#30 TOYOTA PRIUS apr GT スーパーGT第2戦富士 レースレポート
決勝レース(110周)5月4日(木・祝)14:10〜
今回も決勝日の走り始めは午後から、スタート進行の開始と同時に行われる20分間のウォームアップ走行からとなった。スタート担当の佐々木選手はコースオープンと同時に飛び出し、最初は優しく、しかし不安要素のないことが確認できてからは、一気に「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」に鞭をくれる。そして、1分40秒234を記してスピードを確認した後、ピットに戻ってドライバー交代の練習も兼ねて永井選手へとチェンジ。永井選手も1分40秒347を出して、最終確認を完了する。
全車グリッドに並べられた後、グリッドウォークには数多くの観客が集まるも、それでもスタンドを見渡せば超満員。いかに天候に恵まれたゴールデンウィークとはいえ、今さらながらにスーパーGTの高い人気を感じさせることとなった。
静岡県警の白バイ、パトカーの先導によるパレードランを1周行なった後、フォーメイションラップがスタート。ブレーキとタイヤにしっかり熱を入れ、佐々木選手は万全を期す。そしてレッドシグナルがグリーンシグナルに変わったところで右足にぎゅっと力を込め、「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」が加速していく。佐々木選手はオープニングラップのうちにひとつポジションを上げ、3周目にはもう1台。6周目には21番手に浮上する。さらに10周目には先行車両の相次ぐ後退もあって、19番手へ。しばらく連なって走っていた「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」をも、20周目にかわして18番手に浮上するそして40分を経過してまもなく、24周目に永井選手に交代。1周早くピットに入り、タイヤ無交換だった「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」の背後で戻れたことから、ロスを最小限にできたのは明らかで7番手にジャンプアップ。このポジションをキープできれば入賞も確実と思ったさなか、わずか13周後の37周目にピットイン。予定外であるのは間違いなく、永井選手が乗ったままメカニックたちが修復を試みる。原因はステアリング系のトラブル。いったんピットを離れるも、その2周後に再び戻らざるを得ず、そこからは無情にも時間が経過していく。
これで「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」に勝負権は完全に失われてしまうも、完全に修復なってからは永井選手も佐々木選手も少しも諦めることなく、チェッカー目指して走り続けた。残された結果はトップから20周遅れの26位だったが、規定周回を満たしていたこともあって完走扱いに。今回稼ぐことのできたデータが、今後に活かされることを大いに期待したい。
永井宏明選手
「クルマのトラブルで思ったように走れなくて……。何度もピットインしなくてはならなくなってしまったので、残念でした。とはいえ、なんとか完走できたので、次に向けてもう一回、仕切り直しで頑張ります」
佐々木孝太選手
「決勝でトラブルが出たり、ずっと完全な状態じゃなかったりした中でのレースウィークだったのでね……。でも走った中でいろいろ確認ができたことは、今後に活かしていきたい。まずはトラブルが出ない車両にしてもらいます。その中でライフを稼いで、より強いクルマを作っていきたいです」
金曽裕人監督
「入賞圏内走行中に想定外のステアリング系トラブルに見舞われてしまいました。トラブルに関しては我々のミス。それがなければ、ドライバー二人のペースはすごく良かったし、タイヤに優しいクルマなので、長距離レースではいい勝負ができたはず。ペース的にも31号車よりよかったし、永井選手も孝太もいい感じで走っていただけに、トラブルが出なければ入賞確実のレースでした。当たり前のことですが次のレースは絶対にノートラブル。そこは絶対です」