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投稿日: 2024.11.04 14:06

ホンダ/HRC 2024スーパーGT第8戦もてぎ レースレポート


スーパーGT | ホンダ/HRC 2024スーパーGT第8戦もてぎ レースレポート

Modulo CIVIC TYPE R-GTがポールポジション
ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8が2位表彰台を獲得

 11月2日(土)、3日(日)にモビリティリゾートもてぎ(栃木県)で2024年度スーパーGTシリーズ第8戦『MOTEGI GT 300km RACE』が開催され、GT500クラスに5台のCIVIC TYPE R-GT、GT300クラスに1台のNSX GT3が出走しました。本来の予定ではこのレースがシリーズ最終戦で、全車サクセスウエイト(SW)を下ろして戦うレースとなるはずでした。しかし、シリーズ第5戦が台風のため12月に順延され事実上のシリーズ最終戦となったため、今大会のもてぎでは全車SW半減措置が採られました。

 モビリティリゾートもてぎは週末に天候の悪化が予想されており、その予報どおり公式予選が行われる土曜日は朝から雨模様となりました。9時から公式練習が始まり各車コースインしましたが、降雨が続いて難しいコンディションでした。さらに雨脚が強まったためセッションは赤旗中断が繰り返され、10時35分の段階で打ち切られました。

 午後の公式予選もヘビーウエットコンディションで行われました。全車出走した予選Q1セッションでベストタイムを記録したのは、公式練習でもトップタイムを記録した64号車 Modulo CIVIC TYPE R-GTの大草りきでした。マシンを引き継いだ伊沢拓也もQ2セッションでタイムをまとめ、伊沢にとっては2021年第3戦鈴鹿以来、大草にとっては初めてのポールポジションを決めました。予選2番手には、Q2セッションで松下信治がトップタイムを記録した8号車 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下)が続き、CIVIC TYPE R-GTがフロントロウを独占しました。

 決勝日は一転して朝から晴天となり気温22℃、路面温度31℃というコンディションで、13時7分に決勝レースのスタートが切られました。

 ポールポジションからスタートした64号車(伊沢)は、6周目から始まったフルコースイエロー(FCY)が解除された直後、後方から加速してきた8号車(松下)にオーバーテイクされて後退しました。8号車(松下)はトップに立ったものの、8周目の途中で再び導入されたFCYが10周目の途中で解除された際、加速が鈍って64号車(伊沢)、36号車 au TOM’S GR Supra(坪井翔)に先行を許し、3番手に順位を落とします。

 ふたたびトップを奪還した64号車(伊沢)でしたが、思うようにペースが上げられず、11周目に36号車にオーバーテイクされると、18周目には後方から追い上げてきた38号車 KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明)にも抜かれて3番手となり、21周目には8号車(松下)にも先行を許しました。

 レース距離の1/3が経過した21周目に入ると、各車ドライバー交代のピットストップを実施します。ピット作業が終わった段階でトップは36号車、2番手が38号車、3番手が8号車(野尻)と続き、その後ろには6番グリッドからスタートした16号車 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(佐藤蓮)が浮上してきました。一方で、一時トップを走っていた64号車(大草)は、さらに順位を落としていきました。

 3番手を走る8号車(野尻)は着実にラップを刻み、前を走る38号車との間隔を縮めていきます。20周近くもテール・トゥ・ノーズの争いを続け、53周目にオーバーテイクを決めて2番手へ順位を上げました。しかし、その時点でトップの36号車との間隔は大きく開いていました。

 レース終盤に激しい追い上げをみせたのは、16号車(佐藤蓮)でした。38号車の後ろにつけてデッドヒートを繰り広げましたが、順位を入れ変えるには至らずチェッカーフラッグが振り下ろされました。8号車(野尻/松下)がCIVIC TYPE R-GT勢最上位の2位でレースを終え、表彰台に立ちました。4位には16号車(大津弘樹/佐藤)、6位に100号車 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)、10位に64号車(伊沢/大草)が入賞し、それぞれ選手権ポイントを獲得しました。

 その結果、ドライバーズランキングトップの36号車(坪井/山下健太)が74ポイントまで得点を伸ばし、18点差で100号車が2番手につけました。シリーズ最終戦の舞台となる鈴鹿では、この2チームに加えて38号車(石浦/大湯)、37号車Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)の4チームが、シリーズチャンピオンを争います。

STANLEY CIVIC TYPE R-GT
2024スーパーGT第8戦もてぎ STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)

佐伯昌浩

「コンディションに合ったタイヤを履いていた8号車が一度トップには立ちましたが、FCY明けに36号車に前へ出られてしまいました。このコースはオーバーテイクがしづらく、少しペースの悪いマシンにひっかかってしまうと前に出られない状態になります。ポールポジションを取って逃げきれればよかったのですが、一番それをやられてはいけない36号車に前に出られてしまったのが今回の敗因です」

「8号車はいったん3番手に下がりましたが、38号車を抜いて2番手に上がった後はトップと同等のペースで走れていただけに残念です。このレースの結果、100号車はギリギリでチャンピオン争いに残ったものの、ポイント差は大きく広がってしまいました。最後の鈴鹿ではポール・トゥ・ウインを目指し、後は他力に頼るしかありませんが、可能性にかけて頑張ります」

野尻智紀 ARTA

「松下選手が伊沢選手をパスしたところを見ていましたが、ギリギリの隙間を縫って入っていって、わぁすごいなと思い、自分のスティントに向けて気持ちがさらに燃え上がりました。その後多少のミスはあったかもしれませんが、3番手で帰ってきてくれたので、そこから自分のやるべきことをしっかりやってポジションを上げることにフォーカスして走りました」

「約20周にわたって大湯選手の後ろを走るかたちになり、こちらにも決め手がないなかで、少ないチャンスにパスできたのはよかったと思います。しかし、負けは負けですし、自分にももう少しできることがあったはずです。チーム全員で戦っている中、それぞれにできることがあるはずですので、 最終戦の鈴鹿に向けてもう一歩と言わず半歩だけでも前に進んで、優勝を目指し頑張ります」

松下信治 ARTA

「公式予選は雨になりましたが、マシンは非常にいい仕上がりでした。しかし、決勝はいきなり晴れたので、ドライで走れないまま決勝レースに向けてマシンをまとめなければなりませんでした。ただ野尻選手はマシン作りの面で本当に信頼できる人なので、彼にある程度バランスを取ってもらって自分のバランスとすり合わせ、それがうまくいってよかったです」

「1回目のFCY明けでトップに立ちましたが、2回目のFCY明けは自分のミスで解除するタイミングが遅れてしまい、やり返されてしまいました。今日のレースはそこに尽きると思います。ミスをしなければ自分のスティントで36号車を抑えきれたかどうかは分かりませんが、トップで野尻選手につなげられなかったことが本当に悔しくて申し訳ないです」

松下信治/野尻智紀(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8)
2024スーパーGT第8戦もてぎ 松下信治/野尻智紀(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8)


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