2024 SUPER GT RACE REPORT
2024 AUTOBACS SUPER GT Round5『SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL』が、12月7日(土)~8日(日)に三重県の鈴鹿サーキットで行われた。ランキング首位で最終戦を迎えた#36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)は、予選で今季2度目のポールポジションを獲得すると、決勝レースでも堅実な走りでトップを守り抜いて今季3勝目をマーク。2年連続となるGT500クラスチャンピオンに輝いた。
ポール・トゥ・ウインで昨年同様シーズン3勝を記録
2年連続でチャンピオンに輝く!
予選1番手
決勝1位
ドライバーズランキング1位 97ポイント
チームランキング1位 114ポイント
予選Q1 山下:P3/1分43秒737
予選Q2 坪井:P3/1分43秒271
決勝ファステストラップタイム 坪井:1分47秒741/山下:1分49秒068
確実な走りを披露し今季2度目の予選PP。決勝レースを待たずしてチャンピオンが決定!
天候:晴れ 気温:14℃ 路面温度:24℃
この鈴鹿大会は8月末に予定されていたが、台風接近に伴う影響を考慮して12月に延期。シーズン最終戦の舞台となった。前戦のもてぎ大会を終えて、36号車の坪井と山下はライバルに対して18ポイントをリード。結果次第では予選でチャンピオンが決まる状況で最終戦に望んだ。
朝の公式練習では4番手と上位につけると、予選に向けて微調整を行い、まずは山下がQ1のタイムアタックを担当した。ポールポジションを狙いながらも、確実にタイムを記録することを意識して、1分43秒737で3番手につけた。続くQ2は坪井が担当し、こちらも確実性を重視した走行を披露。
最後に1分43秒271を記録して3番手となったが、ふたりの合算タイムでは3分27秒008でライバルを0.2秒以上、上回り、今季2度目のポールポジションを獲得し予選ポイントの3ポイントを追加した。
さらにシリーズランキングを争うライバルが4番手になったことでポイント差が広がり、36号車は決勝を待たずに2024年のチャンピオンを獲得した。坪井とチームとしては2年連続となり、坪井はスーパーフォーミュラと併せ国内トップカテゴリー二冠達成の快挙を成し遂げた。
●ドライバー 坪井翔
「スーパーGTは最後まで何があるかわからないので、予選でチャンピオンを決めたいと思っていました。山下選手同様に攻めきったというアタックではなく無難にいったところはありましたが、ポールポジションを獲ることができて良かったです」
●ドライバー 山下健太
「チャンピオンがかかっている予選だったので、120%のアタックというよりも走路外走行でタイムが抹消にならないように気をつけて走りました。少しミスもあって微妙なアタックにはなりましたが、3番手タイムということで最低限のことはできました」
●チーム監督 伊藤大輔
「公式練習のタイムを見るとポールポジションは厳しいと思っていましたが、ふたりからのコメントをうまく車に反映して、合算タイムでトップに立つことができました。予選でチャンピオンを決めることができて本当に良かったです。決勝も優勝してもう一度喜べるレースにしたいです」
●レースエンジニア 吉武聡
「ふたりのコメントから焦っているような感じがあったので、おそらくプレッシャーを感じていたのだと思います。とはいえ、やることはいつもと同じなので落ち着いていけば大丈夫だと思っていました。確実性を重視したアタックでしたがポールが獲れて良かったです」
山下が粘りの走りでトップを守り切り、今季3勝目を記録。王座獲得に華を添える
天候:晴れ 気温:13℃ 路面温度:19℃
今回は300kmレースとなり51周で争われた決勝レース。ポールポジションの36号車は坪井がスタートを担当した。寒いコンディションのなかでタイヤを温めるのに苦戦しながらも、着々と後続との差を広げていった。
ライバルが早めにピットインしたのを見て、36号車も18周目にピットストップを行い、山下に交代。首位を守ることはできたが後方からライバルが勢いよく追いかけてくる状況で、防戦一方の展開となった。一時は追い抜きを仕掛けられる場面もあったが、山下が冷静に対応して首位を維持。31周目にトラブル車両の発生でフルコースイエロー(FCY)になった際もリスタート後に逆転を許さないように気を配りながらの走行を続けた。
終盤には別のライバルが接近して最終ラップまで僅差の戦いが続いたが、山下はしっかりとトップを守り切ってチェッカーを受け、今シーズン3勝目を挙げた。前日の段階でシリーズチャンピオンを決めていたが、全車がサクセスウエイトを積んでいないイコールコンディションで行われた最終戦もポール・トゥ・ウインで締めくくり、36号車の速さと強さを証明した。
●ドライバー 坪井翔
「今回は寒いコンディションだったので、タイヤのウォームアップが大きなカギになると思っていました。序盤は思った以上に後続を引き離すことができて、いつもの独走パターンに持ち込めたのが良かったです」
●ドライバー 山下健太
「坪井選手とは違うタイヤを履いて後半に臨みましたが、安定はしているけど抜群に速いというわけではありませんでした。ライバルに追い詰められましたが、相手のミスに助けられたところはあります。予選でチャンピオンを決められたので、比較的、楽な気持ちで戦うことができました」
●レースエンジニア 吉武聡
「決勝に関しては全体的に苦しかったです。今回36号車が選んだタイヤが全体的に硬めだったので、途中でFCYが入ると周りとの差が縮まる傾向にあったと思います。FCYが入らなければ、もう少し楽な展開になっていたかもしれません」
●チーム監督 伊藤大輔
「ピットインのタイミングはライバルの動向をみて対応しました。その結果、山下選手のスティントが長くなりました。気温と路面温度が下がっていくなかで、タイヤのパフォーマンスも未知数な部分はありましたが、しっかり抑えきってくれました」
●チームオーナー 舘信秀
「今週末の36号車は本当に完璧でした。可能性があったとは言っても、まさか予選で決めてくれるとは思いませんでした。決勝では途中ハラハラするような展開もありましたが、苦しい場面でもしっかり耐えて優勝してくれたのは嬉しいですし、応援してくれる皆さんも喜んでくれたので良かったです。TOM’Sの50周年という節目のシーズンで、素晴らしい活躍を見せてくれました。本当に良い年になりました」
「今年もたくさんのご支援・ご声援をいただき、ありがとうございました! 2025年もさらなるご支援、ご声援をお願い申し上げます」