片山義章が岡山テストに続き、雨の富士でもトップタイム!
新たなチーム、VELOREX(ヴェロレックス)としてSUPER GTに参戦する片山義章とロベルト・メリ・ムンタンは、3月29日~30日に静岡県・富士スピードウェイで開催されている『スーパーGT富士公式テスト』の初日を、まずはトップタイムで締めくくった。
UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIで2年目の参戦となる今シーズン、先日、3月15日~16日に開催された『スーパーGT岡山公式テスト』でもウエットコンディションでトップタイムをマークしたVELOREXは、前回の好調ぶりを維持し、またしてもウエットコンディションとなった『スーパーGT富士公式テスト』初日午後のセッション2、GT300クラス専有走行において、最後に片山が1分44秒115をマークし、初日トップの座を奪った。
富士スピードウェイは朝から雨が降り、10時から1時間30分で実施されたセッション1は、気温11度、路面温度11度という悪コンディションでのスタートとなった。多くのマシンが一旦コースインしてそのままピットに戻りコンディションの好転を待ったが、雨はむしろ強まり始め、6号車も合計7周をこなし、4番手タイムとなる1分48秒396を6周目にマークした段階でピットに戻った。
実はこの時、装着したセンサー系に不具合が発生しており、その修復に時間を要することもあって、小倉啓悟チーム監督は午後のセッション2に向けて万全の体制を整えることをスタッフに指示した。
14時にスタートしたセッション2では、気温、路面温度ともに10度とさらに寒さがつのるコンディションとなり、セッション終盤には気温6.5度、路面温度7度というタイヤにとって厳しい状況となった。
雨量が増えたり減ったりと変化するなか、積極的に走り込むメリ・ムンタンがまずはトップタイムをマーク。しかしライバルに逆転されたタイミングで赤旗中断となり、片山がステアリングを握ってラストアタックを開始。コンディションが好転した瞬間を見逃さず、見事最終アタックで1分44秒115を33周目にマーク。2番手以下に0秒441の差をつける見事な走りを見せ、岡山公式テストに続くトップタイムで公式テスト初日を終えた。
●片山義章のコメント
「雨のなかでのトップタイムはドライバーとしても嬉しいですし、チームとしても士気が上がります。マシンの感触が良かったという意味でも、チームが素晴らしい仕事をしてくれたと思います。岡山でも雨のなかでトップタイムだったので、富士でもトップタイムを出したいと思っていたのですが、最後にトップタイムをマークできたので、本当に良かったです。明日がドライコンディションになってくれたら、全力で走って、良いテストに出来るように頑張りたいと思います」
●ロベルト・メリ・ムンタンのコメント
「自分は雨が得意なほうですが、今日の激しい雨量では少し怖い場面もありましたが、楽しめました。マシンのバランスはとても良いですし、それ以上にヨコハマタイヤの進化が大きいです。去年は雨になるとライバルのタイヤメーカーに大きな差をつけられたものですが、今年はヘビーレインでも少な目の雨でもタイヤはしっかり機能してくれますし、我々はどんなコンディションでもコンペティティブだという自信があります。開幕戦が待ち遠しいです」
●小倉啓悟監督のコメント
「今日は天気も路面コンディションも悪すぎたうえに、午前中はマシンのトラブルもあったので、しっかりと午後に向けて準備をすることにしました。雨のなかで岡山に続いてトップタイムをマークできたのは良かったです。片山義章選手もロベルト・メリ・ムンタン選手も雨のなかは良いタイムをコンスタントに出せていましたし、とくに片山義章選手がこのところ雨のなかで乗れていて、非常に頼もしいです。ただ富士でのレースは5月なので、基本的にはこんなに気温も路面温度も低いはずがなく、データを収集するというよりは、明日はしっかり走り込むということがテーマです」
●古場博之エントラント代表のコメント
「今年はチームとして悲願のホームグラウンド、岡山での優勝を目指して、しっかりと準備を整えています。去年までは車両を変えたり、体制を変えたりと開幕戦に向けての準備が整っていませんでしたが、今年は違います。ふたりのドライバーもオフの間にしっかりとフィジカルもドライビングもトレーニングを積んで準備が整ってきているし、去年、雨が多かったおかげでタイヤの使い方がわかってきました。タイヤメーカーさんも我々の要望に耳を傾けて開発してくれていますし、我々もタイヤを理解し、タイヤに合わせたセットアップができるようになりました。そういった意味で明日のテストは富士戦へのテストというより、今シーズンを戦う為のテストというとらえ方をしています」