更新日: 2024.11.03 21:44
Team LeMans 2024スーパーGT第8戦もてぎ 決勝レポート
2024 SUPER GT Rond 8, MOTEGI GT 300KM RACE
決勝レポート
攻めに攻めたVELOREX Ferrari、厳しいレース展開となるも、9位完走を果たす
11月2日(決勝)
モビリティリゾートもてぎで開催された2024 AUTOBACS SUPER GT Round 8『MOTEGI GT 300 KM RACE』は、前日の悪天候とは打って変わって快晴に恵まれた決勝レースとなりました。早朝から大勢のファンがサーキットに詰めかけ、サーキット周辺道路がかなりの渋滞となってしまい、スタッフやゲストの到着が遅れたチームもいくつかあるほどの状態でした。
午前中に開催されたサポートイベントのFIA-F4選手権も無事終わり、ピットウォークも大勢の観客が詰めかけてくれました。恒例のドライバーズアピアランスを終え、午前11時30分から10分間のウォームアップ走行が実施されました。
VELOREX(Team LeMans)の6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIは、まずはロベルト・メリ・ムンタン選手がステアリングを握り、決勝レースへ向けてドライ用新品タイヤの皮剥き作業をしつつ、ドライ用セットアップの確認をし、片山義章選手に交代。ピットでのタイヤ交換の練習を含め、決勝レースへ向けて着々と準備を進め、1分49秒910で10番手のタイムを記録し、昨日できなかったFCY(フルコース・イエロー)のシステムチェックを終えました。
午後1時、気温22℃、路面温度31℃という予想外に暖かいコンディションのなか、決勝レースがスタートしました。6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIは片山義章選手がステアリングを握り、グリッド7番手からのスタートです。セーフティカー先導のスタートは、交通機動隊のパレードランを含めた2周を終えた段階でセーフティカーがピットロードに向かい、グリーンフラッグが出されました。
スタートからアグレッシブな攻めのレースを魅せる片山義章選手は、1周目の90度コーナーのブレーキングで一気に2台をパスしようとアウト側から飛び込みますが、イン側のマシンと軽い接触をしてしまい、右側のバックミラーを飛ばすこととなりました。さらに勢いを止めきれずややオーバーランしてしまい、1周目を8番手で戻ってきました。
その後もフェラーリやランボルギーニを相手にアグレッシブなバトルを続け、4周目には7番手に浮上。6周目にストレートで停止した車両が出てFCYが出され、グリーンフラッグが出た直後にコースアウトした車両が出たために再びFCYが出されました。この2度目のFCYが解除された9周目、再スタートのタイミングが合わず10番手にドロップしてしまいましたが、再び1台を抜き返し、12周目には9番手でコントロールラインを通過しました。やや強引なオーバーテイク行為に関して、警告の黒白旗が出されましたが、ペナルティが課されることはありませんでした。
レースは19周目を過ぎたあたりから各車ピット作業を開始。6号車も8位を走行中の20周を終了した段階でピットに飛び込み、ロベルト・メリ・ムンタン選手に交代。気温23℃、路面温度31℃というコンディションの中、17番手でレースに復帰。ロベルト・メリ・ムンタン選手はフレッシュタイヤを装着し、後半スティントでの追い上げに挑みました。
23周目に15番手、25周目に12番手、28周目に11番手と着実に追い上げ、33周目には10番手に浮上。気温24℃、路面温度31℃というコンディションが、かなりタイヤに厳しく、ライバルたちの中でもタイヤ無交換作戦に出たチームにとっては裏目に出ました。
レースはその後、ロベルト・メリ・ムンタン選手もタイヤに苦しみながら9番手まで浮上したままポジションをキープし、後方から激しく攻め込んでくるライバルを最後まで抑え込みながらチェッカー。9位完走という結果に終わりました。
片山義章選手のコメント
「天候とタイヤのマッチングが合わなかったのが敗因でした。マシンのバランスは悪くなかったのですが、急にドライ路面でのレースになって、気温や路面温度と選んだタイヤが合わなかったせいか、予想以上に厳しいレースになってしまいました。スタート直後から激しいバトルが続いたのですが、少し止まり切れなくてコースオフしたり、相手を押し出すような形になってしまったことで黒白旗を出されたことは反省しています」
「2度目のFCYが出た際に、リスタートでの無線でのやり取りがうまくいかず出遅れてポジションをダウンしてしまったが悔しかったですが、なんとかポジションを挽回してロベルト・メリ・ムンタン選手にバトンタッチしました。悔しいレースになってしまいましたが、9位完走できたことは今日のマシンでは精一杯のリザルトだったと思います。最後の鈴鹿までには今回の課題と問題を解決し、絶対に勝って終わりたいと思っています」
ロベルト・メリ・ムンタン選手のコメント
「今日のマシンはバランスも良くなかったし、ペースも全然上がらなくて思った以上に厳しい戦いになりました。タイヤがどうとかいうレベルではなく、すべてにおいて残念な結果でした。かなり頑張って走りましたが、勝てるペースではありませんでした。エンジンも完璧ではなかったのかも知れません。次のレースまでにデータを解析してもらい、勝てるマシンで最終戦に臨みたいです。応援ありがとうございました」
小倉啓悟チーム監督のコメント
「ウエット路面でのバランスは良かったのですが、決勝のドライ路面でのセットアップが残念ながらドライバーの走りを支えてくれるものにはなってなかったですね。ペース的にも厳しく、勝てるレースではありませんでした。そんななかでも9位完走できたのは最善の結果だったのかも知れません。片山義章選手のFCYリスタートでのタイムロスは、無線があくまで補助であり、ディスプレイやフラッグでの確認が最優先であるということをもう一度確認しなおします」
「ロベルト・メリ・ムンタン選手もいつものようなペースではなく、タイヤとのマッチングが原因なのか、セットアップに問題があったのかを早急に確認して、次の最終レースまでに、どうにかせねばと思っています。今回は完敗でした。悔しいですが、次のレースに全てを賭ける所存です。応援ありがとうございました」