スーパーGT第1戦
OKAYAMA GT 300KM RACE
岡山国際サーキット
予選:4月12日
天候:曇り
コース状況:ドライ
予選:22番手
2025年スーパーGTシリーズは曇天の岡山国際サーキットで開幕した。今季INGINGのチーム体制は加藤寛規監督、堤優威、平良響の両ドライバーに19歳の卜部和久を加えた布陣で臨むことになった。また洗車専用の浄水ユニット『ハイパーウォーター』を開発・製造する株式会社マーフィードのスポンサーを受けマシンカラーも大幅に変更しマットブラックとなった。なお開幕戦はレース距離も短くドライバーは堤と平良の2名でエントリーしている。
今季の車両はGT300車両(旧JAF-GT)車両の規定変更により、フロントタイヤの直径とリム幅が小さくなり速度抑制が図られた。岡山大会は昨年フロントロウスタートから優勝を果たしており、今年も活躍の期待値が高いイベント。しかし3月の岡山と富士で行われたGT合同テストは天候に恵まれずまた気温/路面温度も低く、岡山では初日にクラッシュを喫すなど満足なテストメニューをこなすことができていなかった。
天候は晴れ、気温15℃、路面温度23℃というドライコンディションのなか、サーキットはもちろん周辺では満開の桜が目にも優しいコンディションの9時半に公式練習が始まった。このセッションでは堤が15周、平良が22周してセッティングを変更しながら車両の動きをチェックしていたが、満足な内容を得られないまま終了。予選に不安を残したことから、セッティングを大幅に見直したものでアタックすることとなった。
薄い雲がサーキットを覆い気温23℃、路面温度31℃の14時丁度に公式予選がスタート。予選方式は昨年の2名のドライバーのベストタイム合算で争うというスタイルを見直し、一昨年までのスタイルに戻した。つまり全28台のGT300クラス車両を(今回は昨年のランキングにより)14台ずつふたつの組に分け、それぞれの組上位9台がQ2に進出。Q2のタイム順でグリッドが決まるというもの。
今回A組に区分されたHYPER WATER INGING GR86 GTは平良がステアリングを握り真っ先にコースイン。4周かけてタイヤを暖めてアタックに入った。5周目のタイムは1分28秒066でさらにアタックを続け6周目に1分26秒677をマークした。この時点で9番手とQ2進出を決めたかに見えたが、平良のタイムを上回る車両があり結果的には11番手となりQ2に進むことがかなわず、スターティンググリッドは22番となった。
明日の決勝レースは13時10分にスタート予定。昼前後まで弱い雨が降るという予報で、路面コンディションも微妙ではあるが、後方から追い上げチェッカーまで走り切り入賞を目指すレースとなる。
●堤優威
「タイヤのサイズが規定により変わって厳しいシーズンではあるのですが、その小さなタイヤに対してのセッティングが正直合わせきれていない状態です。しかし同じタイヤを履くチームはタイムも出ているので、僕たちの考え方が違っていたのかもしれません」
「朝の練習走行では乗りづらかったのですが、引っかかったとはいえまとめれば7番手ぐらいには行けたと思います。僕と平良選手の乗り方はちょっと違っていて、僕の乗り方にはアジャストしやすいクルマでしたが、平良選手には難しかったのかなと感じました。決勝では何とか上位へ行けるよう頑張ります」
●平良響
「朝から大きな課題があったので、大きくセッティングを変えての予選となりました。クルマ的には良い方向に行きましたが、最後まで(良い部分を)絞り出せなかったと思います。上位とのタイム差が大きいので根本的に何かがずれているのではないかという感じです」
「今後はそのズレを探し出さないといけないなと。明日は短いレースなので追い上げも厳しいとは思いますが、天候を味方にしないといけません。大きなチャレンジもできるので、それがうまくいけば大きくポジションアップもできるのかなとは思います」
●加藤寛規監督
「要因としてはテストと今週のコンディションが違って、我々の予測とは違う方へ行ってしまいました。タイヤのレンジを間違えたということではありません。路温が低い時からセッティングを合わせて行ったのですが、思っていたものとは違う方向に行ってしまいました。これからもっと合わせ込みをしていかないといけないなとは思います」
「ただ同じブリヂストンユーザーが前にいるので、ちゃんとタイヤを使うことができればその位置には行けると思うので、これからしっかり準備を進めて行きたいと思います」