muta Racing INGING 2024スーパーGT第7戦オートポリス 決勝レポート
スーパーGT第7戦
AUTOPOLIS GT 3HOURS RACE
オートポリス
公式予選&決勝:10月20日
天候:曇り
コース状況:ウエット(予選)、ドライ(決勝)
公式予選:14位 決勝:2位
2024年スーパーGTシリーズ第7戦は、オートポリスにおいて開催。前日はすべての走行がキャンセルとなったため朝に30分間の予選を行ったが、ウエットコンディションで路面温度が13℃と冷えたことでタイヤが温まらず14位にとどまった。
決勝では序盤に最後尾まで順位を落とすも、1回目のピットインを済ませるとセーフティカー(SC)導入もありトップへ。しかしSC解除後の手順違反によりドライブスルーのペナルティを受けて後退。しかし2位まで順位を回復して表彰台を獲得し、ポイントリーダーとの差を5ポイントに縮めた。
公式予選
公式予選は20日朝に行われた。開始直前まで深い霧のために視界不良であったが、徐々に霧は取れ予定どおり8時からGT300クラスの予選がスタートした。計測は30分間でアタックするドライバーはひとりで良い。真っ先にコースインした堤優威はウエットタイヤでコースイン。
路面の雨量が減ったこともありスリックタイヤに交換したが、気温10℃、路面温度13℃ではタイヤが発熱せず思うようにタイムアップしない。開始20分を過ぎて1台の車両がクラッシュしたことでセッションは3分間中断。その間に再びウエットタイヤに交換してアタックをかけたが、残った6分間ではタイヤは温まらずトップから3.717秒差の14位にとどまった。
決勝
決勝前のウォームアップ走行は通常の20分間から40分間に延長され、路面も乾いた。堤がコースインして車両を確認すると、今大会まだ走行していない平良響に交代。12周目に1分45秒490のトップタイムをマークした。これで決勝での追い上げに期待がかかった。
3時間の決勝は薄曇り、気温17℃、路面温度24℃の13時26分にスタート。平良はオープニングラップで2台をかわしたが、2周目の1コーナーで前の車両との接触を避けてオーバーラン。これで隊列の最後尾まで順位を落としてしまった。計画どおり9周でピットインすると給油のみで最初のピット作業をクリア。前方には車両もおらず、安定したラップタイムを刻みながら前方との距離を縮めていった。
20周目にGT500車両がコース脇にストップしたことでFCY(フルコースイエロー)となり、その3分後にはSC導入。これで平良は難なくトップとの差を一気に詰めることができた。26周完了でレースがリスタートすると、最初のピット作業をするためにピットインする車両が出始め、そのたびに平良は順位を上げていった。レースが1時間を経過した29周目には10位、そして34周目にはトップまで一気に順位を上げたが、35周目にGT500車両が100Rでクラッシュ。これで2度目のSCランとなった。
39周完了でレースはリスタート。平良は後続との距離を引き離しその差を14秒近く広げた48周でピットイン。義務付けられた2回の給油を伴うピット作業を済ませ、交代した堤が17位でコースへ。最初のピットインを遅らせていた車両もあり11位まで順位を上げた57周目にSC中の手順違反ということでドライブスルーのペナルティを受けることになった。2回目のSCからのリスタート時にGT500車両最後尾との間隔を規定(5車身差以内)より空けすぎていたのだった。
58周目に、GT500車両が3コーナーでクラッシュを喫し、この日3回目のSC導入。ここで堤もトップとの差を一気に詰めることができた。レースも残り1時間を経過した64周完了でリスタートすると、堤は65周でピットインしてペナルティを消化。上位の車両もこのタイミングで2回目のピットインをした車両が多く、4位で隊列に戻ることができた。
堤は72周で3位、さらに75周目に2位へ順位を上げたが、トップの車両とは20秒以上の差があり逆転には難しいギャップだった。終盤の81周目にクラッシュした車両があり、この日4回目のSC導入となったが、残りは12分しかなくSCランのままレースは88周でチェッカー。優勝は逃したが2位表彰台を獲得し、ドライバーズポイントもトップとの差を5ポイントに縮めることとなった。
次の第8戦は11月2〜3日にモビリティリゾートもてぎにおいて300kmレースとして開催予定。
堤優威
「波瀾万丈のレースでした。早めに最初のピットを済ませるとSCが入ってトップに立てたのですが、ペナルティで4位に落ちてしまいました。クルマのペースが良いのは分かっていたので、落ち着いて追い上げ結果的には2番でした。すごく山あり谷ありだったのですが、シリーズを考えると良かったのかなと思います。残り2戦あるのでチーム全員でしっかりミスなくこなしていきたいと思います。勝てたレースだったと思うのですごく悔しいですが、これもレースですね」
平良響
「2周目の1コーナーは前の車両とのブレーキングポイントがずれて追突しそうになったので、それを避けたことでコースアウトしました。早めに最初のピットインを済ませて、そこから追い上げてSCもあってトップに立てたのですが、僕のせいでペナルティを受けることになりました。GT500との距離を空けておいてそこから一気に加速をして後続を引き離そうとしたのですが、最悪でした。次のもてぎはJAF-GT(GT300規定車両)勢にはきついと思いますが、去年のようにしっかり前に行って逆転した状態で最終戦の鈴鹿を迎えたいと思います」
加藤寛規監督
「勝てたレースでしたね。序盤にピットインしたのは予定どおり。運良くSCも出てくれましたし、ペースも良くスタッフも良いクルマ、ブリヂストンも良いタイヤを作ってくれましたし、レース内容はすごく良かったと思います。ただ好事魔多しというか若気の至りという部分もあったので、それは反省して今後のレースに生かしてもらいます。チャンピオンシップは2位で逆転のチャンスもあるので、残り2戦みんなで力を合わせて頑張ります。チームはどんどん力をつけて来たと思いますし手応えを感じています」