更新日: 2024.11.02 21:36
LMcorsa 2024スーパーGT第8戦もてぎ 予選レポート
SGT2024 Rd.8 Motegi QF
LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT
またしても雨模様となった公式練習では好タイムをマークするが、予選Q1では一転して状況に合わず、決勝レースは20番手から追い上げる
本来ならAUTOBACS SUPER GT 2024SERIESの最終戦として開催される予定だった『MOTEGI GT 300km RACE』が11月2日(土)~3日(日)の2日間にわたって栃木県のモビリティリゾートもてぎで実施されている。
今季のスーパーGTはシーズンの折り返しとなった第5以降、悪天候に見舞われることが多く、8月末に開催予定だった鈴鹿サーキット戦は台風の影響によって12月7~8日に延期されている。そのため、今回のモビリティリゾートもてぎ大会が最終戦ではなくなった。
ここまで6戦を終了してトップ10内の入賞が3回となっているLMcorsaは、獲得できたのが4ポイントで、本来はもっと上位のリザルトを狙っていた。ただ、直近のオートポリスやスポーツランドSUGOでは、ウエットコンディションのなかで好調さを示していて、状況によってはマシンのパフォーマンスが出ているようだ。
さて、3戦連続で天候の影響を受けてきたスーパーGTだが、第8戦の公式練習と予選日となった2日も台風から変わった低気圧によって朝から雨模様となった。スーパーGTの公式練習が始まる前には併催カテゴリーの決勝レースが予定されていて、雨は降り続いていたもののスケジュール通りにスタートが切られた。
朝から雨量は変わらなかったがGTマシンの走行ができるという判断となり、公式練習は予定された9時にスタート。10時45分までの105分間にわたって行なわれることとなっていた。まずは、レインタイヤを履いて多くのGTマシンがコースインするが、すぐにGT300クラスのマシンがコース上に止まったために赤旗が提示される。
6分間の中断を経て公式練習は再開されるが、次第に雨量が強くなっていく。Syntium LMcorsa GR Supra GTには吉本大樹選手が乗り込み、マシンのチェックを兼ねて走行していく。計測4周目には2分01秒939をマークし、GT300クラスの27台中5番手のタイムとなる。その後はコースオフしたマシンの回収や雨量の増加によって4回のセッション中断を挟み、またしても荒天に翻弄されることとなった。難しいコンディションとなったなかでもSyntium LMcorsa GR Supra GTは好調さをみせ、周回は6ラップと少なかったが2分00秒109が自己ベストタイムで公式練習を5番手で終えた。
<気象データ>
気温:17℃、路面温度:19℃(予選Q1時)
<予選>
公式練習は終盤に雨量が増えたため赤旗の中断によって、そのまま終了した。天候の回復が見込まれず、その後のFCY(フルコースイエロー)テストもキャンセルとなったが、お昼を挟んで行なわれたピットウォーク時には雨が一時的に止み、多くの観客が各チームのピットを見学するとともにドライバーなどとの交流を楽しんだ。
GT300クラスの予選方式は第5戦から変更が加えられたが、延期やキャンセルなどの影響で実現していなかった。ただ、今回もウエットコンディションになったことによって、変更された合算タイムの予選方式は採用されず、20分間の予選Q1は27台が一斉に走りトップから14番手までが予選Q2のアッパークラス、15番手から27番手が予選Q2のロアクラスに進出。予選Q2のアッパークラスでベストタイムを記録したチームがポールポジションとなる。
ピットウォーク後には併催カテゴリーの決勝レースが実施され、ウエットコンディションながらも最後まで走り切った。そのため、スーパーGTの予選は予定された14時にスタートし、まずはGT300クラスの予選Q1が始まる。
Syntium LMcorsa GR Supra GTには河野駿佑選手が乗り込み、アウトラップでウォームアップすると計測1周目に2分5秒717をマーク。翌周はセクター3まで自己ベストタイムを更新したが、最終コーナーでマシンの挙動を乱してしまう。このタイミングで雨量が増えていったため、予選Q1はスタートから12分の時点で中断となった。
コンディションがわずかに回復したため14時35分に予選Q1は再開され、全車が再びアタックを開始。河野選手は計測7周目に2分3秒242のベストタイムをマークしたが、ライバル勢もタイムを伸ばしていて最終的には22番手。この結果により、残念ながら予選Q2はロアクラスでの走行となった。予選Q2は吉本選手が走り、計測4周目に2分1秒932のタイムをマークしてクラス6番手で、総合順位は20番手となった。
公式練習を終えた時点からは想像ができない予選結果となり、チームとしては首をかしげる部分もあった。明日の決勝レースは後方からのスタートとなるが、3戦連続でのポイント圏内を目指していく。
<飯田章監督>
「公式練習は雨量が多くなるタイミングもあって周回数としては少なかったのですが、そのなかでもドライバーはバランスが悪くないとコメントしていて、タイムもそれなりに残していたので予選には期待していました。ただ予選Q1では路面の状況と合わなかったのか、下位に沈んでしまいました」
「公式練習と雨量はそれほど変わっていない印象だったので、なぜタイムが伸びなかったのかを検証しないといけません。明日の決勝レースは300kmなのでそれほど戦略がないのですが、ドライバーとチームの頑張りでなんとかポイント圏内まで上がってもらいたいです」
<吉本大樹選手>
「公式練習は最初から乗って、途中の雨量が多かったときは走らなかったのですが、バランスは合っていました。ベストタイムはフロントタイヤのウォームアップが完全ではなかったので、周回を重ねればもう少し伸びたはずです。コンディションとマシンの状態が合っていたので、それほど調整はなく予選に臨みました。ただ、微妙な雨量の差なのか、タイムが伸びず予選Q1で下位となってしまいました」
「担当した予選Q2でも河野選手と同様のハイドロが起きてしまい、難しいアタックとなりました。明日は辛抱の決勝レースとなるかもしれませんが、一所懸命に走って最善の結果を持ち帰りたいです」
<河野駿佑選手>
公式練習は最後のGT300クラスの専有走行時に2周のみ走りました。吉本選手のコメントでは調子が悪くなさそうだったので、予選Q1は良いイメージで挑みました。ただ、コンディションのわずかな違いなのか、ハイドロが起きてしまいセッション中断前にスピンしてしまいました。予選Q1の再開後はニュータイヤでアタックしたのですが、最後はタイムが伸びませんでした」
「内圧の設定なのかニュータイヤの影響なのか分からないのですが、タイムが上がらず残念な予選の内容となってしまいました。決勝レースは着実に追い上げて、少しでも順位をアップさせられればと思っています」