4号車初音ミクからわずか数秒後ろを走っていた56号車GT-Rがクラス3位でチェッカーを受けた直後、チームと車内のオリベイラは多少の混乱に陥った。というのも、オリベイラがチェッカーフラッグを受けたタイミングと、GT500ウイナーとなった8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTのフィニッシュの瞬間が重なっていたのだ。
当時の状況について聞くと「分からなかった」と2冠王者のオリベイラ。
「8号車がフィニッシュラインの本当に直前で僕を抜いていったんだ。サイド・バイ・サイドの状態であることは見えていたのだけど、それで自分がチェッカーを受けたかどうか分からなかった」
実際、中継映像では56号車GT-Rの右後ろから8号車ARTAが蛇行しながら迫り、最後はほぼ横並びの状態でフィニッシュした状況が映し出されていた。この微妙なタイミングについてはオリベイラのみならずチーム側も当初は断定ができておらず、無線を交わしたエンジニアも自分と同じように分かっていなかったとオリベイラは明かした。
「一度スローダウンしてコースの前半部分はゆっくり走っていたのだけど『もしかしたらまだ終わっていないかもしれない』と思って、慌ててもう一度プッシュして戻ってきたんだ。そのときはまだ無線で何も言われていなかった。でも途中で『もうフィニッシュだよ』と伝えられて、そこでようやく落ち着くことができた」
その後オリベイラはストレートのグランドスタンド側ではなくピットウォール側にマシンを止めたが、これについては次のように説明している。
「僕がストレートに戻ってきたときは、まだコースマーシャルがいなかったんだ。普通は(マシンを誘導のために)マーシャルが立っているのだけど、そのときは誰もいなくてどうしたらいいか分からなかった」
「まだ他のクルマがいなかったから、僕が最初に着いたクルマだったようだね。レースウイナーがピットに入るのは分かっていたけれど(3位のクルマが)どこに行けばいいか分からなかったから『ここかな?』というところで停まったのさ」
次戦鈴鹿はニッサンGT-RニスモGT3との相性は悪くないサーキット。そこで上昇気流に乗ってしまえば、シーズン終盤戦に向けて、今年もリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rがチャンピオン争いに絡んでくる可能性は高いだろう。
