更新日: 2024.08.07 18:18
TGR TEAM SARD 2024スーパーGT第4戦富士 レースレポート
DENSO KOBELCO SARD GR Supra
第4戦富士、トラブルで戦線離脱の15位に
2024スーパーGT第4戦『FUJI GT 350km RACE』(8/3〜4)
富士スピードウェイ(1周4.563km)
入場者数:予選2万600名、決勝3万1600名、合計5万2200名
8月4日(日)気温35度の猛暑日となったなか、スーパーGT第4戦『FUJI GT 350km RACE』の決勝が行われ、13番グリッドから不撓不屈に勝利へ向かっていったスタート担当の関口は、オープニングで11位にポジションアップ。ペース良く前に食らいついていき、仕留めるチャンスを狙っていった。
追い上げてきた後続の36号車に一瞬抜かれたが、すぐに抜き返したが、その攻防の中の26周目ストレートで300クラス車両を走路外から抜いた事によるドライブスルーペナルティを受けてしまい15位に。
FCYを経て34周を終えてピットインで中山につなぎ、ベストラップタイムを刻みながら諦めない走りをしていたが65周目に異音が発生しマシントラブルによる緊急ピットイン。ここで戦いを終えることとなった。
ドライバーポイント獲得ならず、ランキング10位(計19点)に、チームポイントは1点を獲得しランキング11位(計26点)となった。次戦第5戦は8月31日(土)・9月1日(日)に鈴鹿サーキットにて350kmレースとして開催される。
■事前情報
前戦鈴鹿から2カ月ものインターバルでの開催で今季2度目の富士スピードウェイが舞台となる『FUJI GT 350km RACE』。開幕戦2位表彰台以来、難しい序盤戦となったDENSO KOBELCO SARD GR Supra。8月3日(土)午前に公式練習、午後にタイヤ1セットのみで戦うQ1+Q2のタイム合算式の公式予選、4日(日)決勝は14時30分スタート。
レース距離は、350km(77周:約2時間15分)で争われ、ピットストップは1回で1人のドライバーの最大運転周回数は51周まで。サクセスウエイトは現獲得ポイントの倍となる38kgを搭載する。重量増による富士でのタイムの落ち込みは、38kgだと約0.6秒弱。タイヤの持ち込みセット数はドライ5/ウエット6セットで、決勝スタートまで使うドライのマーキングは5セットとなる。
シリーズ前半4戦の締めくくりであり、後半戦を占う重要な一戦。夏休みとあってキャンプも兼ね、多くの子供達の来場が予想される富士スピードウェイ。各チームとも初めてのレース距離となる350kmへ向けて様々な戦略プランを細かく分析して臨んでくるなか、チームではレース中でもフレキシブルに対応できる戦略プランを立てている。
DENSO KOBELCO SARD GR Supraは、ドライバーポイントでトップと18ポイント差と離されてはいるが大量ポイントを獲得できれば追いつくことは可能で、ここから後半戦に向けて逆襲のターニングポイントとしたいところ。
酷暑が続いて時折雷雨が訪れる不安定な天候や運も含め波乱が起きやすく、レース戦略と総合力があらためて試される第4戦富士。脇阪寿一監督のもとチーム一丸となって逆境に負けない強い心を持って、不撓不屈に勝利へ向かって突き進んでいった。
■公式練習走行
3日(土)9時から開始された公式練習走行は、気温29度/路面温度38度と、朝から夏の暑さを感じるなか、最初の85分間の混走セッションが始まった。まず中山が、クルマの確認のために1周走行。路面状況が落ち着いたところで、ソフト側のドライタイヤを装着してパフォーマンスチェック。少し気になるところのセット調整を行った後に、ハード側のタイヤを装着して14周目に1分29秒624の12番手タイム。
続いて16周目から関口がリピートでタイヤ評価の予定であったが、18周目・コースインして3周目にダッシュパネルの警告灯が点灯。コース脇に停車し赤旗中断となった。ピットに戻されクルマをチェック。センサー系のトラブルではあったが、セット調整のための貴重な25分間をここで失った。
修復後、関口が引き続きステアリングを握って21周目にハード側のユーズドタイヤながら1分29秒448の5番手タイムを叩き出す。しかし、26周を終え、再び駆動伝達系の不具合が発生してピットイン。混走セッションではトータル26周を走行し、関口の21周目にマークしたタイムで6番手となった。
10分間のGT500単独セッションでは、気温32度/路面温度43度と上昇。関口が予選アタックシミュレーションすべく待機していたが不具合によるパーツ変更で時間を費やしてしまい、予選アタックシミュレーションできず。ユーズドタイヤで不具合が直ったかを4周確認走行して終え、公式練習走行は、混走セッションでのベストタイムのままで12番手となった。
■公式予選
Q1:中山が踏ん張って9番手タイム
3日(土)5分遅れの15時03分から開始されたタイム合算の公式予選Q1は、昼間よりは若干下がったものの気温33度/路面温度55度の高温。午前中、走行不足もチームとクルマを信じて乗り込んだ中山。
今回持ち込んだ中でパフォーマンスの良かったハード側のタイヤを選択し、コースオープンしてから1分ほど待って全車中真っ先にコースインした中山は、タイヤを丁寧に温め、リーダーズボードトップに出た5周目のアタックを続き6周目もアタックを継続。
セクター1を、前周からコンマ1秒削って22秒前半を計時、続くセクター2も全車ベストに迫る27秒前半を刻んだ中山。期待がかかるセクター3の登りのつづら折れセクションで上位のシビック勢にコンマ3秒ほど離されてしまう。Q1で沈んだスープラ勢の中で踏ん張った走りを見せて、1分28秒567の9番手タイムとなった。
Q2:関口がQ2でまさかの14番手タイム、合算は13位に
3日(土)15時59分のQ2開始時点は、気温31度/路面温度51度と路温が下がり始めた。非常に僅差の公式予選でほんの少しのロスで大きく順位が変わる厳しい合算式のQ2。午前中に予選アタックシミュレーションできずであったが、気合いを入れて「よしやるぞ」とクルマに乗り込んだ関口。
ユーズドタイヤのウォームアップを速いラップタイムで温めていき、4周目のアタックを続き5周目もアタックを敢行。セクター1を中山からコンマ1秒落ちぐらいに収めてきたものの、続くセクター2とセクター3では思うようにタイムが伸びず。通常であればコンマ2秒程度に収めてきてくれる関口がコンマ6秒以上落とす、まさかの1分29秒214の14番手タイム。
Q2アタック時のクルマのバランス変位傾向がこれまでと逆となり、午前中の走行不足が祟った結果となったDENSO KOBELCO SARD GR Supraは、公式予選合算タイムで13位となった。決勝は13番グリッドからの逆襲を目指すことを誓い合った。
■決勝
ウォームアップ走行
4日(日)13時から開始された20分間のウォームアップ走行は、厳しい日差しの気温34度/路面温度52度の晴天のなか、最初に中山がクルマの確認。2周目から関口が決勝セットを確認。ピットワークシミュレーションを経て8周目から再び中山が決勝へ向けて確認で5周走行。ウォームアップはトータル12周を走行し、1分30秒964の10番手で決勝への準備を終えた。
■決勝レース
第1スティント:関口が2ポジションアップも厳しいドライブスルーの裁定
4日(日)気温35度以上の猛暑日となった決勝14時30分スタート時点は、気温35度/路面温度56度と非常に高温に。13番グリッドから不撓不屈に勝利へ向かっていったスタート担当の関口は、オープニングで23号車と3号車をかわして11位にポジションアップ。
ペース良く前に食らいついていき、前を仕留めるチャンスを狙っていった。追い上げてきた後続の36号車に一瞬抜かれたが、バウンスバックですぐに抜き返したが、その攻防の中の26周目ストレートで300クラス車両を走路外から抜いたことによる厳しい裁定のドライブスルーペナルティを受けてしまい、FCYを経て31周を終えペナルティを消化して15位に。その後、34周を終えて関口をピットに呼び戻して中山へとつないだ。
第2スティント:中山が次戦に活かす走りを見せるもトラブルで戦列離脱
前とのギャップが大きく、順位を上げることは難しかったが、それでもベストラップタイムを刻みながら次戦に活かせるデータを得るために全力で諦めない走りで上位陣と遜色ないペースで走行をしていた中山であったが、65周目に異音と振動がマシンを襲う。
以前に同様な現象が起きたため、不用意な安全上のトラブルを防ぐためにも緊急ピットイン。クルマを確認したところ駆動系のパーツに問題が発生しており、残念ながらここで戦いを終えることとなった。
ドライバーポイント獲得ならず、ランキング10位(計19点)に、チームポイントは1点を獲得しランキング11位(計26点)となった。次戦第5戦は8月31日(土)・9月1日(日)に鈴鹿サーキットにて350kmレースとして開催される。
関口雄飛
「公式練習走行で自分の走り出しになったときにトラブルによりコース上にストップ。他にも問題があって修復に時間を費やして走行時間がなくなってしまいアタックシミュレーションもできず。クルマの確認やセットアップが足りない状況で予選となってしまいました」
「決勝は、まずまずのフィーリングで2台抜いて11位まであがって前について行けていたのですが、自分のスティント終盤にペナルティを受けてしまい、残念な結果でした。いろいろなことが起きて苦しいレースが続いていますが、シーズン後半戦の始まりとなる鈴鹿では気持ちを切り替えて逆襲を図っていきたいと思います。引き続き、応援をよろしくお願い申し上げます」
中山雄一
「今大会もたくさんの応援を頂きありがとうございました。今年2回目のホームコースの富士こそ良い結果をサーキットに入りましたがうまく噛み合わない週末となってしまいました。車両のトラブルも運悪く決勝中に起こることとなってしまい最後まで走ることができなかったことも悔しいです」
「しかし今回トライしたセットアップや作戦は後半戦を戦う上で非常に役にたつデータになったと思います。折り返しとなる次戦鈴鹿では確実に強い戦いをできるようにしっかりと準備して臨みます。鈴鹿でも熱い応援をどうぞよろしくお願い申し上げます」
監督 脇阪寿一
「暑いなか、ピットウォーク/キッズウォークにお集まり頂きましたファンの皆さま、温かい応援に感謝いたします。また、スタンドから声援を頂きました大勢のファンの皆さま、ありがとうございました。そしていつも温かく応援いただくスポンサーの皆さま、ありがとうございます」
「2カ月のインターバルで改善を図って臨んだ今回のレース。公式練習走行からトラブルが発生し、十分なデータを取れず、決勝もペナルティとトラブルが発生し、非常に厳しいレースになりました。さまざまなデータを分析して次へ活かします」
「ドライバーが気持ちよく戦えるクルマに改善して鈴鹿でこそ大量ポイントを獲得したいと思います。引き続き、TGR TEAM SARDの応援をよろしくお願いします」