LM corsa プレスリリース

17番手からスタートしたLM corsaは序盤に6台をパスしたが第2スティント以降はペースが伸びず、14位で開幕戦を終える

<気象データ>
気温:11℃、路面温度:15℃(スタート時)

 3月に岡山国際サーキットと富士スピードウェイで実施された公式テストを経て、開幕を迎えた『AUTOBACS SUPER GT 2025 SERIES』。今シーズンは6年ぶりに海外大会が実施されるなどトピックが多いなかで、第1戦が4月12日(土)、13日(日)の2日間にわたって岡山国際サーキットで開催された。

 2014年からスーパーGTに参戦をはじめたLM corsaは、LEXUS RC F GT3の開発を担いながら2020年シーズンまで同車で参戦してきた。2021年からはGT300規定で製作したGR Supra GTに移行し、今季は新車となるLC500 GTを投入。国内外の自動車メーカーが生産しているGT3マシンとは異なり、LC500 GTはレギュレーションの範囲内でチームごとにアレンジが許されている。大阪トヨペットグループを母体とするLM corsaは、エンジニアの技術向上や育成を目的のために、このGT300規定の車両を選択。

 2月にシェイクダウンテストを終えたLC500 GTは、2回の公式テストでも好調さを示し、開幕戦から上位に入ることが期待された。12日(土)に公式練習では、路面コンディションの影響なのか事前テストのようなフィーリングが得られず、メカニックが懸命にセットアップの調整を繰り返した。午後に行われた予選Q1ではグループ6番手のタイムで、調子を戻したように見られたが、予選Q2ではオーバーステアに悩まされ17番手となった。

LM corsa 2025スーパーGT第1戦岡山 決勝レポート
Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)/2025スーパーGT第1戦岡山

 決勝レース日の13日(日)は天気予報どおりの雨天となり、午前中のピットウォークやドライバーアピアランスのときには雨脚が強いタイミングもあった。11時40分から決勝レースに向けたウォームアップ走行が行われ、全車がレインタイヤを履いてコースイン。LC500 GTには吉本大樹選手が乗り込み1周をするがすぐにピットに戻り、セットアップを調整。20分ウォームアップ時間のなかで10分ほどのピットストップとなったが、後半にはコースに復帰し6番手のタイムをマークした。

 ウォームアップが終わるとスタート進行に移り、GT500クラスの15台とGT300クラスの28台がグリッドに整列した。レースは予定どおりの13時10分にスタートしたが、ウエットコンディションだったため岡山県警によるパレードラップが中止となり、セーフティカーの先導でグリッドを離れた。4周にわたってセーフティカーがGTマシンの隊列を引っ張ると、5周目にスタートが切られた。しかし、直後の1、2コーナーでGT500クラスの複数台がからむクラッシュが発生し、レースは赤旗によって中断。吉本選手が駆るLC500 GTはスタートポジションの17番手をキープしたままレース再開を待った。

 コース復旧などに時間を要し、約30分の中断を経てレースは13時55分にリスタートとなる。6周目から再開となった決勝レースは、セーフティカーがふたたび隊列を先導。10周目にセーフティカーがピットに戻ると、本格的なバトルが始まる。吉本選手は10周目には早くも2台をパスして15番手に浮上すると、1周するごとに2つずつポジションをアップ。13周目にはトップ10圏内に迫る、11番手まで順位を上げていた。

 さらに追い上げたいところだったが、14周目にGT500のマシンがコース脇に止まったためにふたたびセーフティカーが導入される。18周目にレースはリスタートするが、路面コンディションが回復し出す。ペースが落ちてきた吉本選手は11番手のままだったが、25周目にピットに戻り河野選手へのドライバーチェンジとタイヤ交換、給油を行った。

 LC500 GTはライバル勢よりも早めのピットストップとなったことで27番手まで後退したが、先行車がいないポジションでラップタイムを伸ばす戦略を採った。だが、選択したレインタイヤがコンディションと合わず、河野選手は苦戦を強いられる。31周目には25番手、26周目には22番手と徐々にポジションを戻していくが、ペースが伸びない。45周目を過ぎると路面コンディションがさらに回復していき、スリックタイヤを選択するチームも出始める。チームは50周目に河野選手にピットインの指示を出し、レインタイヤからスリックタイヤへと交換。

 義務付けられているピットストップは1回なのでロスタイムにはなるが、終盤の追い上げを期待しての戦略だった。54周目には17番手、57周目には15番手までポジションを上げて、さらに追い上げたいところだったが63周目にGT500クラスのマシンが止まったためにFCY(フルコースイエロー)が提示される。そして翌周にこのFCYからセーフティカーランに移行。河野選手はFCYとなる前に、トップを走っていたマシンから1周遅れたポジションを走っていたため、このセーフティカーが導入によって1周遅れが確定してしまう。

 68周目にレースは再開し、周回を重ねたがセーフティカーによってラップダウンとなったため順位を戻すことができず、77周目に15位でフィニッシュ。正式結果では先着したマシンが失格となったため14位となり、今シーズンからGT300クラスは15位までポイントが付与されるため、2ポイントを獲得したが望んだ内容ではなかった。

 ニューマシンのLC500 GTは、シーズンオフのテストで好調さを示していただけに好成績が期待された。しかしコンディションに合わせることができずに、開幕戦は終了した。本来のパフォーマンスはもっと高いところにあるはずなので、次戦に向けてしっかりとした検証と準備を行っていきたい。

●飯田章監督

「序盤の雨が強い時点ではハイペースで追い上げることができていて、トップ10圏内も見えていました。ただ、それ以降のペースが遅く、セーフティカーのタイミングも見方にならず、結果的には14位になるのが精一杯でした」

「荒れたレースになればスタートポジションよりも挽回できると思っていたのですが、想像とは違っていました。テストの調子から期待を持って挑んだ開幕戦でしたが、思わぬ結果で腑に落ちないところがあります。新車のパフォーマンスが引き出せていないので、チームと対策を練って次戦に挑みたいです」

●吉本大樹選手

「決勝レースはスタートを担当して、前半はまわりのマシンに対してアドバンテージがありました。ただ、赤旗で中断してしまったので、履いていたタイヤに合ったコンディションが短くなったのが想定外です」

「20周目を過ぎるとペースが落ちたため早めにピットに入ったのですが、その後のペースが悪く順位を挽回できませんでした。2回目のピットストップでスリックタイヤに替えた判断も、間違っていないと思います。まだまだLC500 GTのパフォーマンスを引き出せていないので、次戦までに改善していきたいです」

●河野駿佑選手

「決勝レースは吉本選手からバトンを受けて走りましたが、選択したタイヤのウォームアップに時間がかかり、その後もペースが上がりませんでした。スリックタイヤに替えた50周目以降はすぐにベストタイムもすぐに出て良かったのですが、セーフティカーのタイミングが我々にとっては最悪でした」

「GT300は今シーズンから15位までポイントが獲れるようになったので、辛うじてポイント圏内という結果でした。狙っていた順位とは大きく離れているので、公式練習からの内容を検証して、次戦の富士スピードウェイでは上位で争えるようにしていきたいです」

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