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投稿日: 2024.09.22 23:16
更新日: 2024.09.23 17:37

TOYOTA GAZOO Racing 2024スーパーGT第6戦SUGO レースレポート


スーパーGT | TOYOTA GAZOO Racing 2024スーパーGT第6戦SUGO レースレポート

 22日(日)も雨模様は続き、朝方に行われたFIA-F4は赤旗中断で終了する状況。午後遅くなって天候が回復するという予報も鑑み、当初13時半から予定されていた決勝レースは、14時22分に開始されることとなりました。

 気温20度、路面温度24度と悪天候で肌寒いなか、グランドスタンドを埋めたレースファンの皆様が見守る前で、セーフティカー先導でレースがスタート。雨はほとんど止んだものの、まだ路面はウエットで、GT500クラスは全車両がレインタイヤを装着して走りだしたレースは、4周目から本格戦が開始されました。

 ポールポジションの37号車石浦が首位を逃げる一方で、その後方では序盤から激しいバトルが繰り広げられました。2番手の14号車大嶋が遅れ、3番手スタートの19号車国本が2番手、4番手スタートの36号車坪井が3番手へとポジションアップ。その後も目まぐるしく順位が入れ替わる展開となりました。

 36号車の坪井は好ペースで順位を上げ、5周目に2番手に上がると、16周目には38号車をパスし首位に浮上しました。序盤の混戦のなかで一時6番手まで順位を落としていた14号車の大嶋も、周回を重ねるなかでペースを上げ、23周目に2番手へとポジションを上げました。

 14番手と後方スタートを強いられた37号車の笹原は、序盤はタイヤのグリップに苦しみ一時は最後尾に後退。しかし、周回を重ねていくに従ってペースを上げ、ポジションアップ。37号車は16周目には7番手、23周目には38号車をかわして4番手まで順位を上げる目覚ましい追い上げを見せました。

 上位勢は各車の差がかなり広がっていましたが、24周目にGT300クラス車両にクラッシュが発生しセーフティカーが導入。これで各車のマージンは帳消しに。32周目に再スタートが切られると、まだタイヤをスリックに交換するには難しいタイミングで、GT500クラスでは39号車ともう1台のみがピットへ。39号車は中山へとドライバーを交代、新しいウエットタイヤへ交換してコースへ復帰しました。

 首位を行く36号車の坪井のペースが厳しくなってくるなか、2番手の14号車大嶋が36号車に追いつくと、4番手だった37号車の笹原は、Astemo CIVIC TYPE R-GT 17号車をかわして3番手に。さらに首位を争う14号車と36号車もかわし、最後尾から首位までポジションを上げました。

 39周目にGT300クラス車両がコースオフしたことで、GT500クラス車両は先に入っていた2台ともう2台を残して一斉にピットへ。ドライバー交代と給油、そしてスリックタイヤへの交換作業を行いました。アレジへと交代した37号車は、ピットインしなかった2台に次ぐ3番手でコースへ復帰。福住へと交代した14号車が5番手、ウエットのままの39号車は6番手、山下へと交代した36号車が7番手でコースへ戻り、そのままセーフティカーが導入されることとなりました。

 50周目、残り35周で再スタート。14号車の福住は好ペースで順位を上げていきましたが、14号車はセーフティカー走行中にコースオフを喫したことでドライブスルーペナルティ。惜しくも順位を落とすこととなりました。

 37号車のアレジは再スタート直後から素晴らしいペースで周回を重ね、54周目に首位に浮上。38号車の大湯も好ペースで57周目に3番手に上がると、その勢いのままに翌周2位へ。36号車の山下はペースが上がらず後続にかわされるシーンもありましたが、その後ペースを上げていき、4番手へ。

 首位を行く37号車のアレジは、圧倒的なペースで後続との差を広げていき、終盤は20秒近い大差をつけてトップチェッカー。今季2勝目を挙げました。38号車は2位でチェッカー。前戦富士での3位に続く2戦連続表彰台獲得となりました。

笹原右京/ミハエル・クルム監督/ジュリアーノ・アレジ(Deloitte TOM’S GR Supra)
2024スーパーGT第6戦SUGO 笹原右京/ミハエル・クルム監督/ジュリアーノ・アレジ(Deloitte TOM’S GR Supra)

 36号車は4位フィニッシュ。ドライバーズランキングで首位の座を守りました。笹原/アレジ組が勝利を挙げたことで、ランキングは首位の坪井/山下組に1ポイント差の2位へと浮上しました。19号車が8位、14号車は9位でフィニッシュし、ともにポイント獲得を果たしました。

 GT300クラスでは、ポールポジションの20号車清水がスタートから首位を逃げ、ライバルとの上位争いを繰り広げましたが、22周目に右リヤタイヤが突然脱落するというトラブルに見舞われ痛恨のリタイア。

 8番手グリッドから着実なレース運びで、終盤は小高がオーバーテイクを見せた31号車がTGR勢最上位の6位でフィニッシュ。ランキング首位でサクセスウエイトの重い2号車も終盤バトルで観客を沸かせ、8位フィニッシュ。6番手スタートから早めのスリックタイヤ投入作戦を採った60号車が9位でポイント獲得を果たしました。

●Deloitte TOM’S GR Supra 37号車 ドライバー 笹原右京

「14番手スタートから、本当に難しいコンディションで最後までどのタイヤを選ぶか悩んだのですが、僕も含めチームも最後まで素晴らしい判断ができたと思います。僕はとにかくタイヤも守りつつも、とにかく自分のスティント中にトップまで上がるっていう意思でいたので、最終的にトップでバトンを渡すことができて、僕としては今日100パーセントの仕事はできたのかなと思います。最初はとにかく大変で、もう気合いで何とかしてくれっていう感じだったので、なんとか必死に耐えつつ走ったんですが、途中からはそのタイヤ選択もうまく功を奏して追い上げることができて、トップでジュリアーノにバトンを渡せました」

「後半もジュリアーノがすごくよく頑張ってくれて、優勝することができて本当に嬉しいです。皆さんの応援のおかげですし、本当にチーム含め皆さんに感謝です。この結果はチームとしても自信に繋がったと思います。シリーズタイトルについても今回の2勝目で現実味は増してきていますが、やっぱり隣にいる36号車が本当に速いので、今37号車はとにかく彼らに早く追いついて追い越せるように努力するという、みんなで同じベクトルに向かって進んでいるので、今後が楽しみです。

●Deloitte TOM’S GR Supra 37号車 ドライバー ジュリアーノ・アレジ

「前回の勝利も初優勝ということで忘れられないレースでしたが、今回はまた格別です。これだけ後方からのスタートで、難しい、誰も予想できないコンディションでしたから。我々はちょっとアグレッシブなセットアップとタイヤ選択というギャンブルに出て、それが予想以上にうまくいきました。右京もすごく良いスティントで、14番手スタートからトップまで上がって素晴らしい走りをしてくれました」

「僕は彼よりはちょっと簡単な、ドライに近いコンディションでしたが、それでもどんどん路面のコンディションが変わって、タイヤが乾いていくなかでタイヤの温度も上がっていきましたし、あのコンディションでミスなく走るのはとても大変でした。そんななかでチームの皆さんと一緒に最後までミスなくトップを守って、優勝できて本当に良かったです。メカニックやエンジニアの皆さんも頑張ってくれて、タイヤの選択も良かったので、ドライバーだけでなく、チームワークの勝利だと思います」

Deloitte TOM’S GR Supra
2024スーパーGT第6戦SUGO Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)

●KeePer CERUMO GR Supra 38号車 ドライバー 石浦宏明

「前半スティントを担当しました。スタートダッシュは良かったのですけれども、その後ちょっとペースが悪くなって苦しい展開になってしまいました。とはいえセーフティカーにも助けられて、その後の大湯選手の素晴らしい追い上げにつながったので、何とかしのぎきれて前半は良かったなというところです」

●KeePer CERUMO GR Supra 38号車 ドライバー 大湯都史樹

「ファーストスティントで想定外のことが起きて、ベースをあまり上げられませんでした。そこで落ちてしまった分をなんとか取り返すべく頑張って2位という結果でした。ちょっとチーム・クルマ的にも課題はあったので、次戦オートポリスは絶対優勝できるように、今回の課題を改善できるように準備していきたいなという反省もありますが、2位という結果は嬉しいです。2戦連続表彰台ということで、ランキングもチャンピオンがちょっと見えてきつつあるので頑張ります」


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