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投稿日: 2024.09.27 13:08
更新日: 2024.09.27 13:09

apr LC500h GT 2024スーパーGT第6戦SUGO レースレポート


スーパーGT | apr LC500h GT 2024スーパーGT第6戦SUGO レースレポート

ファステストラップで追い上げるも届かずの6位。セーフティカーの導入タイミングに泣く

 第5戦鈴鹿大会が台風10号の影響で12月7〜8日に延期となったことで、およそ1カ月半ぶりのラウンドとなった第6戦SUGO。この週末は、前日まで続いた夏日の気候から一転、想定外の寒さとなり、さらに停滞する秋雨前線や低気圧の影響で東北地方には大雨の予報が出ていた。

 apr LC500h GTが履くブリヂストンのウエットタイヤは過去に好結果を生み出してきたが、今季から新設計のウエットタイヤを投入している。それはライバルメーカーも同様だった。ウエットタイヤでの新たな戦いで、2024年シーズン後半戦の幕が開ける。

 ロングホイールベースのLC500hにとって、中高速コーナーが主体のSUGOは最も相性が良いサーキット。雨という懸念材料はあるが、優勝も見据え、自信を持って挑む一戦となる。

公式練習/8位 9月21日(土)9:15〜11:00

 公式練習は開始時点で気温17℃、路面温度20℃、ウエット宣言が提示されるコンディションでスタート。午後の公式予選の時間帯は天候がさらに悪化する予報であり、公式予選が行われない場合、この公式練習のタイムがスターティンググリッドになる可能性がある。

 開始時は雨脚が弱かったこともあり、各チームはエースドライバーを送り出し、走行開始直後からアタック合戦が始まった。apr LC500h GTは、前夜のうちにウエットセッティングで仕立て、小高一斗にステアリングを託す。

 タイヤは2スペック持ち込んでいたウエットタイヤのハード側でコースイン。しかし、小高は自身の判断ですぐにピットに戻り、ソフト側に交換した。タイヤが温まりにくいのはライバルも同様で、コースアウトやクラッシュが多発。最終的には赤旗が6回も出されるセッションとなった。

 その難しいコンディションのなか、小高は12周目に8番手タイムとなる1分31秒547を記録。その後、雨脚が強くなったこともあり、小高は15周でピットに戻る。雨量が増えたことでここからのタイムアップは見込めない状況ではあったが、午後の予選、明日の決勝に備え、チームは中村仁の習熟を兼ねてコースへ送り出す。中村は計測2周でヘビーレインでの挙動を確認した。

 結果として、午後の公式予選は荒天のため中止となり、公式練習での8番手タイムがスターティンググリッドに決定。ブリヂストンユーザーでは最上位からのスタートとなった。

公式予選9月21日(土)悪天候のためキャンセル/総合順位8位

小高一斗選手

「公式練習はハード側のウエットタイヤで走り始めましたが、雨量が増えていく予報にあって、2周してピットに戻りソフト側に履き替えました。SUGOは事前テストがあったこともありセットアップは問題なかったし、ウエットの場合、タイヤがちゃんと発動するかどうかのほうが大きく影響するので、早めに判断してタイムを出すことを優先しました。アタックラップはタイミング的にも良かったですし、いろいろと状況が見えないなかでは最低限シングルに入れたので良かったなと思います」

中村仁選手

「雨の菅生は怖い! それにつきます。その中でもブリヂストンタイヤのパフォーマンスは高く、明日も雨なら上位は確実に見えそうです。予選が中止は、僕らよりお客様が残念だと思い、追加であったピットウォークを、今日一番頑張りました」

金曽裕人監督

「今回は公式練習のタイムがスターティンググリッドになる可能性があり、2種類のウエットタイヤを比較するためにも小高選手から走ってもらいました。同じようなレンジのタイヤを使ったブリヂストンユーザーのなかでトップタイムを出せたのは、小高選手の判断が早く、すぐにソフト側に交換したからですね。それでも、ミシュランとダンロップは速かった。でも、8番手スタートなら上位は狙えると思うので、決勝は優勝を目指します!」

決勝レース(79周)/6位 9月22日(日)14:22〜16:33

 決勝日も前日からの雨が止むことはなく、ウォームアップ走行は30分ディレイの13時00分から開始。フォーメーションラップは当初の13時30分から14時22分のスタートに変更となった。天候は回復傾向にあり、ハード側のウエットタイヤを選択。セーフティカー導入で始まり、4周目にスタートが切られた。

 apr LC500h GTは早めのドライアップを予想し、ショートスティントからロングスティントでつなぐことを計画。スタートドライバーは中村が担当した。しかし、ルーキードライバーとしてウエットコンディションでの経験不足が出てしまう。周囲を走るライバルに対して大きく後れることはなかったが、トップとの差は徐々に開き、同じブリヂストンユーザーで15番手グリッドから追い上げてきたLEON PYRAMID AMGにオーバーテイクを許してしまう。

 30周を過ぎると、スリックタイヤに履き替えるライバルも出てくるが、チェンジオーバーはまだ先。チームは39周目で中村を呼び戻し、スリックタイヤに交換して小高をコースに送り出した。ところが、そのアウトラップでGT300車両がクラッシュ。FCY(フルコースイエロー)が導入され、スロー走行を強いられるなかで上位勢がピットへ。さらにセーフティーカーが入るタイミングにより、トップからは周回遅れとなってしまう。

 レースが再開されると、小高はすぐにトップ車両を抜き、決勝でのファステストラップもマークして追い上げていく。そのペースは誰よりも速く、やはり一時はラップダウンされていた6番手の車両を74周目にオーバーテイク。小高はその後も前車とのギャップを詰めていくが、79周のレースでは届かず、6位でチェッカーを受けた。コース上では最速だったが、今回のレースはFCYとセーフティカー、そしてピットのタイミングが勝敗を分けることになってしまった。

apr LC500h GT
2024スーパーGT第6戦SUGO apr LC500h GT(小高一斗/中村仁)

小高一斗選手

「ピットインして僕がコースに戻ったときは8番手を走っていたはずなのに、セーフティカーが入った場所によって僕たちから後ろは周回遅れになってしまいました。そこで戦線離脱という感じでしたね。僕のスティントはブリヂストンタイヤのソフトは、すごくペースが良くて、周回遅れにならなければ勝てるレースだったと思います。もしドライの週末だったら、ブリヂストン陣営しか持ってきて無かったソフトタイヤで、120%勝てた自信があります(笑)。LC500hにとってSUGOは狙うべきサーキットだったので、6位という結果は悔しいですね」

中村仁選手

「もっとペースは上げられたかと思います。完全に雨でのレースで経験が足りませんでした。65号車に抜かれた後に、プッシュして着いていくべきでした。ここが優勝と6位のターニングポイントで小高選手にも皆様にも申し訳ない気持ちです。結果の為にも、もっともっとドライビングを磨き頑張ります」

金曽裕人監督

「ウエットタイヤとスリックタイヤのチェンジオーバーがもっと早いタイミングでくると予想していましたが、路面はしっとりと濡れた状態で、気温も上がらなかったから予想よりもだいぶ遅れましたね。しかも、僕たちより1〜2周後にピットインしたところが、上位を占める結果になってしまいました」

「このSUGO戦は結構自信があったし、小高選手も最後まであきらめずプッシュし続けてくれましたが届かなかった。周回遅れになっても、あと10周か15周あれば表彰台に上がれるくらい、ブリヂストンタイヤのパフォーマンスは高かったと思います。次は昨年表彰台のオートポリスなので優勝目指し攻めに攻めたレースをします」

apr LC500h GT
2024スーパーGT第6戦SUGO apr LC500h GT(小高一斗/中村仁)


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