LEXUS TEAM ZENT CERUMO スーパーGT第2戦富士 決勝レポート
1回目のピット作業終了後、2番手に浮上してきたのは#1 LC500。ただ石浦の方がペースは勝っており、逆に#1 LC500は2番手争いを演じていくことになる。その間石浦は、40周目には6秒、50周目には10秒とその差を広げていった。
石浦は74周をきっちりと走りきり、ZENT CERUMO LC500をピットに戻す。ふたたびステアリングを任された立川は48.6秒の静止時間でピットアウトすると、2番手に浮上してきた#6 LC500との差が10秒以上あることを確認。トップを守るべくZENT CERUMO LC500を労ることに切り替えた。高いペースは保ちながらも、無用なトラブルを避ける作戦だ。
終盤、2番手の#6 LC500が若干その差を詰めてきたが、立川のコントロール範囲内。最後までZENT CERUMO LC500は抜群のフィーリングを保ったまま、110周の長丁場を走りきりトップでチェッカー! LEXUS TEAM ZENT CERUMOにとって、立川と石浦にとって、そしてレクサスにとって宿願だったホームコースである富士スピードウェイでの勝利をふたたび掴み取った。
これで立川は、GT500クラスの通算最多勝タイとなる18勝目をマーク。記念すべき勝利をホームの富士で飾った。また、この日はGT300クラスで、スーパーフォーミュラでタッグを組むINGINGが走らせる#51 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3が優勝。LEXUS TEAM ZENT CERUMOにとっては、二重の喜びとなった。
次戦の舞台は、5月20〜21日に開催されるオートポリスでのレース。LEXUS TEAM ZENT CERUMOはタイヤテストですでに走行しており、優位な立場にある。とは言えこの富士での勝利は、さらなる悲願であるチャンピオン奪回に向けた第一歩。チームは浮かれることなく、次戦も上位フィニッシュを狙っていく。
ドライバー/立川祐路
「この富士で速い、強いクルマを作ってくれたTRD、そして今週末クルマを完璧に仕上げてくれ、トラブルやピット作業のミスなくこなしてくれたチームに感謝しています。スタートでは、できるだけリードを築きたい思いもあったのですが、まわりのレクサス勢とも僅差で、大変なレースでした。周回遅れが出てからはうまく処理していくことに専念して石浦選手に交代しましたが、石浦選手もがんばってくれて、10秒以上のマージンを築いてくれました。最後のスティントは確実にゴールに運ぶだけでしたね。嬉しいです」
ドライバー/石浦宏明
「スタート直後、立川選手が走っているタイムを見ていながら、『そう簡単には勝つことはできないな』と思っていました。ポイントになるのは第2スティントを担当する自分のアウトラップだと思っていたので、ウォームアップ走行のときからコールドタイヤで練習させてもらいましたし、その成果もあって納得いくアウトラップができました。そこからは落ち着いて、立川選手になるべくリードを築いて渡したいという気持ちで自分の走りに集中していました。今回、期待していただいていたのは感じていたので、前戦失敗した部分を今回に繋げ、意気込みを結果に繋げられたのが嬉しいです。開発をしてくれた立川選手、チームのおかげだと思います」
浜島裕英監督
「今日はドライバーふたりがしっかりと走ってくれて、ピット作業もきっちりできたレースでしたね。もちろんいいクルマであることが基本の条件でしたが、レクサス勢のなかでも接戦だったので、これからも油断しないようにやっていかなければなりません。前戦は数秒のところでチャンスを逃しましたが、今回優勝を飾ったことで、みんながきっちり仕事をすればいい結果を残すことができるという力を証明できたのだと思います」