で限界を超えたブレーキング競争の結果、アウト側にいた19号車のリヤが流れてバランスを崩し、関口雄飛は痛恨のコースオフ。なんとかサンドトラップにつかまらないようにマシンをコントロールしてレースに復帰するものの、6番手までドロップしてしまいました。
関口雄飛はそのまま苦しい戦いをしのぎ切り、34周目にピットに飛び込みドライバー交代。国本雄資選手がチェッカーフラッグを目指します。
レースはその後、GT300マシンの激しいクラッシュによって3度目となるセーフティカーが入り、再スタート。最後はLEXUS勢6台による20周のスプリントレースの様相を呈し、随所で激しいバトルを展開し続けながらチェッカーを迎えました。
LEXUS TEAM WedsSport BANDOHは、2017年開幕戦を6位入賞で終えることができました。開幕戦での6位入賞は関口雄飛が同チームに移籍した過去4年間で最上位であり、チームとしては19戦連続でポイント圏内でのフィニッシュを飾るという強さと安定感を発揮したレースとなりました。