エースとしての自覚は、大きな責任感を伴いながらも、着実に彼の内面的な成長をうながしているようです。朝のフリー走行では、まず関口雄飛がベースのセットアップを煮詰め、タイヤ選定の作業をこなしていきました。
少しでもルーキー山下選手に走行時間を多く与えたい為、ひとつひとつの判断を素早く的確に進める関口雄飛は、ピットイン&ピットアウトを繰り返し、予定どおりのプログラムをこなしてドライバー交代。山下健太選手のサポートにまわります。
ドライバー交代のシミュレーションに戸惑うなど、やや不安な要素があったことは否めませんが、まずは予選に集中しました。
午後3時からの予選では、残り時間が10分15秒のタイミングで真っ先にコースインした19号車、ドライバーは関口雄飛です。残り4分を切ったあたりで各車が1分30秒台へと突入開始。
関口雄飛は残り3分を切ったところで暫定2位の1分28秒622をマーク。続いてラストアタックで1分28秒474を叩きだし、予選Q1を4位で終えました。
15時45分から開始された予選Q2では、山下健太選手が緊張の面持ちながらも落ち着いた走りで1分28秒692で暫定トップタイムをマークし、最終的に1分28秒537と、関口雄飛に迫るタイムをマークし、3列目6番手グリッドを手に入れました。
関口雄飛も「この短い時間でここまでまとめあげた彼には100点満点をあげたいね」とチームメイトを絶賛しました。
決勝当日、サーキットには5万8000人ものファンが詰めかけました。前日の観客動員数が3万4100人と主催者発表がありましたが、どこもかしこも渋滞や混雑で、スーパーGTの人気の高さを物語っていました。
今回のレースは500Kmの長丁場で、2回のピット作業が義務付けられています(ドライバー交代を含む)。決勝スタートは午後2時10分ということもあり、大混雑や渋滞もひと段落し、すべてのファンがスーパーGT決勝スタートの瞬間を心待ちに、思い思いの時間を過ごしていました。