D’station Racing
Race Report – 2025.4.14
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2025 AUTOBACS SUPER GT
Round 1 OKAYAMA GT 300km RACE
APRIL. 12 – 13 Qualify :2nd / Race:24th
予選で最前列獲得も、決勝は他車の追突で開幕戦を失う
ランキング4位とシリーズ復帰の初年度を素晴らしい結果で終え、D’station Racingは悲願のチャンピオンに向けて2025年シーズンに臨んだ。開幕戦の舞台は、岡山県の岡山国際サーキット。チームにとっては決して相性が良いコースではないが、それでもオフシーズンのテストを経て、藤井誠暢とチャーリー・ファグのふたりは、開幕から好結果を残すべく臨んだ。
そんな第1戦の走り出しは、4月12日(土)の予選日。この日の岡山国際サーキットは晴天に恵まれ、午前9時30分から行われた公式練習は、ドライコンディションのもと迎えた。
D’station Vantage GT3は、今季開幕前の公式テストでは苦戦を強いられてきたものの、今回の第1戦ではポテンシャルが感じられる仕上がりとなっていた。まずは藤井がステアリングを握りコースインすると、1分26秒089というタイムを記録。今回が岡山での初レースとなるファグにステアリングを託すと、20周を走行。1分26秒824というタイムを記録し午前の走行を締めくくった。藤井のタイムは結果的に公式練習の7番手となり、今シーズンも参戦28台という大激戦のGT300クラスの中ではあるものの、十分にD’station Racingは上位で戦える手ごたえを感じることになった。
そんな手ごたえは、午後2時から行われた公式予選で開花する。今シーズンからふたたびノックアウト方式に変更された予選だったが、公式練習のタイムから、Q2進出が十分に可能と判断したチームは、岡山での初予選ながらファグをQ1のアタッカーに据えた。その期待に応え、ファグはB組から出走すると、アタック2周目にはボンネットが開きかけてしまうトラブルもありながら1分26秒436を記録。4番手につけQ2進出を果たした。
ファグの頑張りに、エースの藤井もQ2で応えた。昨年の躍進を支えたダンロップの新たなタイヤのパフォーマンスも助け、4周目には1分24秒536を記録しトップに躍り出た。いきなりの開幕ポールポジションか……とも思われたが、最後にタイムアップした#4 AMG GT3に逆転を許し、結果は2番手。それでも最前列を確保し、決勝に向けて大いに期待を高めた。
迎えた4月13日(日)の決勝日、岡山国際サーキットは前日の春の陽気から一変。雨模様となった。風も強く、午前中には時折横なぐりの雨が吹き付ける。ウォームアップ走行、さらに決勝グリッドも雨が舞い、午後1時10分から行われた決勝レースは、完全にウエットコンディションでセーフティカー先導のスタートとなった。
スタートドライバーを務めた藤井は、5周目にセーフティカーが退去すると、前方で発生したGT500クラスのクラッシュの間隙を突き、#4 AMG GT3をオーバーテイク。トップに躍り出る。アクシデント処理のため赤旗中断となったが、再開後はレースをリードしていった。
ただ、たび重なるセーフティカーランの間、雨脚が弱まりコース上の水量が減る。すると、#4 AMG GT3が藤井を猛追した。
21周目、#4 AMG GT3がパイパーコーナーで強引にインに入ろうとした際に、姿勢を乱しD’station Vantage GT3に追突。藤井はたまらずグラベルにはじき出されてしまった。藤井もペースの違いを理解しており、強引にブロックしたわけでもない。#4 AMG GT3にはその後ペナルティが課されたが、これでD’station Vantage GT3は最後尾まで後退してしまった。
コース復帰後、29周でピットに入りファグに交代、時折トップと互角に走るも、雨が止み路面が乾いてからは全体的なペースは苦戦。結果は4周遅れの24位。開幕戦は、公式予選までの速さが繋がらない失意のレースとなってしまった。
唯一の救いは、D’station Vantage GT3の予選までのスピード。5月の第2戦富士では、今回失ったポイントを取り返しにいく。
COMMENTS:
Team Owner:Satoshi HOSHINO
2025年もSUPER GTにD’station Racingとして参戦することができ、まずは嬉しく思っています。テストまでは苦しい状況でしたが、今回は走り出しからスピードがあり、公式予選ではQ1のファグ選手、Q2の藤井選手が素晴らしいアタックをみせてくれたと思います。結果予選2番手と、フロントロウからのレースだったので、決勝も大いに期待はしていたのですが、雨からコンディションが変わってくるときに追突され、大きく遅れることになってしまいました。とても悔しいですし、あのアクシデントがなければ……という思いですね。次戦でしっかりポイントを取り戻してくれることを期待しています。第1戦でのD’station Racingへのご声援ありがとうございました。
Director:Kazuhiro SASAKI
残念な決勝レースになってしまいましたね。予選日は本当に速くて、公式練習でも上位でしたし、公式予選でのファグ選手、藤井選手のアタックには本当に興奮しました。また決勝でもスタート直後の混乱のなかで藤井選手がトップに立ってくれたので、そこまではチームの雰囲気も最高だったんですけどね。雨が上がってから追いつかれ、結果的に追突されレースを失うことになってしまいました。レース後半のドライになってからは少し苦しいところはありましたし、タラレバは禁物ながら、追突がなければポイント獲得、表彰台も見えていたのではないかと思います。ただスピードがあるのは間違いないと思うので、次の富士でも大いに期待していますし、借りを返したいです。
Supervisor:Tetsuya TANAKA
公式予選までは流れも良く、フロントロウからスタートすることができましたが、トップに立つことができたものの、追突されてしまいました。あのシーンで急いで追い抜きを仕掛けなくても良かったのではないかな……とは思いますし、残念ですね。とはいえ、その後のレースについては改善点が非常に多かったことが課題ではないかと思います。優勝を勝ち取るために必要なものが、現時点では足りていないことがよく分かりました。その改善点をしっかりと解決していかなければいけませんし、今日のレースは前からのスタートだったとはいえ、勝てるレースではなかったのではないかと思います。次戦までに改善点をしっかり見出し、どうするか探っていきたいと思います。
Driver:Tomonobu FUJII
決勝は2番手からのスタートで、序盤雨が多いときには良いペースで、トップに立つことができました。ただ、その後のセーフティカーラン明けに追突されてしまい、グラベルにスタックすることになりました。優勝を争う権利を失ってしまったのは残念です。グラベルにスタックした後、ABSのエラーが出てしまいましたが、その後はコース上に留まることになりました。せっかくの2番手からのレースが台無しになってしまったので、非常に残念です。プロ同士のレースではこういうことは起きないと思っていましたから。今回は悔しい結果でしたが、第2戦富士は、昨年もアベレージは良かったですし、予選で速さはみせられたので、次戦も優勝を争っていきたいと思います。
Driver:Charlie Fagg
まずは今シーズンもSUPER GTを戦うことができ、とてもうれしく思っているよ。公式予選までは素晴らしいパフォーマンスがあり、良い感触だった。レースでは、残念ながら藤井サンが追突されてしまい、とてもタフなレースになってしまった。藤井サンのせいではないアクシデントだったよ。その後は何周か遅れでレースをすることになってしまったけれど、ウエットコンディションとドライの両方を走ることができたのは、僕にとっては本当に学びになったと思う。とはいえ、ドライのときのフィーリングは悪くなかったけどペースは少し苦しかった。だから例えトップを走っていても厳しかったかもしれないね。この悔しさは第2戦の富士でぶつけたいと思っているよ。