VELOREX プレスリリース

雨の岡山で悪夢が襲い、首位を奪うも無念のトラブル。再び追い上げポイントフィニッシュするも、失格に

4月13日(決勝)

 岡山国際サーキットで開催された2025 AUTOBACS SUPER GT Round 1 『OKAYAMA GT 300km RACE』の決勝は、前日とは打って変わった雨模様となり、天気予報では午前10時ごろには雨が上がるという予想も虚しく、スタート時になっても雨が降り続くコンディションとなりました。

 11時40分から20分間で実施されたウォームアップ走行では、各車レインセットの確認作業とタイヤ選定に追われ、決勝レースのスタート時刻まで各チームとも慌ただしく過ごしていくこととなりました。そんななか、6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIは片山義章選手がステアリングを握り、1分47秒580と6番手タイムをマーク。決勝レースに向けての自信を深めておりました。

 午後1時10分、決勝レースを前に予定されていたレースアンバサダーによるフラッグ行進や、交通機動隊による白バイやパトカーのパレードランも中止とされ、セーフティカースタートで82周のレースは幕を開けました。

 決勝レースは5周目にセーフティカーがピットに戻り、実質的なレースがスタートした直後に第1コーナーを過ぎたあたりでGT500クラスの3台のマシンが多重衝突を起こし、一旦は再びセーフティカーが入りましたがドライバーの救出作業を優先するため赤旗中断。午後1時55分再スタートと発表されました。

 片山義章選手はその時点で5番手のポジションをキープしていましたが、再スタートで冷えたタイヤの内圧が上がらず、6番手へとポジションダウン。14周目にGT500の1台が第1コーナーでコースアウトして再びセーフティカーが出され、17周目には隊列を整え再スタートとなりました。

 19周目にリスタートとなり、21周目にGT300クラスのトップ2台が接触。その混乱に乗じて片山義章選手は5番手に浮上しましたが、なかなかタイヤの適正温度に届かず、再び2台にパスされ7番手へとドロップ。しかしFCYが出されたタイミングで冷静さを取り戻すことができ、28周目には6番手、31周目には4番手へと浮上。タイヤが適正温度になって可動領域に入るとペースも上がり、上位陣の脱落もあって2番手争いを展開。やや強引にインを刺して2位の座を奪ったのですが、その際に接触してしまったことで、のちにドライブスルーペナルティを課されてしまいます。

 それでもハイペースで走る片山義章選手は48周目にトップに立ち、そのままピットに飛び込んでロベルト・メリ・ムンタン選手に交代。しかしピット作業中に運転席側のドアが脱落するトラブルが発生し、大きくタイムロス。さらにこのタイミングでチームは安全策を取って再びレインタイヤに交換したことが結果的に裏目に出て、再度タイヤ交換のためにピットインを強いられることとなったのです。

 レースは一時20番手までドロップしたロベルト・メリ・ムンタン選手が最後のスティントで怒涛の追い上げを見せ、チェッカーフラッグを13位完走、3ポイントを加算するかたちでのフィニッシュとなりました。従来と異なり1位から15位までにポイントが与えられる新ルールによって、VELOREXは初陣でポイントを獲得することができたと思っておりました。しかし悪夢はそれだけでは終わりませんでした。

 レース後、19時17分発表の正式結果では2025GTAブルテンNo.012-T『最大過給圧違反』により失格となってしまったのです。チーム側は審議に対して抗議しましたが結果は変わらず、幻の3ポイントとなりました。応援してくださった関係者のみなさま、ファンのみなさま、そしてスポンサーのみなさまに感謝の意を表明するとともに、ご期待に添えなかったお詫びを申し上げ、あらためて次戦でのリベンジを誓います。

片山義章選手のコメント

「決勝スタートでのタイヤ選択を誤りました。朝のウォームアップで使ったタイヤでスタートしていれば良かったのですが、やや硬めのタイヤをチョイスしたせいで、序盤の雨量とマッチせず、なかなかタイヤが発熱してくれなかったことで苦戦を強いられました。それでも頑張って2位の座を狙ってインに飛び込んだのですが、相手のドライバーもステアリングをインに切り込んできたので接触してしまい、ドライブスルーペナルティを課されてしまいました」

「ロベルトも必死になって頑張って走ってくれましたが、ドライバー交代時のロスタイムと、ドライブスルーペナルティで、今日のレースは13位完走がやっとの結果でした。勝てる自信があっただけに残念な結果ではありますが、チーム全員が頑張ってくれたのは充分感じています。次は勝ちます!」

ロベルト・メリ・ムンタン選手のコメント

「今日はあまりコメントしたくありません。自分たちは速さがあったにも関わらず、いろいろな問題が発生し、勝てなかったのが悔しいです。せっかくテストで好感触を得ていただけに、チーム全員ががっかりしていると思いますし、13位という結果が自分たちの実力を表している結果だとは思えません。このレースでの失敗を教訓に、次の富士で勝利を目指したいと思っています」

小倉啓吾チーム監督のコメント

「土曜日の好調ぶりから考えれば、厳しい結果になってしまいました。スタート時のタイヤ選択は天気予報と気象図を考えすぎた結果だったと思いますが、ピット作業の遅れとその際のタイヤ選択に関する部分は、別の答えがあったのではないかと思っています。それらのミスさえなければ、ふたりのドライバー、そしてチームのスタッフ全員と共に勝利の美酒を味わえたかも知れないと思うと、とても悔しい結果でした。新ルールのおかげで何とかポイントは獲得できたと思いましたが失格とされ、本当に残念です。今日のレースを教訓とし、より強いVELOREXを目指す所存です」

古場博之エントラント代表のコメント

「失格の裁定に関しては、信じられないという気持ちや、納得がいかない部分はありますが、GTAの裁定を受け入れました。理由は『最大過給圧違反』です。各セッション後にGTAが過給圧を確認して、GTAから提示されるBoPに従い、基準値を超えている場合はフェラーリから派遣されているエンジニアに調整してもらっています」

「今回も公式練習終了後の時点で過給圧の基準値を超えているところがあり、指摘された部位の過給圧を修正しました。その後、予選やウォームアップのデータもGTAが確認し、グリッド上での確認でも修正の指示が出ていませんでした。しかし決勝後のGTAの確認結果では基準の過給圧を越えていました」

「決勝前は問題が無かった部位が、決勝で問題になったことは、何か過給圧制御に問題が発生した可能性もあるので、フェラーリのエンジニアに原因解析を依頼しております。過給圧が一部でも越えていたのは事実です。チームとしてはどうすることもできない部分ではありますが、ルールは遵守せねばなりません。応援してくださった方々や、頑張ってくれたふたりのドライバーに申し訳ない気持ちでいっぱいです」

「それはさておき予選での速さを決勝に結びつけられなかったのは、やはりチームの総合力が不足していたのだと思います。“たら、れば”はレースにあってはいけません。ときにはギャンブルに出る勇気も必要だったと思いますし、我々挑戦者が初勝利を得るためには、攻めの姿勢が大切なのだと改めて痛感しました。VELOREXという名に恥じぬよう、次のレースでリベンジしたいと思っています」

UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI
UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/R.メリ)/2025スーパーGT第1戦岡山

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