4月13日、岡山県の岡山国際サーキットで行われた2025スーパーGT開幕戦『OKAYAMA GT 300km RACE』の決勝で、ポールポジションからスタートした14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)は、11周目に1号車au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)にトップを奪われ、2位表彰台でレースを終えた。
4月12日の予選では、Q2のアタッカーを担当した福住がポールポジションを獲得。ROOKIE Racingオーナーの“モリゾウ”こと豊田章男トヨタ自動車会長も笑顔を見せた。決勝でもENEOS Supraは優勝候補の1台となったが、同じトヨタGRスープラGT勢であり、同じブリヂストンタイヤを履く最大のライバルau Supraに逆転される結果となった。
●新体制とともに挑んだ初戦「課題が明らかになりました」
チームにとって2024年第3戦鈴鹿以来となる表彰台について、スタートドライバーを務めた福住は「悔しい2位ですが、きちんとレースができた」と率直な心境を語る。
「昨年の成績を考えると、開幕戦からちゃんとレースができたことは前進した部分だと感じます。チームのみんなにとっても、自信につながるレースだったと思います」
2025シーズンへ向けてTGR TEAM ENEOS ROOKIEは、チーム体制を変更してきている。ドライバーコンビは継続となった一方、武田敏明氏が新監督、高田剛氏がエンジニアに就任した。
予選後に大嶋は、エンジニアが変わった影響について「昨年はシーズンを通して、一瞬(タイムが出る)ピークはありつつも、少しでもタイヤのゴムがタレ始めるとオーバー(ステア)になって乗りにくいクルマでした。ただ、今年はリヤがドシッとしていて、若干曲がりにくい雰囲気もありますがカドが取れてコントロールの幅が増え、タイムも速くなりました」と、セッティングの変化がタイム向上につながっていると明かしていた。
さらに福住は「チームの雰囲気が変わって、オフはマレーシアでのテストから順調に進めることができたと思います。(3番手タイムを記録した)公式練習では悩んだところもありましたが、今回はチームのおかげで予選にうまくあわせることができ、ポールポジションを獲ることができました」と新体制を高く評価。開幕戦から体制変更の手応えを得ている様子だ。
ただ決勝レースでは、序盤の赤旗中断からのリスタートとなった11周目、レッドマンコーナー(通称ダブルヘアピンのひとつ目)でau Supraにインを差され、首位を失った。
福住はau Supraとのバトルについて「僕たちのクルマは1号車よりも、ウォームアップの早さで少し負けていた部分があると感じています」と課題をコメント。
また、後半スティントを担当した大嶋は、苦戦したポイントについて「決勝でタイヤのグリップが落ちてきた時に弱さが出た」と話したが、「課題は明らかなので、次までに改善できるはず」と語り、新体制への自信を続けた。
「僕たちは今回、勝てるつもりで来ていました。なので2位は悔しいですが、今年の体制なら1号車を逆転できるはずだと思っています。まずは次の富士で前を走れるよう、しっかりやっていきたいと思います」
2位表彰台を獲得したENEOS Supra陣営は、5月3~4日に行われる第2戦富士で32kgのサクセスウエイトを積載することになるが、開幕戦で見えた課題を克服し、チームガレージのそばにある富士スピードウェイで勝利を掴む事ができるだろうか。