陽が傾き始めた14時48分開始のQ2は、セッション開始から37号車Deloitteのジュリアーノ・アレジ、24号車リアライズ松田次生が先行。王者auの坪井も早めの動き出しで5番目にガレージを離れることに。そこから少し間を開け、残り10分を切ったところで各車が一斉に傾れ込んでいく。
さらに2分ほどを待って64号車Modulo、100号車STANLEYがピットを離れるも、最後の1台となる23号車MOTUL AUTECH Zの千代勝正はさらにウエイティング。残り6分を切ったところでようやくのトラックインとなった。
ここでまずは最初のアタックに向かっていた12号車MARELLI IMPUL Zの平峰一貴に悲運が待ち受ける。
アンダーフロアから火花を散らし、セクターベストを更新する力走も虚しく、前方でバックオフを図ろうとしていた14号車ENEOS X PRIME GR Supraの動きに乱されたか。シケインのブレーキング時に姿勢を乱し、まさかのスピンを喫してしまう(のちに審議対象に)。
そんな展開を横目に、各車とも入念なウォーミングアップでの一発勝負に賭ける動きを見せ、最後のチェッカーラップでベスト更新合戦の様相になると、12号車MARELLI IMPULの背後で計測5周目のアタックを進めていた8号車ARTA野尻智紀が1分44秒894を計時。それをわずか計測2周目の23号車千代が1分43秒734で破っていく。
しかし主役を奪ったのは、先のシケインで充分な前方スペースを稼いでいた14号車ENEOS X PRIMEの福住仁嶺で、自身計測5周目だったチェッカーラップで1分43秒143と、Q1トップタイムをコンマ5秒近く削り取る驚異的なタイムを叩き出す。
そして今季ここまで接触トラブルなど、レース展開に苦しめられた17号車Astemoの太田格之進も、1分43秒220と追い縋ったもののわずかに届かず。
これで勝負は決した空気のなか、計測6周目の”大トリ”でアタックを進めていた36号車auの坪井が、1分43秒271とQ2セッション3番手タイムを記録。その時点で合算ポールポジションが成立し、タイトルを争うライバルが予選でノーポイントに終わったため、チャンピオンが決定することになった。
予選直後のテレビインタビューでは「見ている人はつまらないと思うのですけど」(山下)、「空気読めなくてすみません」(坪井)と、苦笑いで話すドライバーたち。その後方から、36号車auの吉武聡エンジニアが縁起だるまを持って割って入るシーンも見られ、36号車のガレージではすでに祝勝ムードとなった。
その36号車auとランキング上ではもっとも近い位置にいた100号車STANLEYは、合算タイムで2番手となった17号車Astemoや同14号車ENEOS、そしてQ1トップ通過の24号車リアライズに次ぐ5番手で予選を終えている。
