スーパーGT第5戦鈴鹿、＃12 MARELLI IMPUL Zが3位表彰台を獲得
2024年シーズン最終戦となるスーパーGTシリーズ第5戦が鈴鹿サーキットで開催されました。予選のアタックラップで前を阻まれ15番手スタートとなった＃12 MARELLI IMPUL Z（平峰一貴／ベルトラン・バゲット）が、アグレッシブかつ安定した走行で順位を上げ、3位表彰台を獲得。7番手スタートの＃3 Niterra MOTUL Z（高星明誠／三宅淳詞）は、レース後半トップ争いを展開するも痛恨のスピンを喫し7位でフィニッシュしました。＃23 MOTUL AUTECH Z（千代勝正／ロニー・クインタレッリ）が8位となり、3台のニッサンZニスモGT500が入賞を果たしました。
第5戦鈴鹿が台風の影響で延期され、今回は実質最終戦ながら第5戦として開催されました。シリーズ最終戦は全車サクセスウエイトなしの白熱した勝負が期待されます。一方で、これまで経験のない12月開催で、低温コンディションへの対応がポイントとなりました。ニッサンZニスモGT500勢はランキング5位の＃3 Z、ランキング8位の＃23 Zが有終の美を飾るべく、勝利を目指しました。また、＃23 Zをドライブするクインタレッリは、このレースに先立ち、今シーズン限りでGT500での活動終了を発表。4度のチャンピオンに輝いたニスモ陣営のエースドライバー最後のレースに注目が集まりました。
GT500
Q1で＃24 Z名取がトップタイムを刻み、予選4位の好位置を獲得
予選
12月7日（土）、時折強い風が吹き寒さを感じる気候のなか、予選が行われました。コンディションを考慮し、通常10分間の予選は15分間に延長され、午後1時30分からQ1が、午後2時48分からQ2がスタート。Q1開始時の気温は14度、路面温度は24度でした。
Q1が開始され、各車タイヤのウォームアップを念入りに行う展開となります。それでもグリップがなかなか得られない状況のなか、＃24 リアライズコーポレーションADVAN Z （松田次生／名取鉄平）の名取が3周目にスピンを喫するなど、難しいコンディションでした。
しかし名取はスピンの後に立て直し、6周目に1分43秒670のトップタイムをマークしました。タイヤのウォームアップとトラフィックの影響もあり、＃12 Zのバゲットは11番手、＃3 Zの高星は14番手、＃23 Zのクインタレッリは15番手とタイムを伸ばせずQ1は終了しました。
Q2でも難しいコンディションは変わらず、なかなかタイムが伸びない状況のなか、＃3 Zの三宅が5周目に4番手タイムをマークし、タイム合算による順位を押し上げます。＃12 Zの平峰は4周目にアタックを行い、ハイペースでラップを刻み好タイムが期待されましたが、最終シケインで前車に道を塞がれそれを避けてスピンを喫し、アタックは不発に終わりました。Q2が終了し、合算タイムでの予選順位は、＃24 Zが4位、＃3 Zが8位、＃23 Zが11位、＃12 Zが15位となりました。
15番手スタートの＃12 MARELLI IMPUL Zが着実に順位を上げ3位
トップに迫った＃3 Zは痛恨のスピンで7位に
決勝
8日（日）、朝から好天に恵まれたものの、冬らしい寒さのなか決勝レースが行われました。フォーメーションラップが始まる12時50分は気温10度、路面温度14度のコンディションとなりました。予選上位車がペナルティでグリッド降格となり、＃24 Zは3番手、＃3 Zは7番手スタートに繰り上がっています。コンディションを考慮し3周にわたるフォーメーションラップの後、300kmのレースがスタート。
3番手スタートの＃24 Zは、タイヤのウォームアップが足りず1周目に15番手までポジションを落としました。序盤の混乱のなかZ勢はポジションを上げることに成功し、5周目には＃3 Zの高星が6番手、＃23 Zのクインタレッリが7番手、＃12 Zのバゲットが10番手を走行。さらに順位を上げるべく前車に迫る展開となります。
ペースを取り戻した＃24 Zは4周目に全体のファステストラップをマーク、8周目には10番手まで挽回しています。接近した5番手争いを展開していた＃3 Zは9周目の1コーナーでオーバーテイクを決めて5番手に。10周目には先行車がアクシデントで後退し4番手となり、16周目にはシケインの進入で前車をパスし、3番手まで浮上しました。
レース3分の1を終え、GT500クラスはピットインが始まりました。9番手を走行していた＃12 Zが17周を終えてピットイン。ドライバーは平峰に交替しました。翌周、GT500クラスラストランのクインタレッリが気迫のこもった走りで5番手まで順位を押し上げた＃23 Zと、＃3 Zが同時にピットインします。ピットインを引き延ばしGT500クラスの最後に＃24 Zが20周を終えてピットインし、GT500クラスは全車がピットインを終えました。
21周目の順位は、＃3 Zの三宅が2番手、＃12 Zの平峰が5番手、＃23 Zの千代が6番手、＃24 Zの松田が10番手と、Z勢は全車入賞圏内にポジションを上げて、レース後半に入りました。ハイペースでトップに迫る＃3 Zは、24周目にその差1秒以内となりオーバーテイクのチャンスを伺います。29周目、メインストレートでトップに並び、1コーナーの進入では前に出るも、オーバースピードでインから抜き返され首位奪取は果たせませんでした。
その後もトップの背後に迫った＃3 Zですが、31周目にトラブル車両により出されたフルコースイエロー（FCY）が32周目に解除になった瞬間、アクセルオンと同時にデグナーコーナーでスピンを喫し、6番手までポジションを落としてしまいました。
5番手走行の＃12 Zは、32周目に4番手に上がるとペースを上げて前車に迫り、41周目のシケインでアウト側からオーバーテイクを決めて3番手に上昇しました。残り10周を着実に走り切った＃12 Zは3位でフィニッシュ。＃3 Zは7位、＃23 Zは8位となりました。終盤、10番手走行の＃24 Zは44周を終え緊急ピットインし、15位で完走しました。
シリーズ全8戦が終了し、＃3 Zはランキング3位に、＃12 Zは6位になりました。ニッサン／ニスモ陣営は、来シーズンのチャンピオン奪還を目指してこれからも全力を尽くします。
平峰一貴選手（＃12 MARELLI IMPUL Z）
「今日はスタートからバゲット選手がたくさん抜いてきてくれました。僕のスティントでもセットアップとチームが選択したタイヤが良く、あちこちでクルマを抜くことができ、とても良かったと思っています。今までTEAM IMPULを支えてきてくれたカルソニックさんとマレリさんにとっては最後のレースでしたが、締めくくりとして表彰台に上れたというのは、ちょっとホッとした気持ちもあり、安心もしました。ファンの皆さんとマレリの皆さんに感謝しています」
ベルトラン・バゲット選手（＃12 MARELLI IMPUL Z）
「最初のスティントはかなり良かったと思います。特に最初の数ラップで、明らかにタイヤが冷えて苦戦していたライバルを何台もオーバーテイクすることができました。しかしFCYの後ではタイヤの温度を戻すのに苦戦してしまったので、早めに平峰選手に交替する戦略に切り替えましたが、それもうまくいきました。平峰選手も安定していてライバルをオーバーテイクし、表彰台でフィニッシュできました。今回が最後となるマレリに向けて、本当にいいはなむけとなりましたし、いい形でシーズンを終えることができたと思います。今シーズンも応援、ありがとうございました」
木賀新一 ニッサン系チーム総監督
「今シーズンは、さまざまな課題に対して試行錯誤を繰り返してレースを戦ってきました。良かったことも、新たな課題もあり、なかなか結果につながらないこともありましたが、これらの努力とデータ、そして経験は必ず今後に向けて価値のあるものになると思います。それらを活かし、来シーズンもチャンピオン奪還に向けて全力を尽くします。ファンの皆様には、熱烈な応援をいただき本当にありがとうございました。その声援にお応えできるよう日産全チームが一丸となって頑張りますので、引き続き応援をよろしくお願いいたします」
GT300
GT300クラスには4台のニッサンGT-RニスモGT3と、1台のGTA-GT300規則のフェアレディZが参戦しました。予選7番手からスタートした＃11 GAINER TANAX Z（富田竜一郎／石川京侍／大木一輝）が今季3度目の入賞となる8位でフィニッシュしました。
