更新日: 2024.12.03 18:30
もてぎで表彰台を争った大湯都史樹と佐藤蓮。ふたりが振り返る白熱バトルと最終戦鈴鹿への学び
一方、0.1秒差で表彰台に届かない結果となった16号車ARTAの佐藤。マシンを降りるとガックリと肩を落としてチームの元へ戻っていく姿があった。
そこからしばらく時間が経って取材に行くと「抜けませんでした!」と笑みを交えながら開口一番に発したものの、あのバトルを制することができなかった悔しさは大きかった様子だ。
「8号車と同じくらいのペースで走れていて、38号車がピックアップで苦しみ始めたところでバトルになりました。そこでアプローチをするもなかなか前に出ることができず、抑え切られてしまいました」と佐藤。38号車KeePerに追いついてからは、自分たちにアドバンテージがあることはすぐに見抜いていたという。
「全体的にブレーキングでこちらに分があるようでした。(もてぎは)1コーナー、3コーナーなどハードブレーキングをするコーナーが多いサーキットなので、常にそこで追いつくという展開でした。トラクションもこちらの方が良かったので、そういったマージンがあったので近い距離で走ることができていました」
そのなかで、何度も公式映像に映し出された“3コーナーでの攻略”を念頭に組み立てていったと語る。
「抜けるポイントとしては3コーナーしかなかったです。1、2コーナーもこちらが速かったので、そこで顔を覗かせて相手の加速を鈍らせてみました。3コーナーに向けて外からいったり、内側からいったりいろいろなアプローチは試みたのですけど……ちょっとチャンスを掴みきれませんでした」
残り5周で一瞬前に出たときについても「あそこでもう少し止まることができれば、クロスを取られないラインで立ち上がることができたのですが、止まりきれなかったです」と佐藤。
その後も2コーナーでは縁石外側のターマックゾーンに飛び出しながら大湯に食らいつくシーンが見られ、それをピットで見守っていた相方の大津弘樹は「スーパーフォーミュラでリアム(・ローソン)が回ったときのことを思い出して『ヤバい! 飛ぶんじゃないか?』とヒヤヒヤしながら見ていましたよ……」と隣で本音を漏らしていた。
佐藤にとってもてぎは悔しい結果になったが「学びが多い一戦だったので、これを活かして最終戦でまた頑張りたいと思います」と前を向いていた。
いよいよ12月7〜8日の鈴鹿で最終戦を迎える2024年のスーパーGT。GT500クラスは全車ノーウエイトでのレースとなるだけに、もてぎでの大湯と佐藤のようなバトルが随所で繰り広げられるはず。最終戦で笑うのは一体誰になるのか、誰も経験したことのない12月の最終決戦は今週末に迫っている。