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投稿日: 2024.08.12 11:55
更新日: 2024.08.12 11:56

【夏のスーパーGT特集/中編】NMC/NISMOファクトリー潜入。秘密多き『シミュレーター』と心臓部の『整備場』


スーパーGT | 【夏のスーパーGT特集/中編】NMC/NISMOファクトリー潜入。秘密多き『シミュレーター』と心臓部の『整備場』

 レースカー整備場の隣にある製造部門では、ベンダーや万能プレス機などはあえて40年前の古いタイプを使用して、開発・設計からの即応要請に応える体制を築いている。

 旧式の工作機械であれば数値入力なく、図面がなくてもマニュアル作業で部品工作がすぐにできるため、単品を即応で製作するには最新鋭機械よりも向いているのだという。

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あえて古いタイプの機械を使用し、開発や設計からの即応要請に応える体制を取っている工作室。「メモ書き程度で部品の意図を教えてくれれば、とりあえず作ることができる」と話すのは八重嶋真志スペシャリスト。
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設備内には水でカーボン部品などを切断することができるウォータージェットカッターも設置されている。水での加工は「熱が加わらないので、熱による悪影響がない」メリットがあると話す、モータースポーツ製造部の三田幸道氏。
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三田幸道氏に手に取ってもらったのはニッサンZニスモGT500のリヤフェンダー。机に置いてあるカーボンシートを組み合わせて製作されており、完成まで1週間ほどかかるとのこと。
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工作室で使用されているトレイもNISMO事業所内で製作されたもの。素材はもちろんカーボン製。カーボン地にロゴが入ったレアモノ。ぜひ、一般販売して欲しいところだ。

■近年、ますます重要度が高まっているシミュレーター室

 現場と開発のすり合わせ、手作業による製作と……挙げていくと古い技術を守っているだけに聞こえてしまうが、最新技術導入にもぬかりはない。DIL(ドライバー・イン・ザ・ループ)、ドライビング・シミュレーターもその代表のひとつだ。

 GT500実車モノコックを使用し、数軸のアクチュエーターでこれが可動して、ある程度擬似的にGや挙動変化を再現。半球のスクリーンに映し出されたコースで走行が再現できる。

 シーズンを重ね、実走との相関を年々向上させているとのことだが、実車のセットアップや開発にどこまでDILを使用できているかは機密事項にあたる。

 実走との相関が高いレベルにあるのであれば、技術的にはF1同様に、レースウイークでの走行セッション直後に、その走行データをファクトリーに飛ばし、DILで『リザーブドライバー』がそのデータを基に走らせてセットアップを探ることは可能だろう。

 現時点でその領域まで踏み込んでいないようだが、将来どうしていくかについて言及はなかったものの、現在のGTで最重要項目とも言えるタイヤ選択、タイヤマネージメントなどのタイヤのパフォーマンス評価にシミュレーターを活用していると思われる。

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GT500の実車モノコックと数軸のアクチュエーターで可動するDIL(ドライバー・イン・ザ・ループ)ドライビング・シミュレーター。
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今回は23号車の小堀顕エンジニアが富士スピードウェイをテスト走行。GT500マシンの挙動がほぼ完璧に再現されているシミュレーターで快調な走行を披露した。
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DILドライビング・シミュレーター室を担当するモータースポーツ車両実験部の長南裕一氏(左)、と小堀エンジニア(中)、レース部の菊池秀孝エンジニア(右)。

※後編に続く


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