2025年シーズン開幕戦、2台のニッサンZニスモGT500が入賞
4月13日 岡山国際サーキット(岡山県)
2025年スーパーGTシリーズ第1戦が岡山国際サーキットで開催され、4台のニッサンZニスモGT500がシーズン開幕戦に挑みました。激しい雨やアクシデント、コンディションの変化により波乱の展開となった決勝レースで、新たなドライバーコンビネーションで挑んだ2台、#23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)が6位、#3 Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)が10位に入賞しました。
2025年シーズン、ニッサン/ニスモ陣営は、投入2年目を迎えるニッサンZニスモGT500の熟成を進め、タイトル奪還を目指して全8戦のシーズンに臨みます。ニッサン/ニスモ陣営は高星明誠が加入した#23 ZとGT500クラスに復帰した佐々木大樹が加わった#3 Z、そして新たなスポンサーを得た#12 TRS IMPUL with SDG Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)と、#24 リアライズコーポレーションADVAN Z(松田次生/名取鉄平)の4台が参戦します。
【GT500】
#24 リアライズコーポレーションADVAN Zが予選3位
ニッサンZニスモGT500勢は4台揃ってQ2進出
●予選
今シーズンは予選方式が変更され、ノックダウン方式が復活しました。また、Q1からQ2に進出できる台数は上位10台と、以前の8台よりも増加しています。
予選日の4月12日は朝から好天に恵まれ、予選開始の段階では気温27度、路面温度37度のコンディションとなり、午後2時33分からGT500クラスの予選Q1がスタートしました。
10分間という限られた時間で、各車入念にタイヤのウォームアップを行い、5周ないし6周目にアタックを開始。#12 Zの平峰は5周目に1分17秒498、#23 Zの高星も5周目に1分17秒637でベストラップをマーク。6周目にアタックした#3 Zの三宅は1分17秒512、#24 Zの名取は1分17秒686で予選Q1を終えました。
僅差の争いのなか、#12 Zが7番手、#3 Zが8番手、#23 Zが9番手、#24 Zが10番手となり、ニッサンZニスモGT500勢は全車Q1を突破し、Q2進出を決めました。
15時11分から開始されたQ2では、#24 Zの松田がタイヤのコンディションを上手くコントロールして4周目にアタックし、1分16秒619という、Z勢最速ラップをマークします。#23 Zの千代が5周目に1分16秒933と16秒台に入れ、#12 Zのバゲットは1分17秒268、#3 Zを駆る佐々木は7周目に1分17秒375のベストタイムで予選Q2を終了しました。
最終順位は#24 Zが3位、#23 Zが7位、#12 Zが9位、#3 Zが10位で確定し、順位どおりのグリッドポジションで翌日の決勝レースに臨みます。
#23 Zが6位、#3 Zが10位
波乱の展開のなか、着実にポイントを獲得
●決勝
4月13日決勝日、朝方から降り続いた雨により、コースはウエット状態でスタート時刻を迎えました。強い風を伴う雨はスタート直前に小雨になりましたが、コースはベビーウエットに近く、気温13度、路面温度15度のコンディションで、13時10分にセーフティカー(SC)先導で82周の決勝が開始されました。安全面を考慮してSC先導で4周を周回した後、シグナルはグリーンに変わりレースがスタート。その直後、1コーナー先で多重クラッシュが発生し、バゲットがドライブする#12 Zは目の前のアクシデントを避けきれずにクラッシュし、コース上にストップしリタイアとなりました。
このアクシデントにより、レースは6周目に赤旗中断。この時点で#24 Zの名取は4番手、千代がドライブする#23 Zは6番手、佐々木がドライブする#3 Zは7番手となっています。
13時55分にSC先導でレースが再開されました。4周にわたりSC先導走行が行われた後、11周目にシグナルグリーンとなります。#23 Zはアトウッドカーブで単独スピンを喫し12番手に後退しました。14周目には#24 Zと4番手争いをしていた#3 Zが1コーナーでコースアウト。グラベルでストップし、SCが導入されました。
その後コースに戻った#3 Zは16周を終えてピットに入りタイヤ交換を行いました。19周目にSC先導走行は解除され、その時点で#24 Zが4番手、#23 Zは10番手、#3 Zは12番手となっています。
徐々にペースが落ち始めた#24 Zは次第にポジションを落とす苦しい展開のなかで8番手を走行。42周を終えてピットインした#24 Zはメカニカルトラブルを修復するためにピットガレージにマシンを入れました。レース中盤、GT500クラスのピットインが始まり、48周を終えて4番手までポジションを上げていた#23 Zがピットイン。ドライバーを高星に交代してレース後半の追い上げを開始します。
GT500クラスの全車がピットインを終えた段階で7番手となった#23 Zは、56周目、57周目と立て続けに前車をオーバーテイクし、5番手にポジションを上げました。
レース終盤、コンディションが回復し、ドライタイヤに交換するマシンが出始めました。次第にドライタイヤのペースが上がり、#23 Zも62周を終えてピットインし、ドライタイヤに交換します。#23 Zはペースが上がる前にポジションを落としてしまい、8番手に後退。しかしその後もポジションアップを狙い、6番手でフィニッシュし、難しいコンディションのレースで入賞を果たしました。
#3 Zは、コースアウトのタイムロスで周回遅れになったものの、レースに復帰した後はペース良く周回を重ねて、他車のアクシデントなどもあり10番手、入賞圏内でチェッカーフラッグを受けました。トラブル修復に時間を要した#24 Zは、レース後半を担当した松田がハイペースで周回を重ね、貴重なデータ収集を行うとともにマシンの速さを実証し、11位完走を果たしています。
ヘビーウエットのコンディションで始まり、赤旗中断や複数のアクシデントが発生する波乱のレースでしたが、#23 Zが6位、#3 Zが10位と、ニッサンZニスモGT500勢は2台が入賞しポイントを獲得しました。ニッサン/ニスモ陣営は今回のレースでの課題を克服し、さらに競争力を高め勝利を目指して次戦に臨みます。
●千代勝正 選手(#23 MOTUL AUTECH Z)
「荒れたレース展開でしたが、最初のアクシデントは間一髪避けることができました。次の再スタートでは自分がスピンしてしまいましたが、もともとウエットのペースは良かったので、その後は気持ちを切り替えていきました」
「なかなか抜きづらく、集団の中で走行していたので、路面などの状況を見極めて高星選手にバトンをつなぐということに注力しました。ライバルのパフォーマンスも上がっていると思うので、僕らも頑張らないといけません。次の富士では多くのファンがきてくれると思いますので、優勝を見せたいと思います」
●高星明誠 選手(#23 MOTUL AUTECH Z)
「ダンプコンディションの時は戦えているなという印象があったのですが、ドライタイヤに換えてからは少しウォームアップに苦労してしまい、ライバルを追い切れなかった印象です。ドライタイヤを、まだライバルほど使いこなせていなかったのだと思います」
「次の富士は得意ですし、サクサスウエイトも重くないので、良い結果を残したいと思っています。23号車への期待というものは理解していますし、僕にとっては自分のやるべきことをしっかりやっていくスタンスで、目標に向かって進んでいきたいです」
【GT300】
GT300クラスには4台のニッサンGT-RニスモGT3と、1台のGTA GT300規則のフェアレディZが参戦しました。予選9番手からスタートした#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/平手晃平)が大きくポジションを上げ、3位表彰台を獲得しました。