Team LeMans 2024スーパーGT第7戦オートポリス 決勝レポート
2024 SUPER GT Rond 7, AUTOPOLIS GT 3 Hours RACE
決勝レポート
ポールポジションから一転、厳しい戦いとなった決勝
それでもチャレンジし続けて得た3ポイント
10月20日(決勝)
オートポリスインターナショナルサーキットで開催された『2024 AUTOBACS SUPER GT Round 7 AUTOPOLIS GT 3 Hours RACE』は、予選、決勝がワンデーで開催される慌ただしい一日となりました。
午前8時から30分間で実施された予選では、ロベルト・メリ・ムンタン選手が見事チームにとって初のポールポジションを獲得し、チームは歓喜と安堵で満ちたポジティブな雰囲気のまま、午後の決勝に向けて着実に準備を整えました。
11時30分から40分間で実施されたウォームアップ走行では、まずロベルト・メリ・ムンタン選手が決勝に向けて新品タイヤの皮むき作業をこなし、片山義章選手が決勝へ向けての最後のセットアップと確認作業をこなしました。
ポールポジションからスタートしたVELOREX(Team LeMans)の6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIは、片山義章選手がスターティングドライバーを務めました。気温14℃、路面温度21℃、湿度56%という肌寒いコンディションで、タイヤの適正温度に対して予想以上に気温、路面温度とも低く、不安を抱えてのスタートでしたが、その不安が的中しました。
スタート直後から思いのほか片山義章選手のペースが上がらず、1周目で4台にパスされ、それでも1台を抜き返して4番手でコントロールラインを通過。その後も厳しいレースが続きました。
24周目にアクシデントのためFCYからセーフティカーが出された段階で11番手。その後もタイヤのピックアップに苦しみながら走行を続け、30周目に15番手でロベルト・メリ・ムンタン選手に交代。20番手でレースに復帰し、そこから意地の追い上げを開始します。
レースは2度の給油が義務付けられているため、その後チームはロベルト・メリ・ムンタン選手にダブルスティントを託し、FCYやセーフティカーのタイミングも味方して、レース終盤には着実にポジションを上げ続けました。
42周終了時に13番手、45周目に12番手、54周目に9番手まで浮上したところで2度目のピットイン。給油とタイヤ交換を済ませて再び14番手から追い上げを開始します。
その後、GT500車両のクラッシュのためセーフティカーが出され、各車のピットインのタイミングもあってレース終盤には2番手まで浮上。しかしタイヤのピックアップは予想以上に厳しく、後続に対して大きなリードを広げていたにもかかわらず、そのポジションを譲るしかないペースまでグリップダウンが進んでしまいました。
そこで3位のポジションからあえてタイヤ交換を実施。残り時間でどこまで新品タイヤで追い上げられるかに賭けたのですが、その直後にアクシデントによるセーフティカーが出動され、万事休す。レースはそのまま最終ラップまでセーフティカーランのまま進められ、VEROLEXは8位完走で3ポイントを加算することとなりました。
片山義章選手のコメント
「今回は期待どおりのレースができず、本当に残念な結果になってしまいました。スタート直後からペースが上がらず、一気抜かれてしまったのですが、それを何とか取り戻そうと頑張って走り続けました。しかし数周するとピックアップがさらに厳しくなり、マシンの限界で走り続けたのですが、あれが精一杯のペースでした」
「ロベルト・メリ・ムンタン選手もかなり頑張ってくれましたが、最後はタイヤ交換をせざるを得ないという判断でした。FCYやSCの出されたタイミングと自分たちの戦略がうまくいき、2位まで浮上できたのは良かったのですが、最後は逆にSCにチャンスを奪われたレースでした。次のもてぎは今回の反省も踏まえ、優勝争いに加わりたいと思います」
ロベルト・メリ・ムンタン選手のコメント
「最高の予選と最悪のレースを一日に味わった気分でした。チームは本当に素晴らしい仕事をしてくれましたが、気温や路面コンディションの変化はギャンブル的要素になってしまいました。自分もタイヤのピックアップに苦しめられたレースでしたが、ドライバーとしてはすべてを出し切った感はあります」
「最後のニュータイヤでレースができていれば、4位か5位は狙えたと思いますが、表彰台には届かなかったでしょうね。ワンデーレースにもかかわらず、予選から最高のマシンを用意してくれたチームに感謝しています。本当にタフな一日でしたが、応援ありがとうございました」
小倉啓悟チーム監督のコメント
「タイヤチョイスの段階から、ある程度懸念していたことでしたが、予想以上に厳しい展開になってしまいましたね。マシンそのもののペースはあったのですが、タイヤのピックアップに苦しみました。ポールポジションからスタートしただけに、上位でフィニッシュしたかったのですが、幸いセーフティカーのタイミングにも助けられ、2位までリカバリーできたのはチームとしても良かったと思います。3位を走行中にあえてタイヤ交換を実施したのは、ドライバーもタイム的に限界でしたし、無線でチームが判断してくれとのことでしたので、何かあっては危ないですから3度目のピットインをさせました」
「そのあと追い上げる前にセーフティカーが出てしまったのは残念ですが、あのままステイアウトしていてもこらえ切れなかったとは思っています。今回は予選でチームのポテンシャルを証明できましたし、良い面も悪い面も新たな発見がありましたので、しっかりと煮詰めて、残るもてぎ、鈴鹿に向けて頑張りたいと思っています。大変な2日間ではありましたが、皆さん応援ありがとうございました」