更新日: 2024.10.21 16:07
ARTA 2024スーパーGT第7戦オートポリス レースレポート
今朝のオートポリスの気温は非常に低く、時折、口から吐く息が見えるほどだ。チームはスタート前に行われるウォームアップ走行に合わせ、クルマを準備した。ウォームアップでは、1周通しての計測は行わなかったが、セクタータイムはトップと同じタイムを記録している。クルマのバランスは良さそうだ。
スタートドライバーは松下信治選手。パレードラップ、フォーメーションラップのあと、スタートは切られた。松下選手はクリーンなスタートを切ったが、1周目の最終コーナー手前でバランスを崩してしまい、最後尾まで順位を落としてしまう。
トップから最後尾まで、全車ほぼ同じラップタイムで周回を重ねていく。前車を抜くにはなかなか難しい状況だ。
22周目に500クラス車両がコースアウトしてしまい、FCYが導入される。FCY中はピットがクローズになり、入ってきてしまうとペナルティを受けてしまう。FCYが出る前にサインボードでルーティンのピットインのサインを出したが、次の周に松下選手がピット入ろうとしたので、無線で入らないように指示を出したが、松下選手はピットに入ってきてしまう。無線トラブルのようだ。チームは作業をせず、そのままコースに復帰させた。
FCYは解除され、SC導入に変わった。車両回収が終わり、28周目にリスタートが切られた。#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTは30周目にルーティンのピットインを行い、野尻智紀選手に交代。アウトラップで無線のチェックを行ったが、車両とピットの無線はつながっていないようだ。野尻選手は14番手でコースに復帰したが、36周目には予選のポジションであった11番手までポジションを戻した。
37周目に500クラス同士の接触があり、1台がコースアウト。SCが導入される。この時点で10番手を走行。
42周目にリスタートが切られた。しかし、先ほどのFCY導入中のピットインに対してペナルティが出てしまい、60秒のピットストップが課せられてしまった。44周目にペナルティを消化し、コースへ復帰。野尻選手は13番手。
61周目に他車がコースアウト。再度、SCが導入される。車両の回収が終わり、67周目にリスタートが切られた。
野尻選手は71周目にルーティンのピットインを行い松下選手に交代。12番手でコースに復帰。
86周目に300クラスの車両がクラッシュ、FCYが導入、その後にSCに切り替わった。車両回収に時間がかかり、SC導入のまま、チェッカーフラッグが降られた。
惜しくもポイント獲得とはならなかったが、終盤の好ペースは次につながるレースになったと言える。チャンピオン獲得は難しくなったが、残り2レースで良いレース、結果を残したい。
●鈴木亜久里監督のコメント
「なかなかうまくいかないね。予選はダメだったけど、決勝に向けたクルマの仕上がりは良かったのに、結果につながらなかったね。いろいろなことがあったレースだったけど、何かあった時の対処法の引き出しをもっと増やしていかないといけないね。残りのレースはそのようなことがないようにしたいね」
●土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「無線のトラブルなんて、滅多に出ないことだけど、出てしまったことをどうこう言ってもしょうがない。無線が壊れた時の対策も考えておかないとね。ペースは悪くなかったから、ドライバーには申し訳ないと思っている。良い経験ができたと思うので、残りの2レースはしっかり結果にこだわってレースをしたいね」
●田中洋克チームディレクターのコメント
「無線が序盤からトラブルが出てしまい、ドライバーとコミュニケーションを取ることができなくなってしまいました。その影響でFCY中にピットに入ってしまいペナルティを受けてしまうという事態になってしまい、応援して下さっている皆さまには本当に申し訳ないと思っています。レースはうまく戦えませんでしたが、クルマのスピードはあったので、残りの2戦は自信を持って強気で挑みたいです」
●野尻智紀選手のコメント
「残念な結果になってしまったのですが、自分のスティントのペースは非常に良かったと思うので、次戦以降諦めずに全力を出して戦っていきたいです。今週末はクルマのパフォーマンスはあったと思うのですが、それが結果につなげられず、悔しく、フラストレーションも溜まりました。この悔しさをバネにしてチーム一丸となって次のレースを戦いたいと思います」
●松下信治選手のコメント
「無線が壊れてしまったというのもあったのですが、FCY中に間違えてピットに入ってしまい60秒ペナルティを受けてしまったのが、ボクの敗因だったと思います。本当にチームに申し訳ないです。次のもてぎに集中して挽回したいです」
■#16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT
【決勝】FCYとSCに翻弄されてしてしまったが、クルマは良かったので次戦に期待
スタート前のウォームアップは、午前の予選を走行しなかった佐藤蓮選手が走行を担当した。佐藤はクルマのバランスを確かめながらアタックを開始した。バランスは良さそうで、トップタイムをマーク。トラブルもなく、走行を終え、スタートを待った。
スタードライバーは佐藤選手。パレードラップ、フォーメーションラップのあと、スタートは切られた。佐藤選手は1周目を5番手で戻ってきた。18周目に後続車に接触されてしまい、ポジションを7番手まで落としてしまう。
22周目には500クラス車両がコースアウトしてしまい、FCYが導入される。車両回収に時間がかかり、SC導入に変わった。車両回収が終わり、28周目にリスタートが切られた。
佐藤選手は好スタートを切り、前車を抜いた。リスタートのタイミングでルーティンのピットインを行うチームもあり、佐藤選手は5番手に順位を戻した。35周目には暫定でトップに立ったが、翌周にルーティンのピットインを行い、大津弘樹選手に交代。
37周目に500クラス同士の接触があり、1台がコースアウト、SCが導入される。この時点で9番手を走行。42周目にリスタートが切られたが、大津選手は44周目に大きく順位を落としてしまい12番手を走行。
また、46周目の第2ヘアピンでスピンしてしまう。接触はなく、コースに復帰することができた。ペースは良く、50周目にはポイント圏内の10番手まで順位を戻した。さらに翌周には9番手までポジションを上げる。
前車のペナルティもあり、55周目には8番手に浮上。58周目に2回目のピットインを行った。ドライバー交代は行わず、大津選手が走行を継続。61周目に他車がコースアウト。再度、SCが導入される。この時点でポジションは10番手。車両の回収が終わり、67周目にリスタートが切られた。他車のルーティンのピットインもあり、5番手にポジションを戻したが、72周目にポジションをひとつ落としてしまう。
86周目に300クラスの車両がクラッシュ、FCYが導入、その後にSCに切り替わった。車両回収に時間がかかり、SC導入のままチェッカーフラッグが降られた。
アクシデントが多かったレースのなか、トラブルに巻き込まれることなく、6位でレースを終えることができた。残りの2レースで優勝を狙いたい。
●鈴木亜久里監督のコメント
「今回はFCYやSCが出てくる場面が多かったね。クルマのバランスは良くて、表彰台も狙えるようなペースだっただけに悔しい部分もある。でもとても難しいレースだったと思う。そういうレースに勝っていけるように、今回のレースをしっかり分析して、残りの2レースに生かしたいね」
●土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「大津も蓮も良く頑張った。ミスもあったけど、次のレースに向けて期待が持てるようなクルマに仕上がっていたんじゃないかな。結果は悔しいし、残念なところもあるけど、期待を持たせてくれるレースだった。次が楽しみだね」
●田中洋克チームディレクターのコメント
「ペースは良かったのですが、スピンもありポジションを落としてしまいました。そこから立て直してくれたのですが、順位を上げることは難しかったです。クルマは期待できる状態になってきているので、次のレースは何とか結果につなげたいですね」
●大津弘樹選手のコメント
「今回2スティント走ったのですが、FCYやSCが多く、とても難しいレースでした。自分は集中力を切らさないように走っていたつもりでしたが、ミスをしてしまい、順位をひとつ落としてしまいました。クルマは表彰台も狙えるほどバランスが良かったので、それをうまく活かせなかったのが残念ではありますが、残りの2レースに期待ができると思っています。まずは次のもてぎに気持ちを切り替えて、結果を残せるように準備を進めます」
●佐藤蓮選手のコメント
「決勝は6位で終了しました。序盤で1台抜いたのですが、前に着いて行くのがやっとでした。後半、SCが入ってからのペースがかなり良くて、ペース的に期待できると思っていたのですが、難しい部分もあり順位を上げることができませんでした。クルマのバランスも改善すべきところが見えてきたので、次回のもてぎへ向けて準備を進めて行きたいです」