更新日: 2024.10.20 19:21
DENSOスープラ、絶妙ピットで10番手から大逆転。一時トップ3独占のZを突き放し4年ぶりの美酒【第7戦GT500決勝レポート】
暫定首位浮上の16号車が37周目に最後のルーティンを終えると、首位23号車MOTUL千代の背後には迅速な作業も奏功したか、苦しんでいた3号車Niterraの高星明誠と12号車MARELLIがジャンプアップ。さらに36号車auも坪井翔からステアリングを引き継いだ山下健太がアンダーカットを成功させ、燃料流量リストリクター最大の3ランクダウンとなるクルマでトップ10圏外から4番手まで躍進してみせる。
するとその直後。コース上で14号車ENEOSの大嶋にサイド・バイ・サイドを仕掛けた17号車Astemoの太田は、右のターン7からターン8の100R進入アウト側へノーズを差し込み、14号車ENEOSのラインと交錯するかたちで行き場を失い、押し出されるようにしてコースオフ。クラッシュを喫し、ここでレースを終えてしまう(後に14号車ENEOSにドライビングスルーペナルティ)。
これですぐさま2回目のSCが発動し、ストレートでの隊列整理を経て43周目突入で仕切り直しになると、首位の23号車千代が続く44周目で1分35秒832と、ここでファステストを更新。ニッサン艦隊のワン・ツー・スリー態勢を率いていく。
⚫︎レース終盤になってもトラブル、アクシデントが続きセーフティカー導入
折り返しの1時間半を過ぎて周回数も50を超えてくると、2番手以下の距離が近づき団子状態へ。ここで5番手にいた39号車DENSOの中山雄一が陣営内の36号車auを捉え4番手へ。そのままニッサン陣営の牙城を伺う一方、接触の審議が続いていた14号車ENEOSにはドライブスルーの裁定が下る。
フィニッシュまで残り1時間が近づき最後のウインドウが開くと、58周目の64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTからルーティン作業が始まり、上位勢では61周突入で首位の23号車から12号車、100号車が同時にピットへ。ここで100号車STANLEY山本のダブルスティントとした100号車は29.2秒の静止時間でふたたび平峰に乗り換わった12号車を鮮やかに出し抜いていく。
続く63周目突入で暫定首位3号車Niterraと、同じく39号車DENSOがピットレーンへ向かった直後、いち早く最終スティントに出ていた64号車Moduloの伊沢拓也がターン3で正面からバリアに激突。この日、3回目のSC導入となる。
このタイミングで作業を終えた39号車DENSOがニッサン陣営を逆転してピットを後にし、これでロニー・クインタレッリにスイッチした23号車の前に出て首位浮上へ。同じく100号車も3号車を上回り、この時点で未消化組首位の36号車au以下、義務ピットを終えていない車両は好機を逸する展開へと変わっていく。
残り50分を切り68周目突入でリスタートが切られると、未消化組では37号車Deloitte TOM’S GR Supraを除く4台が一斉に義務ピットへ。続くラップで37号車の笹原右京が最後のルーティンを終えると、背後でNISMO/NMC艦隊とのバトルを繰り広げる100号車STANLEYのパックに対し、先頭の39号車DENSOがジリジリと逃げを打つ。
ラップ数にして78周でレースは残り30分。長らく燃リス3段階ダウンのハンデを抱えながら、背後の3号車Niterra三宅淳詞を抑え込んできた100号車の山本だったが、15分を切った86周目のホームストレートでピタリとテール・トゥ・ノーズに持ち込まれると、やはりパワーダウンの足枷は如何ともし難いか、ターン1のアウト側からついにオーバーテイクを許し、表彰台圏内から陥落。
するとその直後、第2ヘアピン進入でGT300車両がトラブルから速度を殺せぬままクラッシュを喫し、ここでFCYから4回目のSCへと発展する。
このピリオド中に再開なるかと91周目に再度のリグループを経た段階で残り5分、最後のスプリント勝負へと思われたが、ここで24号車リアライズが最終コーナーでマシンを止め、さらに先導走行が延長されることに。
隊列がスロー走行のまま92周目を周回中に3時間のタイムアップを迎え、ここで荒れに荒れた週末が決着。23号車と3号車のNISMO/NMC艦隊に逆襲のチャンスは訪れず、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraが2020年第5戦富士以来となる、4年ぶりのトップチェッカーをくぐることとなった。