更新日: 2024.09.21 22:31
LMcorsa 2024スーパーGT第6戦SUGO 予選レポート
降雨のために残念ながら予選はキャンセルとなったが公式練習の6番手タイムにより、決勝レースは今季最上位からスタート
年間8戦のシリーズで競われているAUTOBACS SUPER GT 2024 SERIES。本来なら8月31日(土)~9月1日(日)に鈴鹿サーキットで開催されるはずだった、第5戦がシーズンの折り返しとなっていた。だが『SUZUKA GT350km RACE』は台風10号の接近が予想されたため、レースウイークに入った8月28日(木)に開催を延期すことが発表された。
そのため、後半戦を迎えるのが今回の第6戦『SUGO GT300km RACE』となる。スーパーGTのスケジュールは8月以降の3カ月で計5戦が予定されていたので、各チームとしては第5戦の延期が結果的には余裕をもたらすことになったかもしれない。
また、本来なら第5戦から変更される予定だったのが予選方法になる。GT300の今季の予選は昨年と同じくQ1が2組にわけられていて、上位8台ずつが予選Q2のグループ1に進出、上位16台に入れなかったマシンは予選Q2のグループ2を走ることとなった。最大の変更点はQ1とQ2のタイムが合算されることで、13番手から20番手のマシンは合算されたタイムによって入れ替わる可能性もあった。複雑な予選方法となっていたことや、予選Q1が2組に別れていると、合算された場合には公平性が保てないことなどが課題として挙がっていた。そこで、一部のルールが変更され、初の予選方式が今回の菅生から採用されることとなった。
第6戦の舞台となる宮城県のスポーツランドSUGOは、1周の距離が約3.6kmと、スーパーGTが開催されているサーキットでもっとも短い。そのため決勝レースではGT500クラスとGT300クラスの混戦で荒れた展開となることがあり、昨年の同レースでもクラッシュによりレースが中断している。
そんな展開が読めないSUGO GT300km RACEは、9月21日(土)に公式練習と予選、22日(日)に決勝レースが実施される。
今回のレースウイークは雨が降り続ける天気予報となっていて、21日も朝から断続して雨模様となる。公式練習は予定通りの9時15分からスタートするが、早々にクラッシュが発生して赤旗により中断。タイヤバリアなどの修復を行ないセッションは再開されるが、今度は雨量が多くなったために赤旗が提示される。午後の予選も雨が降り続け、状況によってはキャンセルになる可能性もあった。そのためチームは、状況が改善したところでタイムを残す戦略を採る。
Syntium LMcorsa GR Supra GTには走り始めから河野駿佑選手が乗り込み、周回を重ねる。セッション開始から45分が経過したところで雨量が減っていき、このタイミングで河野選手はタイムを出す走りに切り替えた。多くの車両が走っているためクリアラップは取れなかったが、計測8周目に1分31秒513、翌周には1分31秒013までタイムを伸ばし暫定ながら5番手のタイムとなった。
その後は雨量が増えていき、セッションの最後に設けられていたGT300クラスの専有走行までタイムアップは図れなかった。それでもGT300クラスの27台中6番手で、ウエットコンディションの公式練習を終えた。
<気象データ>
気温:17℃、路面温度:20℃(公式練習スタート時)
気温:16℃、路面温度:20℃(予選Q1時)
<予選>
公式練習後も雨は降り続いたが、雨量が少ないタイミングもあった。そのため14時45分から予定されていた予選は実施される方向で進む。しかし、GT300クラスの予選Q1が始まる14時45分前に10分のディレイがアナウンスされた。10分が経過した14時55分になると、さらに10分の延期が発表される。雨雲レーダーを確認しても好転していくことはないと判断され、予選はキャンセルされることとなった。
このため、公式練習の結果が決勝レースのスターティンググリッドとなり、LMcorsaは今季最上位の6番手となった。
<飯田章監督>
「予選ができなかったことは残念でしたが、6番手というポジションから決勝レースを走れることは楽しみです。公式練習では予選がキャンセルになる可能性があったので、タイムを残すように走ったのですが、雨量やコンディションにダンロップのレインタイヤが合っていたようです。ドライも含めて開発を進めてもらっているので、成果が現われていると思います。明日は雨のレースになるかもしれませんが、強いレースを見せて上位に入れるようにしたいです」
<吉本大樹選手>
「事前のテストでウエット路面を走ったのが河野選手だったため、公式練習の始めから乗ってもらいました。どのチームも一緒だと思いますが、予選がなくなることも想定してタイムを残しました。雨量やコンディション、タイヤの性能などによって結果が別れましたが、我々には味方してくれました。明日の決勝レースはウエットからドライへ変化していく予報なので、荒れた展開の中で生き残ること、そしてチーム戦略も重要になります。6番手スタートですしロングの調子も悪くないはずなので、このチャンスを活かして予選順位以上のポジションを狙っていきます」
<河野駿佑選手>
「今回は事前に実施したスポーツランドSUGOでのテストでも好感触だったので、ポジティブな印象で挑みました。公式練習はスタートから乗って、まずはコンパウンド違いを試しました。予選がキャンセルされることも考え、エンジニアと相談しながらアタックするタイミングを見計らいました。公式練習の開始から45分ほど経過したところで状況が少し改善し、そのときに6番手のタイムを記録できました。引っかかったところもありベストではなかったですが、決勝レースを3列目からスタートできるので良かったです」